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【中国深読みコラム】第14回~2015年度の中国経済~

中国ビジネスレポート コラム
松本 健三

松本 健三

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2015年1月6日

記事概要

2015年度の中国経済を深読み(予測)する。【1,135字】

2015年の新年です。今年は春節が2月19日と例年より遅いので、日本企業の駐在員は元旦と春節の2回帰国される方も多いと思いますが、一度は中国の正月を経験していただくと、より理解が深まります。テレビや新聞情報ではなく、リアルな体験をすることがビジネスのみならず、外国理解の要諦ですね。
さて、年の初めに当たり、今年の中国経済を深読み(予測)したいと思います。

昨年の中国経済は高度成長から安定成長への軟着陸を目指した1年でした。大きく成り過ぎた経済規模は国内のみならず、世界経済にとっても与える影響が甚大です。14年の中国GDP額は日本の2倍、貿易額は4倍、新車販売台数も4倍、粗鋼生産にいたっては実に8倍となり、過剰生産が世界にデフレを撒き散らす元凶と言われ、経済構造改革が待った無しの急務となっています。

中国では例年12月初旬に北京で「中央経済工作会議」が開催されます。中国共産党と政府の首脳や経済閣僚が一堂に会し、翌年の経済運営を協議する中国経済の最高意思決定機関です。そこで採択された今年15年度のテーマは「新常態(ニューノーマル)」でした。変態ではありません、平常の状態です。これを解り易くいうと、アメリカに迫る経済規模になった肥満体をダイエットして、筋肉質な体型になりそれを維持しよう、という国家目標です。苦しいダイエット期間中には一定程度の経済成長の下振れを容認し、一部企業や地域の経営、経済難など構造改革により痛みが伴うが、安定成長(筋肉質)を最優先で実行する、という意思が今年のテーマである「新常態(ニューノーマル)」に込められています。

その内容として五つの目標が公表されていますので、それを簡単にご紹介します。

1)経済の安定成長を維持する。数字は今年3月の全国人民代表大会(国会)で発表されますが、GDPは14年7.4%→7%前後の予測。日本はマイナス成長なのでこれでも十分高い。
2) 積極的に新たな成長点を見出し育成していく。要するに中国版アベノミクス第三の矢。
どこの国でも成長戦略は難しい。中国の強みは経営者のほとんどが創業者で二世はいない。
3)農業の発展方式の変換を加速する。中国も農業従事者の高齢化問題と若者の都市化が顕著になっており、非効率な工場やゴルフ場を閉鎖してでも農地確保に動き出している。
4) 経済の発展余地を高める。成長ではなく、発展の意味は、まさしく筋肉体質への転換。
5) 最後は、民生の改善と保障を強化。超大国の面子に懸けて貧困の撲滅、危険食品の追放、最低保障の充実など民生の課題は山積しています。

1年の計は元旦にあり。今年の中国経済を占う数字はやはり3月に公表されるGDP値。当たるも八卦、当たらぬも八卦で6.9~7.1%と予測しておきます。

(1,135字)

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