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アジアの中間層は何よりも価格重視

中国ビジネスレポート マーケティング
森辺 一樹

森辺 一樹

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2013年3月15日

 アジア市場の最大の魅力は9億人の中間層にある。しかし、多くの日本企業は未だに富裕層への想いを捨てきれないでいるように感じる。もしくは、これでも中間層を狙っているつもりなのかもしれない。だとすると、どれだけ投資をしても、その成果を得るのは難しいだろう。

 日本市場であっても、アジア市場であっても、ビジネスの基本は変わらない。基本となるのは、「何を」、「誰に」、「いくらで」、「どう」売るかである。多くの日本企業の場合、「高機能、高品質の日本企業製品を」、「富裕層に」、「高く」、「日本での成功体験を元に」売ろうとしている。しかし、本来は、「現地ニーズに即した製品を」、「中間層に」、「安く」、「現地のやり方で」売らなくてはならない。

 アジアの中間層にとって最も重要となるのは価格だ。日本企業の多くは、この価格の基準を変えられないから、全てがおかしなことになる。一人当たりのGDPが4万ドルを超える日本市場に慣れた企業が、一人当たりGDPが数千ドルのアジアで勝負を挑むのだから、それこそ大変な挑戦である。
 結局のところ、コスト構造を変えられないから価格が高くなり、その理由に、高い技術力を武器とした高品質、高機能にすがる。しかし、アジアの中間層はそんなものは全く望んでいないという結果になるのだ。

 一方で、富裕層はと言うと、「何を」に当てはまる商品やサービス自体にブランド力を求める。しかし、残念ながら日本のブランドプレゼンスは年々低下しているし、多くの業界で、欧米の持つブランド力は日本を凌駕している。勿論、日本製品にブランド力が無いとは言わない。しかし、それは購買に結びつく程のブランド力では無いのだ。実は、長年ブランンドよりも機能や品質を優先してきた日本企業の製品は、寧ろ富裕層よりも中間層向きのものが多いのだ。従って、日本企業にはアジアで徹底的に中間層を狙うことの方が、難易度が低い。

 逆に、コスト構造を変えられないのだとすると、アジアの中でも、シンガポールや香港、そして、一部の中国だけを狙うべきだろう。どんなに機能を訴えても、どんなに品質を訴えても、それらが価格を勝ることは無い。アジアの中間層にとってはそれだけ価格は重要なのだ。

 しかし、コスト構造をかえられるのだとすると、「何を」に当てはまる製品やサービスが必然的に現地ニーズに合ったものに大きく変わる。そして、「誰に」は中間層へと変わり、「どう」にあたる販路が開けてくる。高額な日本企業製品を流通させられる販路は少ないが、安価な中間層向けであれば、可能性は一気に広がる。

 実は、中間層に非常に向いている日本企業だけに、アジア市場にとっての価格の重要性を今一度見直して欲しいと願う。

(2012年2月 執筆)

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