中国の外商投資企業等に適用される会計法規(3)～企業会計制度概説

＜税務・会計＞

中国の外商投資企業等に適用される会計法規(3)
〜企業会計制度概説〜

企業会計制度

本制度は、企業が適用すべき会計処理について規定したもので、外商投資企業は、金融保険業を除き、この制度を適用します。以前は、中国国内資本企業と外商投資企業は別々の会計制度の適用を受けていましたが、2002年1月1日より本企業会計制度が統一適用されています。

(1)企業会計制度の特徴
統一後の中国企業会計制度の主な特徴は下記の通りです。

a. 国際会計基準に準拠
b.時価主義会計−減損引当金の導入
c.キャッシュフロー会計の重視
d. 債務再編について定義

(2)具体的構成内容
本制度の具体的構成内容は下表の通りです。

(3)日本の企業会計原則との比較
前述の通り、中国の企業会計制度は国際会計基準に準拠していますので、アメリカ式会計を取り入れた日本の企業会計原則中の重要な会計原則等はほとんどあります（次表参照）。

日本の会計原則名等	日本の条文番号	中国企業会計制度の主要該当条文番号
真実性の原則	一般原則　一	第11条（一）（三）
正規の簿記の原則	一般原則　二	第11条（五）
資本利益区別の原則	一般原則　三	第11条（十一）
明瞭性の原則	一般原則　四	第11条（七）
継続性の原則	一般原則　五	第11条（四）
保守主義の原則	一般原則　六	第11条（十二）
単一性の原則	一般原則　七	該当無し（基本的に財務諸表の形式は1種類のみであることによる）
重要性の原則	注解　注１	第11条（十三）
重要な会計方針の開示	注解　注１−２	第11条（十三）
重要な後発事象	注解　注１−３	第137〜139条

(4)財務諸表の表示（日中比較）
企業会計制度に基づいた財務諸表の表示は、日本の表示方法と比較すると次表の通りとなります（大、中区分のみ）。

【貸借対照表】

日本（財務諸表等規則ベース）

中国

資産の部

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