先日、中国の不正競争防止法の24年の時を隔てた初めての重大な改正が行われた。近年、中国では経済の急速な発展に伴い、新たな業態、ビジネススキームが続々と出現し、特に、インターネット経済の台頭、オンラインショッピングの普及及び急激な発展により、人々の外出せずに済むオンラインショッピングへの依頼度は高まる一方となっている。それによって企業のオンラインショッピングサービスの提供に関わる競争が激化し、一部には、不正競争の疑いがある行為も現れるようになった。このように経済社会が大きく変化する一方で、オンラインショッピングの監督管理を行うための法令は整備が遅れており、特に不正競争を規制する基本的な法律である「中華人民共和国不正競争防止法」（以下、「旧法」という）は、1993年に施行されてから改正が行われておらず、現実社会の経済環境の発展に対応しきれず、追いついていない部分があることは明らかであり、法改正を求める声はますます高まっていた。例えば、新たに発生している、競争の秩序を乱す行為、明らかに不正競争の性質を有する行為（企業による「刷単（※１）」行為など）については触れられておらず、言及されている不正競争行為にしても、その特徴には変化が生じており、旧法は法執行の根拠として不十分であった。また、不正競争行為に対する規制及びガバナンス・システムも完全とはいえず、さらに、旧法には独占禁止法、入札法など、近年新たに公布された法律との間に重複する部分や齟齬が生じている内容もあり、法律規定の協調性、一致性を維持するために、旧法の改正は喫緊の課題となっていた。