こんにちわ、ゲストさん

ログイン

MCH華東ビジネス・トレンド

中国ビジネスレポート 投資環境
水野コンサルタンシーグループ

水野コンサルタンシーグループ

無料

2023年10月4日

華東地域(上海市、江蘇省、浙江省)の最近のビジネストピックスを、地方通知などを踏まえてご紹介します。

1.『上海市2023年社会保険納付基数の上下限』に関する通知 

上海市の2023年社会保険納付基数の上下限値が通知されました。
上限値:36,549元/月、下限値:7,310元/月

市の前年度の従業員平均賃金は12,183元/月、規定通りその300%を上限値、60%を下限値としています。

なお、22年度は、21年度の平均賃金11,396元/月を基準として、上限値34,188元/月でした。一方、下限値は計算上は6837元/月となるところ、コロナ影響を考慮して6,520元/月と60%より低めの設定となっていました。
今年の下限値は本来の計算式に戻っています。

原文は こちら

2.上海市の対外貿易の安定成長と質の向上に関する若干の政策措置(滬府弁規[2023]9号)

上海市が取り組んできた対外貿易の規模的発展、質的転換、その環境整備を一層促進するための、市政府から市内各区政府、関係部局、委員会宛の政策措置です。
4つのテーマで合計21項目について、目標金額や対象を示し、また「RCEP」、「一帯一路」など国際的なターゲットにも言及して具体的に提示しています。
また項目毎に責任部署、関係機関、銀行等を指定しています。

《要旨》
(1)対外貿易規模の安定的な成長
・「4つの百強企業」(輸出、輸入、新分野、自主ブランド)育成、通関、外貨処理、税還付処理等の簡便化
・中国輸出入銀行上海支店の「1,500億元」対外貿易専用貸付限度額、「RCEP」メンバー国からの「2,000億元」専用輸入限度額の設定
・中小零細規模の貿易企業への支援強化、中国輸出入銀行上海支店の「100億元」中小零細貿易企業信用貸付資金、輸出信用保険の年間500億米ドル以上の引き受け、等
・機電、高度新技術メーカーの海外市場開拓支援、税関特殊管理エリアと保全物流センターに入る医療機器の中国語ラベル貼付不要、等
(2)対外貿易のイノベーティブ発展
・新業態モデル推進、貿易発展の新機能拡大
・自由貿易試験区のリーダーシップの発揮、クロスボーダー電子商取引の革新的な発展の推進、保税修理と保税再製造への支援、オフショア貿易の品質向上と拡大、保税燃料の供給事業支援
・「洋山特殊総合保税区」三期拡張工事の加速、銀行のオフショア貿易に対する複数通貨クロスボーダー決済支持、国際航路船舶への保税オイル注入サービス等
(3)多元的市場開拓サポート
・感染症対策の新局面への対応、対外貿易企業の国内/海外展示会参加サポート/「華東輸出入商品交易会」開催
・RCEP協定の活用推進、海外倉庫利用の効能発揮/海外倉庫総合サービスプラットフォーム設置、人民元のクロスボーダー決済/人民元の優先使用奨励、
・貿易従事者の海外往来の利便化、出入境ゲートの24時間ビザ対応、など
(4)クロスボーダー貿易取引の環境整備
・対外貿易に対する公共サービスの拡大、対外貿易許可証の簡便化、クロスボーダー貿易の利便化とデジタル化
・知的財産権保障強化、対外貿易関係法規に関するサービス完全化
・長江デルタ地区の異地貨物ステーション業務の開拓
・海外の知的財産権の調査サポート、知的財産権の調停業務拡大/海外の仲裁機構の上海での業務期間設立支援

原文は こちら

3.外国資本の誘致と利用のための若干の措置(滬府弁規[2023年]11号)

上海市の経済発展のため外資企業の誘致と利用を、より一層推進するための政策措置を、市内各区政府、関係部局、委員会等に向け通達した文書です。
当通知に添付された「政策解読」によると、2022年2月末時点で、外資の上海市への投資実行額は累計3,312億米ドル、多国籍企業の「地域本部」902社、「研究開発センター」536社、6万社を超える外資企業が進出し、同市GDPの1/4を超えています。
また税収の約1/3、対外輸出入額の2/3近くを占め、工業総生産値の2/5を超え、就業人数の1/5を支え、同市の経済と社会発展の重要な役割を担っていると紹介しています。

4つのテーマで合計20項目の措置を提示し、それぞれ責任部署を指定しています。
《要旨》
(1)ハイレベルな対外開放推進
・金融(外資証券、ファンド、商品先物、保険、年金等)、国際物流(国際コンテナ船運航等)奨励、経営範囲拡大。通信、インターネット、教育、文化、医療等の分野の対外開放措置拡大、先行トライアル
・上海自由貿易試験区の対外機能アップ(税関特殊監督エリアでの全世界向けメンテナンス業務範囲拡大、保税燃料油/ガス充填業務規模拡大等)
・中国が加入申請中の「CPTPP」(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)と「DEPA」(デジタル経済パートナーシップ協定)などハイレベルな国際経済貿易に関する規則、管理基準に則った開放政策推進
(2)外資誘致の強化・レベルアップ
・先端サービス業、高度新技術、省エネ・環境保護等の分野への優遇税制、土地の優先提供。
・三大リーディング産業(集積回路、バイオ医薬、AI)、六大重点産業(電子情報、生命健康、自動車ハイエンド装置、先端材料、流行消費財)、新競争分野、未来産業への投資拡大の奨励
・「貿易型本部」「本部型機構」の奨励、資金補助など
・外資の研究開発機構への税制優遇、知的財産権の対外譲渡制度整備、外資による開放式イノベーションプラットフォーム設立奨励、など
・「国際消費センター都市」建設、国際ミドル/ハイクラスブランドの誘致
・グリーン脱炭素加速、外資の省エネ/脱炭素事業参入奨励、省エネ/節水
商品生産設備への所得税減免、資源総合利用製品の増値税還付、など
(3)外資企業発展支援の強化
・重点外資プロジェクトに対する専門対応体制整備、全方位的支援政策
・税制優遇、金融政策(銀行/企業の金融マッチング、「中小企業融資総合信用サービスプラットフォーム」、イノベーション融資信用サービスなど)
・「QFLP」(適格海外投資有限責任パートナー)への奨励措置(外貨登記簡素化、循環投資支持等)、QFLP試行ポイントの全市範囲への拡大
・外国籍人材の就業の優遇策(行政優遇、環境整備等)、ハイエンド人材(A類)、専門人材(B類)の認定範囲拡大と拡充
・「RCEP企業サービス諮問ステーション」、関税優遇、多国籍企業の全世界供給網サービス力レベルアップ支援、など
(4)外資企業へのサービス強化
・投資促進関連行事など各種の活動上海市投資促進センター海外事務所の機能発揮、海外の経済貿易投資促進機構との連携、政府・企業連絡メカニズム強化、「上海投資促進機構連席会議」(SIPP)の機能発揮、「駐上海外国企業協会」との連携メカニズム構築、など
・投資促進サービスプラットフォーム機能拡充、多言語対応、データ庫充実
・外資企業と国内企業との同一対応、政府調達案件への平等参画
・知的財産権の保護メカニズム整備、「知的財産権保護センター」機能発揮
・地方や業界の標準制定への参画、標準化技術委員会への参加

原文は こちら

4.統合的イノベーション強化と事業環境の継続的な最適化に向けた行動計画(滬薬監法[2023]98号)

上海市政府が2023年1月に公布した同名の行動計画(滬府弁規[2023]1号)に基づき、市の薬品監督業務について、市の状況を勘案して作成した行動計画です。

以下4つの改革措置が示されています。
(1)重点区域におけるバイオ医薬品産業のイノベーション発展の環境整備
・医療機関による体外診断試薬の自主開発のトライアルポイント選定と推進
・浦東新区の化粧品産業のイノベーション発展推進に対する措置
・医療機関の臨床診療上至急必要な少量の輸入薬品に対するサポート
・バイオ医薬品の浦東新区における先行トライアルに関する法規整備の充実
・バイオ医薬品の対外貿易の安定化と質の向上、自由貿易区、特殊保税区での医薬品輸出入の利便化
・長江デルタ地区の医薬品監督管理の一体化推進
(2)バイオ医薬品イノベーションの全プロセスに対するサービスメカニズムの充実、薬品監督管理の業務サービスレベルアップ
・重点的に研究/製造したバイオ医薬品の製品リスト作成
・バイオ医薬品と化粧品の登録指導の強化、指導サービスステーション設置
・オンライン/オフライン行政サービスのレベルアップ
・重点プロジェクトへのサービスの更なる強化
(3)審査評価批准制度改革の掘り下げ、バイオ医薬品産業の高品質な発展へのサポート
・行政許可の標準化レベルの向上
・行政許可の「告知承諾制度」改革の掘り下げ、薬品行政許可プロセスの改善
・医療器械審査批准の業務効率アップ
(4)革新的な監督管理方式、監督管理の精度と効率アップ
・薬品、医療器械、化粧品メーカーの信用等級評価推進、信用監督管理強化
・智能化監督管理の強化、「医療器械スマート監督管理3年アクションプラン」
・部門を跨いだ総合的な監督管理推進
・「双随機、一公開」方式の監督管理、化粧品分野の非重点企業のクラス別管理による効率アップ
・法規範に則った監督管理、公正、行政裁量権の基準の完全化

また、行政管理の保障措置として以下の4つを示しています。
・責任部署と責任者の明確化、責任制度
・企業経営環境の優良化改善、任務・行動計画の具体的管理、企業との交流強化、他の省・市の参考事例学習、ほか
・法政面の保障の強化、「上海薬品遵法フォーラム」などの開催
・啓蒙宣伝活動の強化、市場化、法治化、国際化の一流経営環境整備

原文は こちら

5.上海市の指定ゲートから搬入される動物及びその製品に関する通告(滬府規[2023]4号)

上海市に運び込まれる動物と動物製品の防疫対策と安全管理のための通告です。具体的な搬入ゲート名が明記されています。

(1)動物と動物製品の搬入は国と市の規定に従い、産地の所轄部門が発行した「検疫合格証」を持参し、市境の市指定の搬入ゲートから搬入し、動物検疫所管部門の防疫検査を受け、証明書確認、現品検査、消毒、情報登録/追跡を受諾しなければならない。
(2)市指定の搬入ゲート:葛隆ゲート、安亭ゲート、白鶴ゲート、西岑ゲート、葉新ゲート、新聯ゲート、洋橋ゲート、向化ゲート。なお、今後「楓jingゲート」は使用しない。
(3)指定ゲートを通さず搬入した動物及び動物製品は、公安部門や交通管理部門が現場で搬入阻止する。阻止に従わない者は「中華人民共和国動物防疫法」に基づき処罰。

今後搬入ゲートが追加、変更される場合、上海市農業農村委員会が市政府に申請し、批准を受けた後に公表されます。

原文は こちら

ユーザー登録がお済みの方

Username or E-mail:
パスワード:
パスワードを忘れた方はコチラ

ユーザー登録がお済みでない方

有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。

ユーザー登録のご案内

最近のレポート

ページトップへ