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【コラム】中国現場体験記(86) 中国人と長距離タクシーに相乗りして分かった日本人観

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2015年1月15日

中国の夜行列車の中で行われた偽札・ニセ携帯の見分け方講座を“受講”したのと同じ友人の話です。
今回は、中国人とタクシーに相乗りして分かった「日本人と付き合ったことがない中国人が持っている日本人観」、および中国での教育の影響と初めて日本人と接触してからの「とある中国人の心境の変化」に関する出来事について紹介します。

1.北京へと続く遠い道の始まり

あるとき北京で勤務している友人は、大連に出張に出ていました。大連の客先を訪問した後、北京へと戻るべく大連空港に行きました。チェックインカウンターでチェックインしようとすると、空港係員が言いました。
「あんたの搭乗予定便はキャンセルになっているわよ」
他にその日のうちに北京に向けて飛び立つ飛行機はありませんでした。

翌日早朝からの北京での仕事を予定していた友人は、会社の上司の命令もあり、翌朝早朝までには何としてでも、北京へと戻っておく必要性がありました。そこで、少しでも北京に近づいておくべく、北京市に隣接する河北省の石家庄へと向かう飛行機へと飛び乗りました。

石家庄空港に到着するとすでに、夜の8時を過ぎていました。事前に北京行きの最終列車の時間は9時30分発と確認していたため、空港に到着するや、大急ぎで空港のタクシー乗り場へと走りました。

タクシーへと飛び乗り、運転手に「石家庄駅」と告げます。タクシー待ちの行列がなかったため、「ラッキー」と喜んでいると、運転手が「ちょっと待っていて!」と突然タクシーを降り、もう一人の客を連れて来ました。

ようやく出発したかと思ったのもつかの間、さらに一人の客を連れて来て、ようやく出発しました。

個別に客に行き先を聞き出し、個別に値決めをしていく方式でした。河北省の省都の空港であるにもかかわらず、“黒車(=白タク)”のような扱いでした。

友人以外の二人の客(当然二人とも中国人)のうち、1人は友人と同じように北京に帰るつもりが、飛行機がキャンセルとなったため、石家庄から列車での帰宅を試みていたことが分かりました。

しばらくおしゃべりをしていると、運転手が聞きました。
「お前は香港人か?」
正直に「日本人だ」と答えた友人に、同乗者はみな一様に驚きました。その後、「日本人が中国語をしゃべっている!」、「高速道路の標識を見て分かるか?漢字読めるか?」等、友人に質問を繰り返し、友人が答えるたびに盛り上がっていました。

そうこうしているうちに、石家庄駅へと到着しました。友人ともう一人北京に帰りたい中国人(呉さん:28歳男性、身長180cm半ば、体重100kg(推定))が先にタクシーから下車しました。

呉さんから「いや・・・、俺と同じことを考えていた奴がいたなんて笑えるぜ!」
と言われながら友人と呉さんが列車の切符売り場へと行くと、時刻はすでに9時を回って、列車の発車時間が迫っているにもかかわらず、大行列となっていました。

それを見た友人は、上司の命令はあったものの、「無理なものは無理!」と早々に翌朝までに北京へと戻ることを諦めそうになっていました。そうしていると、呉さんは「オレについて来い!」とばかりに強引に「ちょっとごめん、話を聞くだけだから」と列に並んでいる中国人に話しながら強引に窓口まで進んで、「9時30分、北京行き2枚」と、のうのうと言いました。

しかし、係員は「北京行きの便はもう売り切れ。今晩の夜行列車も満席。立っていくならかまわないけれど、北京まで3時間はかかるわよ」と言いました。二人はやむなくその場を退散しました。

続く

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