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2022年11月24日

華南地域(広東省)の最近のビジネストピックスを、地方通知などを踏まえてご紹介します。

【大湾区産業政策】
1.横琴・広東マカオ深度協力区における集積回路産業の発展に関する若干の措置

 
この措置は、「横琴・広東マカオ深度協力区の建設全体方案」の遂行を目的として、国発[2020]8号・広東省府弁公室[2020]2号に基づき横琴・広東マカオ深度協力区執行委員会が公布したもので、2022年1月1日施行。2024年12月31日までを期限としています。
本措置においては、企業の発展、人材導入、プラットフォーム建設、広東・マカオの共同革新という4方面で、具体的な支援措置が打ち出されています。 
1)企業発展に対する支援
協力区に対して企業の入園を奨励するもので、本政策において重要な位置づけを占めています。
ここでは、オフィス動産購入・賃貸に対する補助金、研究開発に対する補助金、営業収入規模の奨励、営業収益拡大に対する奨励、業界内の位置づけなどに対する奨励などの実施が規定されています。
2)企業・研究機構の研究開発者、高級管理者に対する奨励金。集積回路人材の育成に対する奨励・補助金。
研究開発者の育成補助金。研修に対する補助金などの支援措置を講じています。
3)プラットフォームの構築(公共サービス、園区運営、業界交流)の推進が打ち出されています。
4)広東・澳門の協同革新の推進
広東省とマカオの協力に関して、以下の措置が打ち出されています。
(1)マカオ居民、若しくは、マカオの大学学士以上の学位を有する者は、1.5倍の人材奨励金を享受できます。
(2)協力区企業と関連性を有するマカオ企業に雇用されている全日制勤務の研究開発者は、本措置に基づいて人材奨励を申請することができます。マカオ特区政府の科学技術類の援助を受けた場合、援助金額の50%に基づき、単一プロジェクトに対し最高800万元の補助金が公布されます。
(3)集積回路分野の重大なプロジェクトに関しては、協力区において本部、又は研究開発センターを設立した上で、珠海市に生産製造、パッケージテスト基地を建設することが推奨されます。具体的な支援措置は協力区執行委員会、珠海市政府が検討の上、確定されます。
 
原文
 
2.恵州における香港・マカオ居民の便利な発展に関する若干措置
 
香港・マカオ居民の恵州での学習、就職、起業、生活を全面的に促進するため、6月29日、中共恵州市委員会弁公室及び恵州市人民政府弁公室による「恵州における香港・マカオ居民の便利な発展に関する若干措置」が公布されました。
本措置は5方面・38項目により構成されており、主な内容は以下の通りです。
1)恵州市における香港・マカオ居民の居住生活に関する利便性措置(6項目)
2)恵州市における香港・マカオ居民の学習・就職に関する利便性措置(8項目)
3)恵州市における香港・マカオ居民の投資に関する利便性措置(13項目)
4)香港・マカオ居民の社会民生、恵州との文化交流等の促進(8項目)
5)恵州における香港・マカオ居民に対する政務サービスの最適化(3項目)
 
原文
 
【資源・エネルギー関連】
3.広東省人民政府弁公庁による広東省におけるグリーン金融支援カーボンピークアウト行動実施方案に関する通知(粤弁函[2022]219号)

 
広東省におけるカーボンピークアウト達成を目的として、「中共広東省委員会・広東省人民政府による新発展理念を完全且つ正確に全面的に実施するための実施意見」が公布されていますが、本通知は、それに基づく実施方案です。
当該通知では、2025年までにカーボンピークアウトに適応するグリーン金融サービスシステムの確立を目標として、広東省でグリーン専門機関を40社設立することを目標としています。
クレジット類グリーン債券とグリーン金融債券の発行規模を、2020年と比較して2倍とし、グリーン保険は気候・環境リスク管理に総合的に関与し、リスク保障の累計30億元以上の提供を目標としています。
2030年までに、グリーン金融サービスシステムを継続的に最適化し、グリーンクレジットの総融資残高割合を約10%とし、多様なグリーン金融製品とデリバティブツールを継続的な開発、環境製品の価値実現、取引システムの継続的な改善により、炭素金融市場の運用を効果的なものとし、広東省のカーボンピークアウト目標の実現を目標としています。
当該通知に織り込まれた、主要内容は以下の通りです。
1)広東省におけるグリーン金融開発の総合計画
2)グリーン金融システムの構築
3)グリーン金融サービス産業構造の最適化とアップグレード
4)更なる炭素金融市場の構築の加速
5)広東・香港・マカオ大湾区のグリーン金融分野における協力強化
6)グリーン金融リスクの監督と予防管理の強化
7)正確で効果的なグリーン金融奨励政策システムの構築
 
※「グリーン金融」とは環境改善、気候変化及び資源節約に対し効率的な利用を支持する経済活動であり、即ち環境保護、省エネルギー、グリーンエネルギー、グリーン交通、グリーン建築などの分野におけるプロジェクト投資、プロジェクト運営、リスク管理などに対する金融サービスの提供を指します。
 
原文
 
4.広東省人民政府事務局による広東省「十四五」の水使用量と強度な管理・制御方案に関する通知(粤弁函[2022]221号)
 
本通知は、「粤弁函[2016]89号」、「水節約[2022]113号」、「広東省国民経済・社会発展の第十四次五ヵ年の計画と2035年長期目標の網要」に基づくもので、広東省の水資源の節制に対する2025年まで、及び、2035年までの二段階の目標が設定されています。
2025年までの目標は、省内の水消費量を435億立方メートル以内に制御。地下水の採取量を1303億立方メートル以内に抑えるものであり、非常規水源の使用量は8億立方メートルとします。
これにより、2020年と比較して、万元地域の総生産価値の水消費量が20%、万元工業付加価値の水消費量が10%減少し、農地灌漑用水の有効利用係数は0.535に達することとなります。
また、広東省の経済社会における、高品質な発展に適合する科学的、且つ、効率的な水の総使用量管理システムの基本的な確立を目指します。
2030年までの目標は、省内の水の総消費量を45018億立方メートル以内に制御し、水資源の節約、安全利用の能力およびレベルを全国トップレベルとすることです。
また、基本的な行動計画は以下の通りとなります。
1)水の総使用量の厳格な制御
2)用水効率の厳格な管理
3)取水のモニタリング計量システム構築の加速
4)水の総使用量の計算及び評価制度の確立
5)水消耗総量の動的配分メカニズムの確立
 
※「非常規水源」とは地表水、地下水を合わせた「常規水源」以外の水源を指します。
※「万元地域総生産用水量」とは、地域総生産(GDP)1万元を生み出すごとに自然環境から得られる水量を指します。
※「万元工業増加値用水量」とは、1万元の工業付加価値を生み出すごとの水消費量を指します。
 
原文
 
【労務】
5.広東省基本医療保険関係の省内移転・引継ぎの暫行弁法(粤医保規[2022]6号)

 
基本医療保険に関連して、保険加入者の地域を跨いだ移転に際しての合法的な権利、及び利益の保護を目的として、国家保健局事務局・財務省事務局より、「基本医療保険関係の省内移転・引継ぎの暫定措置」が公布されました。
本措置にでは、政策と手続きの両面から基本医療保険関係の移転・引継ぎ手続きが規範化されています。
本措置は5章17条から構成され、2022年7月1日から実施されています。
 
現在、広東省の従業員社会医療保険の累計納付年数は各都市によって異なりますが、本弁法第6条に基づいて、全省の従業員社会医療保険の納付年数を段階的に統一する方針が打ち出されています。
本措置に基づき、2030年1月1日までに、累計納付年数は男性従業員30年、女性従業員25年とする方針が規定されています。この年数を満たさない基準が設定されている都市は、2022年から市の2021年納付年数政策に基づいて、本市の従業員医療保険累計納付年数を調整していきます。
因みに、現在広州市においては、社会医療保険の納付年数は「広州市社会医療保険弁法」に基づいて執行されています。
「広州市社会医療保険弁法」第16条では、2014年1月1日以降に、初めて広州市の従業員社会医療保険参加の登録手続きを行った者、及び納付した者または2013年12月31日以前に広州市の従業員社会保険医療保険参加の登録手続きを行ったものの、2014年1月31日の時点で未納の場合は、従業員社会医療保険の納付年数を15年で執行することが定められています。
また、2013年12月31日以前に広州市の従業員社会医療保険参加の登録手続きを行った者、及び2014年1月31日以前に納付した者に付いては、従業員社会医療保険の納付年数を10年で執行することが定められています。
本弁法の実施細則施行後、広州市の場合も、規定年数に合わせて年数が調整されていくものと思われます。
 
原文

【国土計画】
6.広東省人民政府弁公庁による広東省における港湾配置計画(2021-2035年)に関する通知(粤府弁[2022]9号)

 
2022年6月23日、広東省政府弁公庁による「広東省における港湾の配置計画(2021-2035年)」(以下「計画」という)が公布されました。「計画」では、広東省は珠江デルタ港湾群を中核とし、広東省東部、広東省西部の港湾群を両極とし、「一核両極」の発展構造を構築する方針が打ち出されています。
●一核
広州港、深セン港、珠海港、仏山港、肇慶港、恵州港、東莞港、中山港、江門港など9市の港と広州都市圏、深セン都市圏の清遠港、韶関港、河源港、雲浮港、汕尾港を指します。
 
●両極
広東省東部地域の汕頭港、潮州港、掲陽港、梅州港と広東省西部地域の湛江港、陽江港、茂名港から構成されています。
2025年までに、広州港と深セン港は、より国際海運総合サービス機能を一層向上させた上で、香港・マカオとの連携(広州・香港・マカオ大湾区という港湾群の構築)し、珠江デルタ港湾の国際競争力を向上させることを目標としています。
その上で、汕頭港、湛江港が広東省東部地域と広東省西部地域の中心港湾となり、珠光西部、北部の一層の発展を目指します。
2035年までには、広州港、深セン港は世界一流港湾となること。珠海港、汕頭港、湛江港は、世界一流レベルに達することを目標とします。
 
原文
 
7.広東省資源庁による「広東省都市圏国土空間規則ガイドライン」に関する通知
 
7月20日、広東省自然資源庁より「広東省都市圏国土空間規則ガイドライン」(以下「ガイドライン」という)が公布されました。本ガイドラインは総則、及び、5つの都市圏(広州都市圏、深セン都市圏、珠江西部都市圏、汕頭・潮州・掲陽都市圏、湛江・茂名都市圏)で構成され、省内における五つの都市圏の規則範囲、空間計画、生態系、農業空間、交通システム、公共サービス施設、工業地帯の調整について具体的なガイドラインを設定しています。
例えば、広州都市圏の計画は以下の通りです。
・「一核六極、十字主軸、網絡輻輳」という空間計画を共同で構築する。
・広州市と佛山市における都市中心部の機能再編を促進し、多中心都市圏の中核地域を構築する。
・鉄道輸送網を頼りに、都市圏の中核地域における周辺産業と都市の一体化の育成を加速する。
・有機・多様な農業生態地域を育成して保護する。
 
「一核六極、十字主軸、網絡輻輳」の意味は以下の通りです。
「一核」:広州市中心区を主核とし、仏山市中心区を副核とする広・仏核心区を構築すること。
「六極」:以下の6つの地区を統合して発展させること。
(1)広州空港経済区、花都都市区を中心とする広州・清遠連動グループを主軸として、広州北部と清遠南部の統合発展を推進する。
(2)仏山大型産業集結区(仏北戦新産業園⇒この名称正しいですか?)、肇慶大型産業集結区を率いる仏山・肇慶連携グループを構築し、仏山・肇慶の産業の協調と科学技術革新の協力を推進する。
(3)広州・仏山の高品質の発展融合試験区である「南沙-順徳」の建設を加速し、大湾区向けの自由貿易サービス業と先進製造業の融合発展のモデル区を構築する。
(4)広州南沙中心区の高レベルな建設と南沙科学城の建設を重視し、研究・革新資源の地域に対して全体的な調整を強化する。南沙自由貿易区の政策優位性を充分に発揮し、広州・香港・マカオにおける全面的な協力モデル区を構築する。
(5)広州科学城、中新広州知識城を頼り、世界的な影響力を持つ国家知識センターを構築し、広東・香港・マカオ大湾区の高レベルの戦略的な科学技術革新プラットフォームを構築する。
(6)珠江デルタのハブ空港(広州の新空港)を頼りに、佛山と肇慶は共同で珠江西岸の臨空経済区の高水準な計画と建設を推進し、広東省西部地域と西南部地域に影響を与える。
 
「十字主軸、網絡輻輳」
国家高速鉄道、都市間軌道、市域高速線、都市軌道交通ネットワークに依存し、さらに東西、南北の2つの複合型交通回廊の建設を強化し、広深港、広珠澳科技革新回廊を地域発展の主軸として強化する。
「井」の字形軌道骨格を中核とし、「環+放射」の都市間軌道網の構造を強化し、軌道の駅に基づき産業コミュニティなどを育成し、都市圏外機能の配置の最適化を推進する。
 

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