こんにちわ、ゲストさん

ログイン

御社社員の中国出張は、大丈夫でしょうか?

中国ビジネスレポート 法務
劉 新宇

劉 新宇

無料

2010年10月20日

記事概要

事前申請なく中国国内で暗号化製品を使用した場合には、中国法規制違反となり、処罰されるおそれがあることを認識している企業はそれほど多くありません。これまであまり認識されていなかった企業の皆さん、御社社員の中国出張は、大丈夫でしょうか?【2,045字】

中国における商用暗号製品規制のあれこれ

現在、多くの日本企業が会社資料の流出を防止するため、出張者のパソコンに暗号化ソフトウェアをインストールしており、在中の日系企業もそのほとんどがデータの保存・転送において暗号化ソフトウェアを使用しています。ところが、事前申請なく中国国内で暗号化製品を使用した場合には、中国法規制違反となり、処罰されるおそれがあることを認識している企業はそれほど多くありません。これまであまり認識されていなかった企業の皆さん、御社社員の中国出張は、大丈夫でしょうか。本稿では、以下にQ&A形式で関連する内容をご紹介いたします。

Q.商用暗号製品とは?
A. 商用暗号製品とは、暗号技術を用いて、国家機密内容に関係しない情報に対して暗号化による保護、又は安全認証を行う製品をいいます。例えば、VPNやPointSec for PC、Juniper NetScreen、SafeBoot Device Encryptionといった製品は、「商用暗号製品」に該当するものとされています。

Q.商用暗号製品に関する主な法規制を教えてください。
A.中国では、基本的にいかなる企業又は個人も使用することができるのは、国家暗号管理機関が承認した商用暗号製品のみであり、自ら研究製造し又は国外で生産された暗号製品を使用してはなりません。外国企業又は個人が中国国内において暗号製品又は暗号技術を含む設備を使用するときには、国家暗号管理機関に報告し、その認可を経なければなりません。暗号製品の輸入についても、国家暗号管理機関に報告し、その認可を受ける必要があります。

外商投資企業(中外合弁企業、中外合作経営企業、外資企業、外商投資股?有限公司等を含む)が、業務上の確かな必要により、国外で生産された暗号製品を使用して国外との相互連絡をしなければならない場合は、国家暗号管理機関の許可を経れば、国外で生産された暗号製品を使用することが可能となります。外商投資企業が使用を申請した暗号製品を国外から輸入する必要がある場合には、「暗号製品輸入許可証」を申請、取得する必要があります。
  
Q.使用許可申請のプロセスは?
A.使用許可申請の手続は、基本的に暗号管理機関において事前に登記申告を行い、同機関により認可された場合には、「国外生産の暗号製品使用許可証」を取得することとなります。

Q.外国企業が、直接に申請することはできますか?
A.実務において、管理当局は、管理上の便宜を図るため、中国国内に外商投資企業、分支機構、駐在員事務所などを設立している外国企業が国外で生産された暗号製品の使用申請をする場合には、その外商投資企業、分支機構、駐在員事務所などの名義で申請するよう要求しています。これにより、管理当局は、外商投資企業、分支機構、駐在員事務所などを管理、コントロールし、間接的に外国企業の商用暗号製品の使用状況を管理することを可能にしているのです。

Q.使用許可が下りるのにどれぐらいの時間がかかりますか?
A.使用許可申請は、まず省レベルの暗号管理局に提出しなければなりませんが、そこでの審査は5業務日かかります。さらに国家暗号管理局における審査は15業務日が必要で、合計20業務日となります。ただし、実務では、これより時間がかかるケースもあります。

Q.使用許可の有効期間は?
A.使用許可の有効期間は、3年とされています。

Q.使用許可を経ずに中国において外国製の暗号製品を使用した場合における法的リスクは?
A.外国企業が許可を経ずに無断で暗号製品又は暗号技術を搭載する設備を使用した場合には、国家暗号管理機関が公安機関とともに警告を与え、是正を命じるとともに、その暗号製品又は暗号技術を含む設備の没収を併科することができます。

Q.使用許可申請支援サービスを多数提供されていると伺っておりますが、申請に際しての留意点はありますか?
A.地方によって又は同一の管理当局でも担当者によって、さらに時期によっても指導が異なることや、ときには想定外の指導が行なわれることもあります。特に小都市の管理当局では、使用許可申請取扱件数が少ないため、時間がかかるうえに、想定外の要求をしてくる可能性もあり、申請コストが北京や上海より若干高くなる可能性もあります。したがって、正式に申請を提出される際には、申請書類の具体的な内容・記入方法について管理当局又は専門家に事前に確認したほうが確実だと考えられます。

また、暗号製品使用登記表において管理当局が関心を持つ主な問題、例えば暗号製品のバージョン・規格、主要な技術データ、暗号計算方法及び暗号の長さ等について、申請手続をスムーズに行うため、管理当局の要求・指導に従って正確に記入することは無論、ときには管理当局にうまく説明し納得してもらうことのできる経験やテクニックを有する専門家に事前に確認する必要があります。例えば、申請書では使用地が申請者の住所となっていても、出張者がそれにとどまらず、中国各地に出張する際にも使用することができるようにするには記載のテクニックが必要です。

(2,045字)

ユーザー登録がお済みの方

Username or E-mail:
パスワード:
パスワードを忘れた方はコチラ

ユーザー登録がお済みでない方

有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。

ユーザー登録のご案内

最近のレポート

ページトップへ