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【コラム】中国現場体験記(24) 中国の地下鉄事情

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2011年9月5日

記事概要

中国滞在中、筆者はできる限り地下鉄・バス・タクシー等を利用し、乗り物を通じて各地の地域事情に触れるようにしています。今回は、中国各地で乗車した地下鉄に関する現場体験記です。

筆者は、北京・上海・広州・深セン・香港など中国各地で地下鉄に乗車し、各地の地下鉄事情を見てきました。今回は、以前毎日のように乗車していた北京市地下鉄を中心とした、中国各地の地下鉄事情に関する現場体験記です。

1.地下鉄への乗車前
(1)荷物検査
北京および上海の地下鉄では乗車券購入後、改札機を通過する前にX線による荷物検査を受ける必要があります。空港でもよくある荷物検査機と類似の機械に手持ち荷物を通す必要があるのです。北京オリンピックおよび上海万博が終結した現在でも、この荷物検査は継続されています。ちなみに、広州、深?および香港では、現在のところ荷物検査はありません。

(2)やる気のない係員
上述の荷物検査ですが、荷物をX線の検査機に通しても、係員は皆やる気がなさそうに頬杖を付いていたり、おしゃべりをしていたりで、まともに検査画面を見ていることはほとんどありません。例えば、女性が急いでいるしぐさで係員の前にカバンをぱっと開けて見せるような場合、そのまま通過させてくれます。つまり、あくまで形式だけの検査と言え、まるで昔ながらの国営スーパーのやる気のない係員のような風情です。

2.地下鉄への乗車後
(1)地下鉄の車両
各地の地下鉄車両自体はきれいで、快適に乗車できます。筆者の印象では、東京都を走る都営大江戸線に似た大きさ、高さといった具合でした。

(2)乗客のマナー
乗客のマナーは上海および香港が他の地域と比べると良いように感じました。
筆者からすれば、上海人および香港人は中国人(漢族)というよりは外国人のように感じることが多くあります。北京など他の地域の中国人(漢族)は、上海人や香港人を「気取っている。人を馬鹿にする嫌な奴。香港人は中国語(普通話)も話せず、中国語の文章も書けない」などと嫌っており、逆に上海人や香港人は、他の地域の中国人を「田舎者」と小馬鹿にしている傾向があります。

実は、上海および香港にも他の地域から来ている人が多くいるのですが、それでも他の地域と比較すると小奇麗に地下鉄を利用しています。たとえば、香港の地下鉄車内での食事は禁止されていますし、日本ほど列を作って並ぶことはないものの、我先にという中国らしさは薄く、乗車マナーも比較的良いほうです。

しかし、北京や広州では、列に並ばないのは普通のことですし、降車する人を押しのけて乗車してきます。また、家族や友人など遅れてきた連れを乗車させるため、ドアの間に立って出発させないようにする人なども度々見かけます。

(3)地下鉄車内での物乞い
最近では、上海、広州、深セン、香港の地下鉄車内では物乞いの姿を見かけなくなっていますが、北京では今でも多くの物乞いがいます(地下鉄車内でギターの流しをしている者もいます)。

北京の地下鉄(空港快速を除く)の乗車運賃は一律2元です。それに対し、上海、広州、深セン、香港では日本同様、距離によって乗車運賃が異なります。これが他の地域とは異なり、北京の地下鉄で物乞いが闊歩する理由の一つかも知れません。
また、上海の友人によると、「上海では規則上、物乞いは認められないし、上海万博の影響もあって、地下鉄車内でそのような行為を行う人には厳しい対処が行われるため、存在しなくなっている」とのことでした。

北京市地下鉄車内での物乞いの多くのパターンとしては、歌を歌う身体障害者とその手を引く、妻、老婆、子供が、車内の乗客一人一人にお金をせがむというものです。
筆者は、考え事をしていたり、本を読んでいたりするときに、突然、お尻や足を捕まれびっくりすることが度々ありました。びっくりしながら誰が掴んできたのかと下を見ると、子供が金をせがんできているのです。一般的には日本人以上に子供に優しい(甘い)中国人ですが、こういった物乞いの子供たちへの対応は厳しく、蹴飛ばしたり、罵ったりする中国人を見かけることもあります。

(4)北京市地下鉄がお勧め
エスカレーターの逆送に留まらず、地下鉄自体が逆送するといった事態もたまに発生していますが、中国らしい地下鉄を味わいたい方は、香港や上海よりも北京の市地下鉄がお勧めです。


※文明的行為を求める掲示(広州市地下鉄車内)

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