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中国事業におけるIT活用について

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2014年2月20日

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、中国事業におけるIT活用についてお話します。

自動化できる業務については、ITシステムを活用することが最も効果的です。しかしながら、費用対効果を考慮しても、実際の効果を得ることは容易ではありません。例えば、ITシステム投資おいては、日本の場合、ITへの支出は売上高の約1%ですが(業種によって異なります。機械機器製造0.9%、金融5.2%等)、ほとんどの企業が投資した資金を回収できていないと言われています。(企業IT動向調査報告書2012年)その原因は、IT投資に関する責任所在が明らかでないこと、専門家が不足している、ベンダーとのコミュニケーションミス等あります。したがって、CIO(chief information officer:最高情報責任者)のようなIT専門のリーダーを設置し、経営者やベンダーと常に意見のすり合わせのできる体制を作ることが重要になります。以下、中国事業でIT投資を行うことで成功した事例をご紹介します。

①コマツ
現在、コマツはエクセレントカンパニーとして取り上げられています。その最大の貢献者は、コムトラックスというシステムだと言えます。このコムトラックスというITシステムの仕組みとは、まず建機にセンサーを埋め込み、センサーで衛星を使って販売した建機機械のフィールド管理をします。6500台。その管理は、位置、稼働時間、燃料、エンジン不可、故障情報までも管理します。そして、それらの情報は、盗難時のエンジンストップ、需要予測データとして活用、生産量・在庫の調整、投資判断の材料、顧客へのコンサルティング、修理が必要な時期の判断材料に使われるようになります。顧客にとってもアフターサービス等(修理コスト削減、作業効率上昇、盗難防止等)でメリットがあるので、リピーターが増えます。シスコシステムズ(コネクションオンライン)も同じで、販売したルーターが情報を発信するような体制にしてあります。その結果、故障事例の内、90%が人を派遣せずにプログラム上で治せる状態になるなど、業務改善に成功しています。

②アサヒビールの牛乳 「唯品」
2007年よりアサヒビールが設立した「山東朝日緑源農業高新技術有限公司」が販売している成分無調整のプレミアム牛乳「唯品・純牛乳」があります。近隣の青島を始め北京・上海で富裕層の間で非常に売れています。1リットルパックで 21~23 人民元(約360円)であり、一般市場価格の3倍以上する、アサヒビールの牛乳「唯品」は、年々売上を伸ばし続けています。この企業の成功の背景には、ITによる徹底的な品質管理があります。すべての牛の足にはICタグが装着され、個体管理を行うとともに、解析ITソフトと組み合わせて、搾乳量の管理と予測・牛乳成分分析、受精や妊娠の繁殖管理、健康管理等の多角的な管理を行っているのです。例えば、搾乳牛が病気になった場合、正常な牛から隔離して病牛舎に収容し、獣医が治療に当たります。その後、病牛に対して抗生物質の投与等の対応が図られ、病牛と正常な搾乳牛の牛乳が混合しないよう管理されています。また、その後獣医が抗生物質の投与等の治療行為を行い、その結果をシステム上で治療記録を記録し、徹底された管理が行われています。

以上

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