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ログイン2014年8月26日
習近平総書記は経済について「新たな常態」(New Normal)という表現を用い始めており、人民日報はその意味について、8月5・6・7日と「新たな常態下の中国経済」と題する評論を掲載した。評論は長文であるが、人民網2014年8月8日がそのエッセンスをまとめているので、これを紹介する。【2,138字】
はじめに
ここのところ、習近平総書記は経済について「新たな常態」(New Normal)という表現を用い始めており、人民日報はその意味について、8月5・6・7日と「新たな常態下の中国経済」と題する評論を掲載した。評論は長文であるが、人民網2014年8月8日がそのエッセンスをまとめているので、これを紹介する。
今年5月、習近平総書記が河南を視察している際の談話の中で、「新たな常態」が初めて出現した。習近平総書記の指摘によれば、わが国の発展はなお重要な戦略的チャンスの時期にあり、我々は自信を強め、現在のわが国経済発展の段階的特徴から出発し、新たな常態に適応し、戦略上の平常心を維持しなければならない。戦術上は、各種のリスクを高度に重視してこれを防ぎ、早めに計画を立て、転ばぬ先の杖で、遅滞なく対応措置を採用し、できる限りそのマイナスの影響を減少させなければならない。7月29日には、習近平総書記は党外人士との座談会において、再び「中国経済発展の段階的特徴を正確に認識し、自信を更に強め、新たな常態に適応しなければならない」と提起した。
今年上半期、わが国の経済成長率は7.4%であったが、これにどう対応するか?経済の下振れ圧力が増大している背景下、上半期の経済成長率7.4%は実のところ容易ではなかったといえる。30年余りの高速発展を経過して、中国経済は既に巨人となり、総量のベースが大きくなっており、1%ごとの成長に代表されるフローは軽視できない。今年の経済成長率目標から計算すれば、年間の経済フローは約5兆元余りに達し、これはおおよそ1994年の年間の経済総量に相当する。
このような高速度を引き続き維持できるのであろうか?それはできないし、耐えがたいし、必要ないと言うべきである。18回党大会は、2020年までに全面的な小康目標を実現し、GDPを2010年に比べて倍増するよう提起した。この目標に従えば、毎年7.5%前後の速度で十分と言える。
経済成長はギアチェンジにより反落し、高速成長から中高速成長となっている。このことは我々に、マクロ・コントロールにおいて、最低ラインを守るという考え方を堅持し、「憂患意識」を維持するのみならず、戦略的思考を堅持し、「速度へのこだわり」「ギアチェンジの焦り」から徹底的に脱却し、「平常心」を維持することを要求している。「新たな常態」の下、わが国の経済成長率に対する要求は、これまでのように(速度に)「執着」するのではなく、発展の質を十分重視することである。
経済発展は、過去の伝統的な粗放から高効率・低コスト・持続可能なものへと転換している。このことは我々に対し、マクロ・コントロールにおいて、発展方式の転換・構造調整を更に際立たせて位置付けることを要求する。新たな常態に入ったことは、転換・グレードアップのカギとなる時期に入ったということでもある。中国経済のグレードアップ版を作り上げるには、難関を乗り越えなければならず、粗放から集約へ、ローエンドからハイエンドへという構造調整の任務は一層困難さを増している。
正に客観条件が変化しているがゆえに、中国経済は必然的に高速成長から中高速成長に転じ、構造の不合理から構造の最適化に転じ、要素投入による駆動からイノベーションによる駆動に転じ、リスク内蔵から多様な試練への直面に転じることになるのである。
18期3中全会「決定」では、「経済体制改革は、改革全面深化の重点であり、核心問題は政府と市場の関係をうまく処理することにより、資源配分において市場の決定的役割を発揮させ、政府の役割を更に好く発揮させることである」と指摘している。「新たな常態」の下、政府と市場の関係をうまく処理することは、経済政策の重点中の重点となっている。
経済の新たな常態は、マクロ・コントロールの考え方・方式の刷新、経済発展の持久的な動力の育成を必要としている。根本から言えば、これは即ち、
① 改革に向けては動力が必要であり、構造調整に向けては助力が必要であり、民生改善に向けては潜在力が必要である。
②「活力を奮い立たせ」なければならない。開放すべき権限を完全に開放して、市場主体の手足を真に開放する。
③「実体を強化」しなければならない。打ち出すべき政策を十分に打ち出し、発展のミクロの基礎を打ち固める。
新たな常態は新たな模索であり、マクロ・コントロールの考え方・方式を刷新し、安定成長・改革促進・構造調整・民生優遇・リスク防止を統一的に企画し、改革によって道を開き、市場の決定的役割を十分発揮させ、企業と社会の活力を奮い立たせなければならない。経済発展の内生的動力を育成し、経済の転換・グレードアップ・構造最適化を加速し、民生を更に好く改善しなければならない。
「新たな常態」は、経済情勢に対する中国ハイレベルの冷静な判断・重要な定義であり、将来のマクロ経済政策の方向にとって決定的意義をもつものである。新たな常態に直面し、我々は冷静な心、確固とした心、情熱的な心を抱き、新たな常態を科学的に認識し、新たな常態に積極的に対応し、新たな常態への適応を学び取り、中国経済発展の新たな輝きを創造しなければならない。
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