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海外拠点でフローチャート作成をきっかけに「内部統制」を見直し 1-(4)

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川島 肇

川島 肇

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2016年12月28日

(4)内部統制フレームワーク、最近の動向

本家のアメリカでは、2004年9月に「全社的リスクマネジメント フレームワーク(Enterprise Risk Management Framewark)が公表されました。COSO内部統制フレームワークとの関係では、相互に補完的なものであると見なされ、どちらが優先されるというものではありません。体系的には非常に近いものですが、COSOキューブの構造に対し、目的は4つ目のカテゴリーとして「戦略」が加わり、構成要素では従来の5つに「目的設定」「イベント識別」「リスク対応」の3つが加わり8つとなりました。                  

双方のフレームワークともリスク評価では、「回避」「低減」「共有」「受容」の識別を行う事でリスクマネージメント自体を行っています。
大きく異なる点は、「全社的リスクマネジメント」の方が、基本原則としているリスク許容度(リスクアピタイト)を設定することです。一方、COSO内部統制でこのリスク許容度の設定は、有効な内部統制の前提条件としての位置付けで、内側に取り込んではいません。つまり「全社的リスクマネジメント」は、経営者の意思決定要素までを取り入れ、内部統制の概念をより拡張したものといえます。
2013年の改訂COSOフレームワークにおいても、両者が統合される事はありませんでした。
更に、COSOフレームワークは2013年5月、20年ぶりに改訂されました。そして、以下の4点が公表されました。

・エグゼクティブサマリ:経営者の立場から見た概要
・フレームワークと付録:内部統制の主要な構成要件についての記述、有効性を評価する際、全ての階層の経営者が利用できる方向性を提示
・内部統制システムの有効性評価の為の例示的ツール:テンプレート、シナリオ
・外部財務報告に係る内部統制(ICEFRの略称):適用方法及び適用事例の解説

改訂については、以下の点がポイントとなります。一つは、原則主義的な考え方の採用です。5つの構成要素に内在する基本的な概念として17の「原則」が明示され、それぞれの原則に対し複数の「着眼点」が設定されました。これにより内部統制の体系が明確化され、有効性評価のアプローチを行う上での手助けとなりました。
二つ目は、報告目的が拡大され、外部向けの財務報告だけでなく、内部向けの部門別財務報告やキャッシュフロー、更に、非財務報告として、例えば顧客のクレーム分析や稼働率までが対象とされることになりました。

日本への影響を考えてみると、日本の内部統制報告制度はもともとCOSOフレームワークに直接言及しておらず、「参照している」という立場です。そうは言うものの今回の改訂では、日本での実務においても関係する事柄が多く含まれてるのも事実です。ただ、2011年度に簡素化、明確化が図られたばかりで、制度的変更に至るには、まだ少し先の事と考えられます。

以上

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