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【コラム】中国現場体験記(65) いざ、チベット鉄道に乗車

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2013年5月27日

標高3,400~4,100mの雲南省シャングリラ(チベット族の街)にて、高山病(高原反応)に苦しんだ経験がありましたので、チベットに向かう際には、事前に予防の薬を飲んで行くことにしました(ある友人は、高山病による体の重さについて、「上に小錦が乗っていた」と表現していました)。その薬は、西寧で出会ったドライバーも飲んでいた地元民お勧めの薬でした。
ところが、チベット鉄道に乗車し、標高5,000m周辺を走り出すと、高山病予防の薬くらいではどうにもならないことが分かりました。旅の本によると、チベット鉄道内は気圧調整・酸素調整がされており、高山病対策万全のはずでした。しかし、実際に乗車してみると、高山病の予防効果はほぼゼロに等しく、周りの漢族観光客の大半も昼間から寝込んでいました。友人の一人は真っ青な顔で身動きもせずに、布団の中に倒れていました。

1.西寧の駅構内
旅の始まりである西寧の駅構内へは、出発1時間前に到着しました。駅構内に入る前に、チケットと荷物の検査が行われました。土族(トゥー族)のガイドは、ここでお別れとなりました。乗車前に我々グループに対し、1枚の荷物確認表が作られました。チベット鉄道乗車前に、駅係員から、この荷物確認表をチェックされます。また、「旅客健康登記カード」への記載も求められました。記載内容は、「私の体は標高3,000mを超える高地にも対応でき、問題ない」というものでした。漢族の友人からは、「心臓が弱い人がチベットに行くと死ぬこともある。あなたの心臓は大丈夫か?乗車前に健康診断は必須だ」と脅されていました。

中国では、長距離列車に乗車する場合、乗車時間直前にならないと、プラットホームには入れないようになっています。そこで、筆者は軟臥(1室4人の部屋、2段ベッドが左右に2台ある)専用の待合所で荷物整理などをして待っていました。「軟臥専用の待合所」とは言っても、何か特別室があるわけではなく、一帯が区切られているだけの場所でした。中国の寝台列車では、乗車してもすぐには、トイレは利用できません。列車が停車しているとき、およびその前後には、トイレに鍵がかけられるのです。列車が動き始め、しばらくしてからようやく係員が鍵を開けてくれます。これは列車が駅に着く度に行われますので、トイレに行きたい人は、駅に着く前後を外して行っておく必要があるのです。

筆者は、チベット鉄道乗車前に、駅構内でトイレを済ませておくことにしました。入口近くの便器で用を足そうとしたところ、小便器の中には大きな大便が入っていました。大便をする場所がどこも空いていないことから、我慢できない人が、小便器にお尻を入れ、大便をしたようでした。別の小便器を使うことにしました。

2.いざ、チベット鉄道車内へ
筆者も乗車する列車の乗客が入場し始めました。改札を通過して、階段を降り、乗車予定の列車が止まっているプラットホームに駆け上がります。
駅員:「荷物確認票は?」
荷物確認票を持っていた友人が、チベット鉄道の写真撮影に夢中になっていました。
筆者:「後から来る友達が持っているよ。友達に言って」
駅員:「あなたたち日本人?」
筆者:「はい」

乗車できました。筆者が利用する軟臥の乗客は、我々日本人が3人と中国人の年配男性1人でした。
筆者も、自分の寝台に荷物を置くと、早速、貴重品とカメラだけを持って、チベット鉄道の先頭車両に向かい、列車の撮影をしました。日本でも写真で見る牽引車は、翌日、ゴルムドに到着後に接続される、とのことでした。ゴルムドからは高地に向けて登るため、平地を走る西寧~ゴルムド間とは違った牽引車だったのです。写真撮影を終え、軟臥に戻ってくると、先ほどとは違う若い中国人男性が一人座っていました。
中国人男性:「場所を変わったんだよ」
この人は、翌日朝、ゴルムド駅で降りて行きましたが、日本人に囲まれていたものの、非常におとなしい人でした。

面白おかしい、チベット鉄道の体験が始まりました。

以 上


※チベット鉄道内の食堂車で出た朝食

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