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上海の複数のゴルフ場会員による賠償請求案件の判決が下された

中国ビジネスレポート 法務
邱 奇峰

邱 奇峰

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2016年10月31日

※里兆は会員が上海国際ゴルフカントリークラブを相手に訴えた賠償請求案件の第一審において初の勝訴を獲得

ゴルフ会員が上海国際ゴルフカントリークラブ、上海太陽島国際クラブなど複数のゴルフ場を訴えた損害賠償請求案件の判決がここ数日間で相次いで下された。
案件の状況は個々に違いがあるものの、第一審裁判所の判決の方向性がほぼ確定された。

上海国際ゴルフカントリークラブなどを含む複数のゴルフ場が今年3月、政府によって強制的に取り壊された。
政府による強制的取り壊しはあたかも突然の出来事であったかのように見られたが、実際にはそうではなかった。
2004年、国務院弁公庁は「ゴルフ場の新規建設を一時的に停止することに関する通知」(国弁発[2004]1号)を出し、建設済み・建設中のゴルフ場プロジェクトの見直しを行うとしていた。
2011年、国の複数の部門・委員会が、「全国のゴルフ場の総合的見直し作業実施に関する通知」(発改社会[2011]741号)を出し、耕地占用面積がゴルフ場の全体面積の50%を超えているゴルフ場、自然保護区若しくは飲用水水源地保護区内に建設しているゴルフ場、不法に河川・湖を干拓し水防の安全性に影響を及ぼしているゴルフ場、公共資源を不法に占用して建設したゴルフ場に対し、関係部門と地方政府は重点的に監督し処理しなければならないとしていた。
2014年、国家発展改革委員会、国土資源部などは「ゴルフ場の見直し措置実施に関する通知」(発改社会[2014]1496号)などの文書を出し、上海市も「上海市のゴルフ場見直し・環境保護個別作業方案」を出し、上海市の撤去類ゴルフ場(3社)、是正類ゴルフ場(21社)を明確に列挙している。

これらのゴルフ場は、設立当初は、確かに法に依拠して設立され、関連する審査許可手続きも行い、営業許可証を取得していたと思われるが、今回、政策調整又は環境汚染問題などにより、法に依拠し強制撤去が命じられた。
過去にゴルフ場に対し高額の入会金、保証金を支払っている多くの会員にとってみれば、自己の権益を如何にして守ればよいかが最大の関心事となるわけだが、ゴルフ場と協議、交渉を行う会員もいれば、政府と交渉する会員もおり、また先ずは様子を見守ろうという会員もいれば、法的手段により自己の権益を守ろうとする会員もいた。

里兆は、最も早くに会員を代理し、上海国際ゴルフカントリークラブに対する賠償請求の訴訟手続を進めており、また、上海国際ゴルフカントリークラブに対する賠償請求案件では、法人会員の賠償請求案件は、現在は基本的にいずれも里兆が代理しており、先頃、第一審で初の勝訴判決を獲得した。
第一回目の判決が下されたことで、賠償請求に踏み切る会員がもっと増えることが予測される。ゴルフ場と政府との間の協議、談判で妥結ができないならば、会員にとっては法的手段で自己の権益を守ることが今のところ現実的な方法であると思われる。また、ゴルフ場の弁済能力に限りがあることを考えれば、可及的速やかに提訴し、どうにかして保全を実施し、できる限り早く執行手続きに入れるようにすることが現時点では恐らく最良の選択ではないかと思われる。

(里兆法律事務所が2016年8月20日付で作成)

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