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ログイン2013年3月27日
2月は春節要因で前年同期比にバイアスがかかっているので、工業・消費・財政は1-2月累計のみ発表されていることにご留意ください。他の指標についても、1-2月期の前年同期比を参考にしてください。
(1)物価
①消費者物価
2月の消費者物価は前年同期比3.2%上昇し、上昇率は1月より1.2ポイント上昇した[1]。都市は3.2%、農村は3.3%の上昇である。食品価格は6.0%上昇し(1月は2.9%)、非食品価格も1.9%上昇(1月は1.6%)している。居住価格は2.8%上昇した[2]。
(参考)9月1.9%→10月1.7%→11月2.0%→12月2.5%→1月2.0%→2月3.2%
前月比では、1月より1.1%上昇し、1月(1.0%)より加速した。食品価格は2.7%上昇(1月は2.8%)と加速し、約0.89ポイントの影響を与えた。うち生鮮野菜は6.9%上昇(1月は12.7%)し、約0.24ポイントの影響を与えた。肉類及び肉製品は2.4%上昇(豚肉価格は1.5%上昇し約0.05ポイントの影響)、物価への影響は約0.18ポイントの影響を与えた。非食品価格は0.2%上昇(1月は0.1%)、居住価格は0.3%上昇(1月は0.2%)であった。
1-2月期は同2.6%の上昇である。
食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、前年同期比1.8%上昇(1月は1.5%)、前月比0.3%の上昇(1月は0.1%)である[3]。
なお、国家統計局は、2月の前年同期比上昇率3.2%のうち食品価格の牽引効果は約1.98ポイントとなり、このうち食糧価格の上昇は5.1%、物価への影響は約0.15ポイント、肉類及び肉製品は5.3%上昇、物価への影響は約0.40ポイント(豚肉価格は-1.0%、物価への影響は約-0.04ポイント)である。このほか生鮮野菜価格の上昇が10.0%、物価への影響が約0.34ポイント、水産品価格の上昇が7.7%、物価への影響が約0.20ポイント、油脂価格の上昇が4.7%、物価への影響が約0.06ポイント、果物価格の上昇が3.7%、物価への影響が約-0.08ポイントであったとしている。
また、昨年の物価上昇の残存効果は1.1ポイント、今年の新たな物価上昇要因は約2.1ポイントである。
なお、国家統計局都市司の余秋梅高級統計師は、今年の春節が2月であり、果物・生鮮野菜・水産品・肉類等の食品の消費量が増大し、加えて冬の濃霧により生鮮野菜の輸送に影響が出たことが消費者物価大幅上昇の原因であるとし、3月の物価は反落するだろうとしている。
②工業生産者価格[4]
2月の工業生産者出荷価格は前年同期比1.6%低下し、1月と同水準であった[5]。前月比では1月より0.2%上昇(1月は0.2%)であった。1-2月期は同-1.6%である。
(参考)9月-3.6%→10月-2.8%→11月-2.2%→12月-1.9%→1月-1.6%→2月-1.6%
2月、工業生産者購入価格は前年同期比1.9%低下した。前月比では1月より0.2%上昇(1月は0.3%)であった。1-2月期は-1.9%である。
③住宅価格
2月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比1都市が低下(1月は10)し、3都市が同水準(1月は7)であった。上昇は66都市であり(1月は53)、上昇率は3.1%以内(1月は2.2%以内)となっている。前月比で下降の都市は1月より9減少し、同水準は4減少し、上昇は13増加した。
前年同月比では、価格が下落したのは8都市(1月は16)であった。同水準はゼロ(1月は1)、上昇は62都市(1月は53)である。上昇率の最高は、広州8.2%(1月は全体が4.7%以内)となっている。
(2)工業
2月の工業生産は、前月比では0.79%増となった[6]。
(参考)8月8.9%→9月9.2%→10月9.6%→11月10.1%→12月10.3%→1-2月9.9%
1-2月期では前年同期比実質9.9%増となった。重工業は10.2%増、軽工業は9.1%増である。主要製品別では、発電量3.4%増(12月は7.6%)、鋼材14.2%増(12月は13.5%)、セメント10.8%増(12月は5.4%)、自動車12.4%(うち乗用車19.5%増)となっている。12月の自動車5.3%増(うち乗用車7.9%増)と比べ大きく伸びている。
(3)消費
2月の社会消費品小売総額は、前月比では、0.99%増となった[7]。
(参考)8月13.2%→9月14.2%→10月14.5%→11月14.9%→12月15.2%→1-2月12.3%
1-2月期の社会消費品小売総額は3兆7810億元、前年同期比12.3%増(実質10.4%増)である。都市は同12.1%、郷村は同13.4%増であった。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆8001億元、同10.2%増であり、うち穀物油・食品・飲料・タバコ12.1%増、アパレル・靴・帽子類9.4%増、建築・内装17.7%増、家具20.9%増、自動車6.9%増、家電・音響機器類16.7%増となっている。自動車は12月の9.0%増より伸びが鈍化した。
(4)投資
①都市固定資産投資
1-2月期の都市固定資産投資は2兆5676億元で、前年同期比21.2%増であった。単月は前月比では0.65%増である[8]。中央プロジェクトは1331億元、4.4%増であり、地方プロジェクトは2兆4345億元、22.3%増であった。地域別では、東部20.1%、中部25.2%、西部23.3%増となっている。鉄道運輸は5.2%増(2012年は2.4%)であった。
(参考)1-8月期20.2%→1-9月期20.5%→1-10月期20.7%→1-11月期20.7%→2012年20.6%→1-2月期21.2%
1-2月期の新規着工総投資計画額は1兆2567億元であり[9]、前年同期比10.1%増(2012年は28.6%)である。都市プロジェクト資金の調達額は4兆7931億元で、前年同期比23.8%増(2012年は18.6%)となった。うち、国家予算資金が35.3%増、国内貸出が18.7%増、自己資金が20.3%増、外資が-4.1%、その他資金が44.1%増となっている。
②不動産開発投資
1-2月期の不動産開発投資は6670億元で同22.8%増である。うち住宅は4583億元、23.4%増で、不動産開発投資に占める比重は68.7%である。地域別では、東部20.9%、中部24.6%、西部26.8%増となっている。
(参考)1-8月期15.6%→1-9月期15.4%→1-10月期15.4%→1-11月期16.7%→2012年16.2%→1-2月期22.8%
1-2月期の分譲建物販売面積は1億471万㎡で、前年同期比49.5%(2012年1.8%)であった。うち、分譲住宅販売面積も55.2%増(2012年2.0%)である。地域別では、東部63.6%増、中部44.6%増、西部30.4%増である。
1-2月期の分譲建物販売額は7361億元、前年同期比77.6%増(2012年10.0%)であった。うち、分譲住宅販売額は87.2%増である。地域別では、東部92.3%増、中部67.3%増、西部45.3%増である。
1-2月期のディベロッパーの資金源は1兆8926億元であり、前年同期比33.7%増(2012年12.7%)であった。うち、国内貸出が3938億元26.4%増、外資が88億元、-18.4%、自己資金が7331億元、22.3%増、その他7570億元、53.5%増(うち、手付金・前受金4655億元、66.5%増、個人住宅ローン2057億元、58.8%増)である。
③民間固定資産投資
1-2月期の全国民間固定資産投資は1兆5777億元であり、前年同期比24.6%増である[10]。民間固定資産投資は、都市固定資産投資の61.4%を占める。地域別では、東部21.3%、中部27.9%、西部29.4%増である。
(参考)1-8月期25.1%→1-9月期25.1%→1-10月期25.2%→1-11月期25%→2012年24.8%→1-2月期24.6%
(5)対外経済
①輸出入
2月の輸出は1393.7億ドル、前年同期比21.8%増、輸入は1241.2億ドル、同-15.2%増であった。貿易黒字は152.5億ドル増(前年同期-319.8億ドル)であった[11]。
(参考)9月輸出9.9%、輸入2.4%→10月輸出11.6%、輸入2.4%→11月輸出2.9%、輸入0.0%→12月輸出14.1%、輸入6.0%→1月輸出25%、輸入28.8%
→2月輸出21.8%、輸入-15.2%
1-2月期の輸出は3267.3億ドル、前年同期比23.6%増、輸入は2825.8億ドル、同5%増であった。貿易黒字は441.5億ドル増(前年同期-47.8億ドル)であった。
1-2月期の輸出入総額では全体が前年同期比14.2%増であったのに対し、対EU3.2%増、対米14.8%増、対日-8.2%[12]、対アセアン22%増である。また、対ロシア-15.5%、対南アフリカ73.3%増、対ブラジル-23.3%となっている。
1-2月期の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比35.3%増、紡績26.3%増、靴49.0%増、家具60.2%増、プラスチック製品57.4%増、鞄74.7%増、玩具11.2%増で、これら7製品は全体で40.3%増である。電器・機械は同20.1%増で、全体の57.5%を占める。
なお、1-2月期の自動車の輸入は前年同期比-28.8%である。
②外資利用
2月の外資利用実行額は82.14億ドルであり、前年同期比6.32%増であった。
(参考)9月-6.8%→10月-0.24%→11月-5.4%→12月-4.5%→1月-7.3%→2月6.32%
1-2月期では、174.84億ドルであり、同-1.35%であった。
1-2月期、製造業は74.72億ドルであり、同-10.64%、全体の42.74%を占める。サービス業は84.49億ドルであり、同5.49%増、全体の48.32%を占める。
1-2月期、国別では、EU12.14億ドル、同34.01%増、日本12.69億ドル、同-6.70%(1月は-20.0%)、米国4.97億ドル、同-5.37%である。
1-2月期、地域別では、東部は149.12億ドル、同-1.58%で、全体の85.29%を占める。中部は14.96億ドル、同4.76%増で、全体の8.56%を占める。西部は10.75億ドル、同-5.95%で、全体の6.15%を占める。
③米国債保有
1月末の米国債保有残高は、中国が前月比441億ドル増の1兆2645億ドルであった。2位の日本は40億ドル増で1兆1152億ドルであった。
(6)金融
2月末のM2の伸びは前年同期比15.2%増と、1月末より0.7ポイント減速し、前年同期より2.2ポイント加速した。M1は9.5%増で、1月末より5.8ポイント減速し、前年同期より5.2ポイント加速した。2月の現金純回収は2136億元であった。
人民元貸出残高は64.70兆元で前年同期比15.0%増であり、伸び率は1月末より0.4ポイント減速し、前年同期より0.2ポイント減速した。2月の人民元貸出増は6200億元(1月は1.07兆元)で、前年同期より伸びが907億元減少している。1-2月期では、1.69兆元であり、前年同期より伸びが2433億元多くなっている。
人民元預金残高は93.71兆元で、前年同期比14.6%増であった。2月の人民元預金は7737億元増で、前年同期より伸びが8276億元減少している。うち個人預金は1.77兆元増、企業預金は9391億元減であった。1-2月期の預金増は1.89兆元で、前年同期より伸びが1.08兆元増加している。
(参考)M2 : 9月14.8%→10月14.1%→11月13.9%→12月13.8%→1月15.9%→2月15.2%
(7)財政
1-2月期の全国財政収入は2兆2426億元で、前年同期比1508億元、7.2%増に達した。中央財政収入は1兆779億元で、同1.6%増、地方レベルの収入は1兆1647億元、同12.9%増である[13]。
1-2月期の税収は1兆9594億元で、同5.9%増、税外収入は2832億元、同17.2%増となっている。
(参考)財政収入 7月8.2%→8月4.2%→9月11.9%→10月13.7%→11月21.9%→1-2月7.2%
1-2月期の全国財政支出は1兆6105億元で、同2181億元、15.7%増に達した[14]。中央レベルの支出は2527億元、同9.2%増、地方財政支出は1兆3578億元、同16.9%増である。地方への税収返還・移転支出は9497億元、同8.3%増であった。
(8)社会電力使用量
2月は前年同期比-12.5%であった。
1-2月期は同5.5%増である。うち、第1次産業は4.3%、第2次産業は4.2%増、第3次産業は13.8%増、都市・農村住民生活用は4.7%増であった。
(参考)6月4.3%→7月4.5%→8月3.6%→9月2.9%→10月6.1%→11月7.6%→2月-12.5%
(3月19日記 6,384字)
[1]今回のピークは2011年7月の6.5%である。
[2]なお、国家統計局の盛来雲スポークスマンは、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
[3]コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
[4]2011年から、「工業品工場出荷価格」は「工業生産者工場出荷価格」に、「原材料・燃料・動力購入価格」は「工業生産者購入価格」に名称が改められた。
[5]今回のピークは2011年7月の7.5%である。
[6]8月は0.74%増、9月は0.81%増、10月は0.80%増、11月は0.81%増、12月は0.83%増、1月は0.60%増である。
[7]8月は1.06%増、9月は1.34%増、10月は1.09%増、11月は1.18%増、12月は1.20%増、1月は0.17%増である。
[8]8月は1.23%増、9月は1.88%増、10月は1.92%増、11月は0.93%増、12月は1.31%増、1月は1.63%増である。
[9]2011年から計画総投資額のベースは、50万元以上のプロジェクトから500万元以上のプロジェクトに引き上げられた。
[10]この統計は2012年5月から公表が開始された。
[11]今年2月は春節の影響で営業日が17日しかなかったが、昨年2月は営業日が21日であった。この季節的要因を除去すると、輸出は20.6%増、輸入は6.5%増である。
[12]日本への輸出は227.2億ドル、前年同期比0.2%増(2月単月は-6.5%)、日本からの輸入は222.8億ドル、同-15.5%(1月は-36.0%)である。
[13]主な収入の内訳は、国内増値税4812億元、前年同期比8%増、国内消費税1861億元、4.2%増、営業税3349億元、14.1%増、企業所得税4252億元、24.7%増、個人所得税1356億元、-3.8%、輸入貨物増値税・消費税1872億元、-34.7%、関税356億元、-34.3%、車両購入税424億元、16.1%増、証券取引印紙税81億元、71.7%増である。輸出に係る増値税・消費税の還付は1464億元であり、-8.2%である。
[14]支出で伸びが大きいのは、教文化・スポーツ・メディア211億元、27.7%増、医療・衛生753億元、20.5%増、社会保障・雇用2760億元、24.7%増、住宅保障348億元、38.8%増(うち、社会保障的性格をもつ安住プロジェクト183億元、62.4%増)、農林水産1537億元、20.3%増、都市・農村コミュニティ1199億元、20.3%増、省エネ・環境保護290億元、42.7%増である。
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