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支援者の有効活用:現地化は目的ではなく手段である(後編)

中国ビジネスレポート コラム
小島 庄司

小島 庄司

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2019年3月14日

今回は支援者に活躍してもらうためのポイントの後編です。

●もっと!支援者活用のポイント
①最初の一週間は指導しない
②夕会・朝会を行う
③課題分析・提案に条件をつける

前回、最初の一週間は実態把握と指導方針固めに使った方が効果的。
急がば回れというお話でした。

何度も支援で来ている支援者の方には一週間も不要でしょうが、前回からの変化、浸透度、なぜそのような情況になっているのかを把握することは大切です。

やはり最初は現場を観察してもらい、経営者・部門管理者と見立てや方針を共有してから指導に着手した方が効果的だと思います。

②夕会・朝会を行う

できれば、支援者と経営者・管理者で朝会または夕会を行うと効果的です。
シンプル・短時間で構いません。
内容は以下の共有です。

□観察事項(課題点、評価点、目についたその他事項)
□指導内容
□経営者・管理者からの質疑や依頼事項
□支援者からの質疑や依頼事項
□通訳担当からの質疑や依頼事項

これによって、指導育成の方向性を合わせます。

指導育成の方向合わせをしないと、どんなことが起こるか。
私の(半)実話をもとに見てみましょう。

中国に来たばかりのころ、社員の紹介で中国語の家庭教師をつけてくれました。
この先生はいつも「小島さんは、文法は馬馬虎虎(要はめちゃくちゃ)だけど、話す意欲があるし、発音も悪くない。文法は後からでもいいし、この調子でどんどん話してください」と言っていました。

もともと文法やテキストが嫌いな私は、この言葉を逃げ道にして、テキストなどほとんど開かず、もっぱら社員たちと筆談混じりで話していました。

何か月か経ったころ、先生が言いました。
「私、これから三週間ぐらい、自分の研究が忙しくなるので(大学院に在学中)、知り合いに代わりの先生を頼みます。すごく日本語の上手な優秀な人ですよ」

新しい先生との会話ということで、私は意気込んで、覚え立ての単語に身振りも交えて熱心に話し込みました。

初回のレッスンも後半に差し掛かったころ、先生がきれいな日本語で口を開きました。
「小島さんは熱心でいいのですが、文法がむちゃくちゃ過ぎです。最初にバランスよく学習しておかないと、後で伸び悩む原因になります」。

完璧な日本語で弱点をズバッと指摘されてしまった……。
正直、私は意気消沈しました(けっこう打たれ弱いタイプ)。
いつもの先生はあまり指摘しなかったけど本当はひどかったんだろうなぁ、とか、もしかしてひどすぎて矯正を諦めていたのでは……とか、いつもの先生が文法は後でもいいって言ってくれたからやっていなかっただけなのに、とか。

急に違うことを言われたり、いままでの方針に基づいてやってきたのにそれを否定されたりすると、調子が狂って本来の持ち味も出せなくなります。

このように、指導方針に一貫性がないと、意欲減退、自信喪失、混乱、消化不良、苛立ちや反発を招くことにつながります。

支援者が来た際は、指導の一貫性を保つための朝会(夕会や夕食の席でも)を設定して、毎日は無理でもお互いホットなうちに観察したこと、感じたこと、これまでの経緯などを共有してください。

ちょうど支援者が来てくれたからと、現地赴任者の方が期間のほとんどを出張に充てたりするのは大損失です。

なお、指導を受ける側も行う側も、現場でのメモ帳携帯は必須です。
どうしてもメモ帳の携帯が難しい職場では、他のツールで代替してください。

メモがないと、記憶・印象に頼ることになり、言いっ放し、その場の思いつき指導になります。

③分析・提案に条件をつける

これはある総経理が実践されている方法です。
素晴らしい方法ですので共有させていただきます。

支援者に支援活動のレポートを求める本社は少なくないと思います。
レポートには《できていないことリスト》や、改善に向けた施策提案などが精緻に綴られます。

支援者の帰国前、「このレポートに承認サインをお願いします」と差し出された際、その総経理はこう応えることにしているそうです。

「いいけど一つだけ追記してね。『レポート内容に基づき自分が行って立て直します』、こう書いてくれたら喜んでサインするよ」
これは効きます……。

より実態に即した、改善への着手可能なレポートが本社に提出されるはずです。

逆に言えば、「大本営参謀」や「分析家、批評家」目線での本社報告など百害あって一利なし。
内容に責任を持て!という釘刺しです。

支援者活用の①~③、皆さんの会社でもぜひ試してみてください。

今回のポイント
■朝会・夕会で共有・統一
■レポートに一言要求する

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