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新広告法施行後の違法広告に対する処罰実例の分析(3/3)

中国ビジネスレポート 法務
郭 蔚

郭 蔚

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2017年1月26日

三、不作為広告

【典型事例その3】
某インターネット科学技術会社(以下「C社」という)は、某ブランドパソコンの代理店である。製品宣伝のため、C社は「某ブランドパソコン 革新とサービス品質No.1・・・ウォール街日報」、「某ブランドパソコン ?中国ノートパソコンの評判は一番・・・国家統計局統計情報サービスセンター」という広告の用語を使用したが、上記広告中に、ランキングの適用範囲と有効期間を明確にしなかった。中国の工商部門は、当該行為が「広告法」における広告引用内容に関する規定を違反したと認定し、C社は結局、5万元の過料に処された。

【法的根拠】

法令名称 関連条項
中華人民共和国広告法 第十一条 ……広告はデータ、統計資料、調査結果、文章、引用語などを引用した場合、真実、正確でなければならず、また出所を表示する必要がある。引用内容に適用範囲や有効期限がある場合、明確に表示すべきである。
第五十九条 下記行為のいずれか一つある場合、工商行政管理部門が広告の掲出停止を命じ、広告主に対して10万元以下の過料に処する。……(二)広告引用内容が本法第十一条に違反した場合。……

【筆者解釈】
不作為広告とは、係る法律で定める要求に従わずに係る広告内容を表現し又は実施する何らかの広告前置行為若しくは広告行為である。「広告法」は、企業が統計資料、調査結果(これには、ランキングを含む)を使用することを禁止していないが、当該データの使用については、「広告法」に基づきその出所、適用範囲と有効期限などが明示されていなければならない。本件のような統計資料、調査結果を使用するといった状況のほか、「広告法」では、特許製品又は特許方法に係るものである場合、特許番号と特許種類を表示しなければならないとしている。大衆メディアを通じて掲出される広告は、「広告」であることを目立つようにはっきりと表示しなければならない。また、健康食品は、「本製品は薬品に取って代わることはできない」と目立つように表示しなければならない。

よって、「広告法」の中で広告内容、又は広告行為に関する特別な要求がある場合、企業は厳格に当該要求に従い、広告活動を実施しなければならない。

筆者からのアドバイス

上記実例で分析し解説したほか、以下、付け加えておきたい。
●「広告法」の広告表現、広告内容、掲出ルート、対象者及び代弁主体、広告の前置行為などに関する要求をよく把握しておき、且つ企業のウェブサイトや現在の広告行為を全面的に審査し(虚偽広告、絶対的表現の審査に重点を置く)、広告違法行為を可能な限り回避する。
●虚偽広告掲出に関する処罰金額は、主に広告費用を根拠とするため、企業は、日常経営の中で適法な方法にて広告費用名義での記帳金額を抑えるようにしておくとよい。
●広告違法行為が発生してしまったら、企業は速やかに弁護士に連絡し、違法行為の性質及び法律責任の分析においての協力を求めるのがよい。行政処罰をどうしても避けられない場合、責任が相対的に軽くなる方の法律法規に基づく処罰となるよう法執行部門を説得してもらったり、企業に協力して違法行為を是正し、違法行為の危害の影響を取り除き又は軽減させることで、処罰を軽くしてもらい又は免除されるよう協力してもらうとよい。

(里兆法律事務所が2016年10月29日付けで作成)

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