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【中国深読みコラム】第27回~中国の飲食産業(レストラン統計)~

中国ビジネスレポート コラム
松本 健三

松本 健三

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2016年2月4日

まもなく春節です(今年は2月8日)。日本でも横浜、神戸、長崎の中華街では爆竹と共に獅子舞で旧正月を祝います。今年も大勢の中国人観光客が春節休暇で日本各地を訪れると予想され、土産物店だけでなくレストランの売上にも影響がありそうです(昨年の訪日外国人が消費した飲食代は6,420億円。このうち中国人旅行者の消費額は1,600億円)。今月は中国の飲食産業(レストラン)の現状はどうなっているのか、深読みしたいと思います。

飲食業界にも業界団体の「中国烹飪(調理)協会」があり、毎年中国飲食産業発展大会が開催され1年間の分析報告が発表されます。2015年の報告によりますと、14年度の全国の飲食業収入は前年度比9.7%増の2兆7,860億元(約53兆円)で日本の同年24兆円の2倍以上となっています。このうち、大衆飲食業の収入は2 兆2,288億元と飲食業全体の80%を占め、売上高は前年比12%増、1人当たりの消費額は15.2%上昇しました。特に火鍋店が16.5%増、ファーストフードは11%増と高い伸び率を示す一方、高級レストランの売上は6%減、1 人当たりの消費額は20%も落ち込んでいます。

地域別にみると14年の飲食業収入が1,000億元(約1兆9,000億円)を超えたのは12省・自治区・直轄市でこのうち2,000億元規模を超えたのは広東(2,836.6 億元)、山東(2,499.3 億元)、江蘇(2,120.3億元)の3 省でした。大半の地域の伸び率が加速している中で、高級レストランの売上が落ちた北京だけは713億元(13年は783億元)に留まり唯一前年から減少しています。

収益構造からみると、高級飲食業にせよ、大衆飲食業にせよ、売上高は主に個室利用のお客に依存しており、火鍋店は売上高全体の14%を占め共同購入型クーポン市場「団購」に依存しています。ファーストフード市場ではデリバリーの売上高に占める割合が25%を占める一方で、洋食レストランでは酒・飲料の売上が7%を占めています。

それでは読者の皆さんが興味のある中国全国売上トップ5を業種別に見てみましょう(日本人がよく行く店名は5位以下でも記載)

一般レストラン ①阿五食美 ②眉州東坡 ③全聚徳 ④山東凱瑞 ⑤陶然居 ⑦外婆家 ⑩小南国
火鍋 ①百年老媽 ②徳庄 ③東来順 ④福成肥牛 ⑤海底撈
ファーストフード ①東方餃子王 ②和合谷 ③吉野家 ④嘉禾一品 ⑤KFC ⑥面点王 ⑦味千 ⑨永和大王 ⑩真功夫
洋食 ①半秋山 ②迪欧 ③戈掌旺 ④豪享来 ⑤緑菌閣 ⑥起士林
喫茶 ①避風塘 ②比格 ③ピザハット ④達美楽 ⑤大家楽

さて皆さんご存知のレストラン名は何軒あったでしょうか?中国人なら誰でも知っている店ばかりですので、中国に行かれる機会がありましたらぜひ一度ご賞味下さい。

最近の傾向としては、「80 後」や「90後」と呼ばれる新しいサービスに敏感な若者たちが主要顧客層となっており、スマホによるモバイル端末は日常生活の食事注文で欠かせない存在となっています。
中国経済は投資から消費へと発展エンジンの転換期にあり飲食業の発展の潜在力は益々重要になっています。

以上

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