こんにちわ、ゲストさん

ログイン

60才以上および就業歴2年未満の外国人の中国就業許可取得方法

中国ビジネスレポート 労務・人材
水野コンサルタンシーグループ

水野コンサルタンシーグループ

無料

2022年10月14日

60才以上および就業歴2年未満の外国人の中国就業許可取得方法
 
中国でB類(専門人材)として就業許可を申請する場合、「大卒以上、就業経験2年以上、60才未満」、「所得基準(平均給与収入が当該地区の前年度の社会平均給与収入の4倍以上)」、「ポイント基準(60点以上)」などの要件のうち、何れかの基準を満たす必要がありますが、日系企業においては、60才以上のベテランや就業歴2年未満の新卒者が就業許可を必要とするケースも少なくありません。
本稿では、上記「大卒以上、就業経験2年以上、60才未満」に該当しない、60才以上の外国人と就業歴2年未満の外国人の中国における就業許可取得の条件について解説します。
 
1.中国における就業許可の根拠と実務
現在の就業許可申請方式は、2017年4月1日より開始されたもので、「外国人来華就業許可制度試行実施方案(外専発[2016]151号)」、「外国人中国就労許可制度の全面的実施に関する通知(外専発[2017]40号)」を根拠としています。
ここでは、ポイント制(就業経験、語学力、職歴、学歴などに基づく)をはじめとする各種の申請・取得条件が規定されていますが、「大卒以上、就業経験2年以上、60才未満」の三条件を満たす場合は、自動的にB類の要件を満たし、就業許可取得が認められるため、通常は、この方法で申請します。
但し、この条件の何れかを満たさない場合、若しくは、大湾区(広東省)の場合で、15%の個人所得税優遇税制の適用を受けるためにA類を取得したい場合は、年収基準が重要になります。
上記40号通知では、「平均給与収入が当該地区の前年度の社会平均給与収入の6 倍以上の外国籍人材」はA類、「4倍以上の外国籍人材」はB類と規定しています。
 
2.60才以上の外国人の就業許可取得
60才以上の場合は、上記三条件を満たさなくなりますので、就業許可の取得・更新の難易度が上がります。
上海市・広州市の所管機関(外国専家局)にヒアリングした結果は、以下の通りです。
1)上海市
60才以上の外国人の場合は、以下の条件に該当すれば、就業許可証の申請が認められます。
(1)A類としての申請
以下の何れかの要件を満たす場合
【収入基準】A類の要件は、上述の通り(市の前年度の平均給与の6 倍以上)ですが、上海では、独自ルールとして、毎月の税込み給与5万元以上が条件となります。
【ポイント】85点以上
(2)B類としての申請
B類の場合は、収入基準のみでの取得は認められず、同時に、以下の要件の何れかを満たす必要が有ります。
【役職】法人の法定代表人である場合
【ポイント】60点以上
【出資者】個人で出資している場合
 
2)広州市
広州市では、60才以上の外国人に付いては、B類申請は不可であり、A類のみが対象になるという回答でした。よって、年収基準(6倍以上)、若しくは、85点以上のポイントが要件となります。
 
3.就業歴2年未満の場合
新卒など就業歴2年未満の外国人も、上記三条件を満たしませんので、就業許可の申請の難易度が高くなります。上海市・広州市の関係機関(外国専家局)にヒアリングした結果、申請条件は以下の通りとなっています。
1)上海市
以下いずれかの条件に該当する場合、就業許可書の申請が可能です。
(1)A類としての申請
以下の何れかの条件に合致する場合
【年収基準】上海市の場合は、毎月の税込み給与は5万元以上という独自ルールが有ります。
【ポイント】85点以上
(2)B類としての申請
【年収基準】上海市の場合は、毎月の税込み給与は3.3万元以上という独自ルールが有ります。
【ポイント】60点以上
【出資者】上海市の法人に個人出資している場合
 
2)広州市
大卒(学士)以上の学歴を有している場合、外国語教師であれば、例外的に就業許可申請ができますが、それ以外の場合は、収入基準を満たしても申請が認められないとのことでした。
例外的に、有名大学で修士の学歴を有しており、卒業から1年以内の場合は、「優秀な修士卒業生」という申請条件で申請可能ですが、この方法は、広東省では年度の申請枠が定められており、それを超過した場合は、申請は受理されないとのことでした。

ユーザー登録がお済みの方

Username or E-mail:
パスワード:
パスワードを忘れた方はコチラ

ユーザー登録がお済みでない方

有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。

ユーザー登録のご案内

最近のレポート

ページトップへ