はじめに
　李克強総理は、6月27日、大連で開催された夏季ダボスフォーラムで、開会の挨拶を行った、本稿はその概要を紹介する（新華社大連電2017年6月27日） 。

１．世界経済の状況
　我々が高台に立って遠望すると、青山は薄霧におおわれ、時に隠れ時に現れる。しかし、それは一時のことで、薄霧は最後には散り去って、青山は長く屹立する。現在の世界経済も、これと同じようなものである。
　一面において、世界経済・貿易は回復の兆しが出現し、新たな産業革命は人々に新たな希望を抱かせており、経済のグローバル化は不可逆的な趨勢である。他方で、世界経済の回復の動力は不足しており、構造的問題はなお根本的に解決しておらず、アンチグローバリズムの傾向がある程度台頭しており、地政学的リスクがある程度上昇している。
もし青山を世界経済の安定性に、薄霧を不確定性に喩えるとすれば、しっかりと青山に根をはって揺るがなければ、安定性を用いて不確定性に戦勝することができる。