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【中国深読みコラム】第26回~中国のシルバー産業~

中国ビジネスレポート コラム
松本 健三

松本 健三

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2016年1月4日

2016年の新しい年になりました。
中国では歳を数え年で計算しますので、新年(春節)を迎えると一歳年を加えます。尚、新年の初日は1月1日ですが中国ではこちらを元旦といい、春節の新年1月1日(=初一)と区別して使います。さて、一歳年を取って喜ぶ世代が多い国は「人口のボーナス」として経済成長の原動力ですが、中国は2012年より生産年齢人口(16~59歳)が減少に転じ、12年345万人、13年244万人、14年371万人が前年度に比べ減少しています。今月は激増する中国の高齢者向けシルバー産業を見てみたいと思います。

60歳以上の中国の高齢者人口は14 年末時点で2.12 億人(全人口の15.5%)でしたが、15 年には2.21億人(16.0%)となり、20 年には2.48億人(17.2%)となると予測されています。また農民工として出稼ぎに出る農村部では、生産人口が都会に取られ高齢化は更に深刻です。(尚、日本の60歳以上の人口は4,138万人で対総人口比33%は世界一)

昨年の秋、1979年から36年にわたり実施されてきた「一人っ子」政策が撤廃されました。少子高齢化による生産人口減少に歯止めをかけ、経済成長を維持することがその目的でありますが、同時に高齢者人口の増加に対応するべく、中国政府は高齢化社会に向けた産業シフトを政策として、高齢者介護サービス機構の設立を推進しています。13 年時点での介護施設は4万2,475 カ所、ベッド数は493.7 万床でしたが、14 年時点では9万4,910カ所、ベッド数は623.5万床に増加しました。中国の介護サービスのニーズは急増しており、その成長規模は世界最大であり、2010年に1兆元(約19兆円)であった介護市場は20 年には8兆元(約152兆円)に達すると試算されています。

市場はビッグですが課題も山積しています。
箱もの(施設)は得意な中国ですが、介護現場を支える人材の介護従事者は500万人以上不足していると言われ、車椅子や介護ベッドなど“モノ”のメーカーは乱立しているのに対しソフトがまったく追いついていない状況です。そもそも、中国では高齢者の面倒は家族が見て当然という風潮があり、外部スタッフや施設へ高齢者を委託することに抵抗感を示す傾向がまだまだ根強く、一方、介護する施設側としても身内と他人の扱いをキッチリ分ける風習をどう解決するか、などの介護人材養成の課題があり、例えば、2013年8月杭州市は「高齢者権益保障法」を発表し、介護施設が高齢者を虐待した場合、最高3万元(約57万円)の罰金を科すことを定めています。

最後に筆者が調査した車椅子市場の状況ですが、日本ではアルミ製で黒やブルーが基調ですが、中国では鉄製で赤色シートが好まれます。また、日本では介護保険により大多数がレンタル使用ですが中国では現金購入です。よって日本ではレンタル会社が再利用するため、掃除がしやすいように部品を取り外しし易い設計ですが、中国では過剰スペックとなり不要となります。このように同じ介護用品と言っても日本とは使用環境や条件が異なりますので、中国のシルバー産業への進出には事前のマーケッティングが必要となります。

以上

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