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中小企業は、まず空中戦から始めよう

中国ビジネスレポート コラム
森辺 一樹

森辺 一樹

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2013年4月24日

 大手企業のアジア展開が加速する中、中堅、中小企業もその必要性に迫られている。しかし、多くの中小企業は「何をどうしてよいのか分からない」というのが実情である。これは、中小機構が平成22年度にまとめた中小企業海外事業活動実態調査でも、62%の企業がそう答えている。

 アジアはもはや生産拠点だけで出る地域では無く、市場として捉えられなければ出ても待っているのは失敗だけだ。大企業は、アジアでも他国企業とのグローバル競争に必死で、品質の良いものが必ず売れるとは限らないアジア市場においては、コスト構造の大きな変革を求められている。今迄同様に日本の中堅・中小企業から部材を買うとは限らない。現地部材メーカーの品質も向上する中、部材調達の仕組みもグローバル化する。今後は益々取引先がアジア出ることによる進出は禁物だ。

 何をどうしてよいのか分からないまま安易に進出をすれば、結果は容易に想像が付く。アジア市場に一度はチャレンジし、撤退した企業など山程ある。その多くの企業の失敗要因は、戦略の甘さにある。戦略の甘さが、「タイミング」や「やり方」に誤りを生み、失敗という結果を招いたのだ。

 既にアジア市場に拠点展開をしてしまった中小企業においては、外部の第三者の専門家に現状の診断と課題の整理をしてもらい、確りと戦略を組み直すべきだろう。
 拠点展開はこれからという企業も、同様に専門家と戦略の策定を着実に行うことが必要であるが、まずは、空中戦から始めるというのも、最低限のコストで、基礎力を付けるにはベストな方法だ。ここで言う空中戦とは、B2BのEコマースの利用を指している。

 例えば、Alibaba.comなどを活用すると、世界中の同業種の中小企業が参加しており、まず、サイトを検索することで、自社のアジア市場における競争優位性を即座に知ることができる。そして、実際の商談に関しても、数多くの問い合わせがくる。自社のホームページを他言語化しただけでは、太平洋で釣りをするようなものだが、これらEコマースであれば、生け簀で釣りをするのに等しく、釣れる確立は格段に高い。重要なのは、その問い合わせの中から、より角度の高いものを見極め、成約基盤を作り、そこからリピーターを増やしていくことだ。拠点展開をすれば、した直後から多額の固定費がかかるが、Eコマースの利用であれば、少しの努力と月数万円の投資で済む。リピーターを更に見極めれば、アジア市場におけるパートナーになりうるケースだってある。
 こういった一連の活動を確り行えば、多くのことを学べるし、自社の基礎を上げることは外部の専門家を活用する際にも、より効果的に活用することができる。何をどうしてよいのか分からない企業は、まずは、Eコマースと真剣に向き合うのも、着実な一歩を踏み出す効果的な手段だと思う。

(2012年3月執筆)

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