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一挙両得!現法経営をエースの登竜門に

中国ビジネスレポート 組織・経営
小島 庄司

小島 庄司

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2019年12月3日

今回は最近いちばん書きたいことを書きます。私のここ数年の持論であり、日本本社と現地法人の課題を同時に解決して成長するための秘策だと思っています。

『国際経営時代の経営力』

このところ、「ウチの業界はすでに技術や品質で中国に追い抜かれた」とか「創造力や生産性に欠ける中小企業などもう不要だ」と言った論調を見かけるようになりました。

小さい企業を大きく育ててきた名経営者たちは、「本当は、大手と競争して中小企業が負けるはずがない」と喝破しますが、大手が頭を下げて頼みにくるような仕事をやるという自負と覚悟のある中小経営者は、確かに少なくなってしまったように感じます。

大手企業の内側から聞こえてくるのは、「ウチは社内ばかり見て、そつなく仕事をするヤツが出世する会社になってしまった。激動する外の世界への危機感などなく、このままでは非常にマズい」といった中堅の声です。

一方、中国の最前線にいて私がひしひしと感じるのは、日本企業がいままでの延長線上で中国ビジネスを展開していたら、中国やアジアのライバル勢に勝てない、という切迫感です。

日本では中国をいまだに「規模の大きなアジアローカル市場」と見なす感覚が残っていますが、世界のライバルたちは「ワールドクラスの最重要市場」として重視し、相応の資源を投下しています。先日聞いた話でも、米国の取引先との交渉中に「これは中国側の要望なので」と伝えると、相手の目の色が変わり要望に応じたそうです。

このような時代において、日本企業に必要なのは、「海外事業や国際的な競争に適応でき、舵取りできる経営者」と「海外の熾烈な環境で落伍せず勝ち抜ける現地リーダー」ではないかと思います。

「そんなこと言われたって、そんな人材、ウチにはいないよ」と溜め息をついた経営者の方は、日本・中国を問わず、弊社の会員制顧問サービスをご利用ください(笑)……というのは冗談で、秘策はあります。

●エースは本社でなく現地に

本社と現地法人の課題を同時に解決する秘策とは、『中国(海外)現法をエース人材の登竜門にすること』です。

「日本の仕事だってあるわけだし、いつまでも現地のテコ入れにエース級を置いておけないよ」と感じた皆さん、この施策はもっと過激です。

ここでいうエースとは、営業や技術など、各部門のエース級ではなく、会社のエース級、つまり会社の将来を担う役員候補のことです。

通常、昇進にとって最も有利なのは、本社にいることです。幹部の目に留まりやすく、直接コミュニケーションの機会があります。さらに社内情報が入りやすいため、社内政治上も有利です。

ですから、本社以外、ましてや中国現法なんぞへの赴任が決まると、「彼は出せない」と上司から拒否されたり、「お前も大変だなぁ。まぁ早めに戻してやるから、水と食いもんには気をつけてやれよ」といった声を掛けられたりしてしまいます。

手を挙げる者がいない、という理由で赴任や交代が滞る会社さえあります(「頼むから中国は勘弁してくれ」と泣き付かれたという実話も聞きます)。

これを180度ひっくり返しましょう、というのが提案です。

■役員候補の選抜ルール

中国現法での経営管理経験を、役員候補の前提条件とする。

(経営者として最低連続4年半。統括会社よりも、事業で利益を創出する製造・販売拠点がよい)。

■見込めるメリット

役員候補が経営者の立場を経験できる(社長と副社長の差は、副社長と一担当より大きいことも)。

シビアな中国で習得したリーダーシップ・マネジメントのあり方は、今後の日本(および他の海外拠点)で確実に活きてくる

日本で「エース」と評価されてきた人材が、本当に国際経営時代の経営を任せられる人材なのか見極められる(ウチは相当数が脱落するはず、という話も聞きます)。

本社の海外支援部門が監督ではなく本気で支援する(そりゃ、将来の役員候補です。変な対応はできません。エース級の人は本社の使い方も上手でしょう)

現地法人の経営レベルが上がる

外から見ることで、日本の課題や成長機会が明確になる

いかがでしょうか。机上の空論でないことを証明するため、私自身、いくつかの企業でサポートを始めようとしています。

本社と現法を同時にレベルアップさせる。これぞ二人三脚ですね。

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