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ログイン2013年2月28日
1月の指標が出揃ったので本稿で紹介する。国家統計局は1月分の工業生産・消費・投資統計は発表しておらず、データは限られたものとなっている。また、発表されたものについても、今年の1月は営業日がフル稼働であったのに対し、昨年1月は春節で5営業日分少なく、前年同月比の統計に大きなバイアスがかかっていることに注意する必要である。
(1)物価
①消費者物価
1月の消費者物価は前年同期比2.0%上昇し、上昇率は12月より0.5ポイント下降した[1]。都市は2.0%、農村は2.2%の上昇である。食品価格は2.9%上昇し(12月は4.2%)、非食品価格も1.6%上昇(12月は1.7%)している。居住価格は2.9%上昇、衣類は2.5%上昇(12月は1.9%)した[2]。
(参考)8月2.0%→9月1.9%→10月1.7%→11月2.0%→12月2.5%→1月2.0%
前月比では、12月より1.0%上昇し、12月(0.8%)より加速した。食品価格は2.8%上昇(12月は2.4%)と加速し、約0.92ポイントの影響を与えた。うち生鮮野菜は12.7%上昇(12月は17.5%)し、約0.39ポイントの影響を与えた。肉類及び肉製品は3.2%上昇(豚肉価格は5.2%上昇)、物価への影響は約0.24ポイントの影響を与えた。非食品価格は0.1%上昇(12月は0.0%)、居住価格は0.2%上昇(12月は0.1%)、衣類は-0.4%(12月は0.0%)であった。
食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、前年同期比1.5%上昇、前月比0.1%の上昇である[3]。
なお、国家統計局は、1月の前年同期比上昇率2.0%のうち食品価格の牽引効果は約0.95ポイントとなり、このうち食糧価格の上昇は4.7%、物価への影響は約0.13ポイント、肉類及び肉製品は1.4%上昇、物価への影響は約0.11ポイント(豚肉価格は-5.0%、物価への影響は約-0.18ポイント)である。このほか生鮮野菜価格の上昇が2.6%、物価への影響が約0.09ポイント、水産品価格の上昇が2.5%、物価への影響が約0.06ポイント、油脂価格の上昇が4.6%、物価への影響が約0.06ポイント、果物価格が-6.7%、物価への影響が約-0.14ポイントであったとしている。
また、昨年の物価上昇の残存効果は消失し1.0ポイント、今年の新たな物価上昇要因は約1.0ポイントである。
②工業生産者価格[4]
1月の工業生産者出荷価格は前年同期比1.6%低下し、12月より0.3ポイント反転上昇した[5]。前月比では12月より0.2%上昇(12月は-0.1%)とプラスに転じた。
(参考)8月-3.5%→9月-3.6%→10月-2.8%→11月-2.2%→12月-1.9%→1月-1.6%
1月、工業生産者購入価格は前年同期比1.9%低下した。前月比では12月より0.3%上昇(12月は-0.1%)とプラスに転じた。
③住宅価格
1月の全国70大中都市の新築住宅販売価格は前月比10都市が低下(12月は8)し、7都市が同水準(12月は8)であった。上昇は53都市であり(12月は54)、上昇率は2.2%以内(12月は1.2%以内)となっている。前月比で下降の都市は12月より2増加し、同水準は1減少し、上昇は1減少した。
前年同月比では、価格が下落したのは16都市(12月は26)であった。同水準は1都市(12月は4)、上昇は53都市(12月は40)である。上昇率が反転したのは1都市(12月は1)であり、上昇率は、4.7%以内(12月は2.4%以内)となっている。
(2)対外経済
①輸出入
1月の輸出は1873.7億ドル、前年同期比25%増、輸入は1582.2億ドル、同28.8%増であった。貿易黒字は291.5億ドル、同7.7%増であった[7]。
(参考)8月輸出2.7%、輸入-2.6%→9月輸出9.9%、輸入2.4%→10月輸出11.6%、輸入2.4%→11月輸出2.9%、輸入0.0%→12月輸出14.1%、輸入6.0%→1月輸出25%、輸入28.8%
1月の輸出入総額では全体が前年同期比26.7%増であったのに対し、対EU10.5%増、対米23.4%増、対日10.3%増、対アセアン42.9%増である。また、対ロシア7.1%増、対南アフリカ98.9%増、対ブラジル-13.5%となっている。
1月の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比12.1%増、紡績19.7%増、靴34.8%増、家具54.6%増、プラスチック製品44.4%増、鞄48.2%増、玩具2.5%増で、これら7製品は全体で24.6%増である。電器・機械は同25.1%増である。
なお、1月の自動車の輸入は前年同期比-15.1%である。
②外資利用
1月の外資利用実行額は92.7億ドルであり、前年同期比-7.3%であった。
(参考)8月-1.43%→9月-6.8%→10月-0.24%→11月-5.4%→12月-4.5%→1月-7.3%
製造業は44.3億ドルであり、同-5.8%、全体の47.7%を占める。サービス業は40.3億ドルであり、同-9.8%、全体の43.5%を占める。
国別では、EU8.2億ドル、同81.8%増、日本6.4億ドル、同-20.0%(12月は16.3%)、米国2.7億ドル、同-20.0%である。
地域別では、東部は78.7億ドル、同-8.1%で、全体の84.9%を占める。中部は8.3億ドル、同-0.8%で、全体の8.9%を占める。西部は5.8億ドル、同-4.2%で、全体の6.2%を占める。
③米国債保有
12月末の米国債保有残高は、中国が前月比197億ドル増の1兆2028億ドルであった。2位の日本は25億ドル増で1兆1202億ドルであった。
(3)金融
1月末のM2の伸びは前年同期比15.9%増と、12月末より2.1ポイント加速し、前年同期より3.5ポイント加速した。M1は15.3%増で、12月末より8.8ポイント加速し、前年同期より12.1ポイント低下した。1月の現金純放出は7790億元であった。
人民元貸出残高は64.08兆元で前年同期比15.4%増であり、伸び率は12月末より0.4ポイント加速し、前年同期より0.4ポイント加速した。1月の人民元貸出増は1.07兆元(12月は4543億元)で、前年同期より額が3340億元増加している。
人民元預金残高は92.93兆元で、前年同期比16.0%増であった。1月の人民元預金は1.11兆元増で、前年同期より額が1.90兆元多かった。うち個人預金は7499億元増、企業預金は1179億元増であった。
(参考)M2 : 8月13.5%→9月14.8%→10月14.1%→11月13.9%→12月13.8%→1月15.9%
(1月25日記 2,635字)
[1]今回のピークは2011年7月の6.5%である。
[2]なお、国家統計局の盛来雲スポークスマンは、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
[3]コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
[4]2011年から、「工業品工場出荷価格」は「工業生産者工場出荷価格」に、「原材料・燃料・動力購入価格」は「工業生産者購入価格」に名称が改められた。
[5]今回のピークは2011年7月の7.5%である。
[6]今年1月の営業日は22日であったが、昨年1月は春節の影響で営業日が17日しかなかった。この季節的要因を除去すると、輸出は12.4%増、輸入は3.4%増である。
[7]日本への輸出は129.7億ドル、前年同期比5.9%増(12月単月は-7.3%)、日本からの輸入は120.8億ドル、同15.4%増(12月は-19.5%)である。
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