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競合のケーススタディーから学べ

中国ビジネスレポート 投資環境
森辺 一樹

森辺 一樹

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2011年11月21日

 アジア市場を獲得する上で最も重要と言っても過言ではないことが一つある。それはベンチマーク企業のケーススタディーを学び、そこから事業モデルと戦略を立てることである。

 欧米と日本による経済支配はもはや過去の話となった。アジアの雇用と所得は拡大の一途を辿り、9億人の中間消費者市場(ボリュームゾーン)を創出し、アジア経済は一大マーケットに向かっている。 人口減少、少子高齢化により国内消費者市場が衰退していく日本企業にとって、アジア市場で勝ち残らなければこれ以上の成長は無い。
 しかし、残念なことにまだまだプロダクトアウト(市場のニーズを意識せず、企業側の意向や技術を重視して製品やサービスを開発し、それらを市場に導入する考え方。)的な考え方を捨てきれないままアジア市場に挑む企業が少なくない。高度成長期の日本と現状のアジアを重ね、当時の日本は完全にプロダクトアウト市場だったため、それと同じことをすればアジアでも売れるという勘違いがあるのだ。これは必ずしも製造業に限った話ではなく、サービス業や小売業、IT・ネット系企業でも同じである。「日本企業の製品だから、サービスだから、技術だから、アイデアだからアジアの人は欲しがるだろう」というのは大きな間違いだ。確かに日本企業にはアドバンテージはあるが、それだけでは市場を席巻することはできない。なぜなら、現在のアジア市場の成長は日本の高度成長期とは時代背景も環境も異なるからだ。
 
 プロダクトアウトが駄目なら、マーケットイン(企業が製品や商品、サービスの開発や販売に際して、市場のニーズを汲み取った上でそれらを取り込んでいく考え方。)で成功するのかというと、これも必ずしもそうでは無い。確かにアジアでは、マーケットインの考え方はプロダクトアウト以上に重要であるが、モノやステージによっては、徹底したブランディングと共にプロダクトアウトが適している場合もある。

 重要なのは先駆者のケーススタディーに学ぶことである。日本企業の場合、アジアの市場獲得に出遅れたため、どの業種、業界においても外資、もしくはローカル企業の先駆者が既に市場に存在する場合が多い。従って重要なのは、それらベンチマーク企業の成功と失敗のケーススタディーを徹底して学び、分析することである。所謂、ベンチマーク調査(競合調査)だ。その上で事業モデルや事業計画、事業戦略を立てるということが重要なのである。

 「とにかく現地に出て、学び、そこから立ち上げる」。こんなやり方をしていては成長スピードが格段に違うアジア市場では勝てない。ケーススタディーに学ぶことこそがアジア市場獲得の近道なのだ。

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