はじめに

12月9－11日、党中央・国務院共催により中央経済工作会議（以下「会議」）が開催され、2015年の経済政策の基本方針が決定された。会議では、習近平総書記が重要講話を発表し、現在の内外経済情勢を分析、2014年の経済政策を総括し、2015年の経済政策の総体要求と主要任務を提起した。李克強総理は、講話において2015年のマクロ経済政策の方向を説明し、2015年の経済社会発展重点政策について具体的手配を行い、かつ総括講話を行った。本稿では、会議の概要とポイントを紹介する（新華社網北京電2014年12月11日）。

１．現状認識

（１）国内経済の現状
今年に入り、複雑で変化に富む国際環境と困難・繁雑で荷が重い国内の改革・発展・安定の任務に対し、我々は2013年の中央経済工作会議の政策決定・手配を貫徹実施し、経済政策に対する党の指導を強化・改善した。発展の大勢をしっかり把握し、安定の中で前進を求めるという政策の総基調を堅持し、改革を全面的に深化させた。マクロ政策の連続性・安定性を維持し、マクロ・コントロールの考え方・方式を刷新し、事前調整・微調整を的確に進め、各政策を着実にしっかりと実施し、経済社会の持続的で着実な発展を実現した。年間の主要目標・任務は、かなり好い達成が見込まれる 。
経済運営は合理的区間にあり、経済構造調整には積極的な変化が出現し、改革開放は重大な進展を得て、人民の生活水準は向上した。同時に、わが国の経済運営はなお少なからぬ困難・試練に直面しており、①経済の下振れ圧力がかなり大きく、②構造調整の陣痛が顕著に現れており、③企業の生産・経営の困難が増大し、④一部の経済リスクが顕在化している。

（２）経済発展の「新常態」
現在の情勢を科学的に認識し、将来の動向を精確に検討・判断するには、わが国の経済発展の段階的特徴を歴史的・弁証的に認識し、経済発展の新常態を精確に把握しなければならない。

①消費需要からみると、
過去のわが国の消費は明白な模倣型・横並び式の特徴を有しており、現在、模倣型・横並び式の消費段階は基本的に収束し、個性化・多様化した消費が徐々に主流となっており、製品の質の安全を保証し、供給の刷新を通じて需要を奮い立たせることの重要性が顕著に上昇している。正確な消費政策を採用し、消費の潜在力を発揮させることにより、経済発展の推進において消費の基礎的な役割を引き続き発揮させなければならない。

②投資需要からみると、
30年余りの強度の高い大規模な開発・建設を経て後、伝統産業は相対的に飽和しているが、インフラの相互接続といくらかの新技術・新製品・新業態・ニュービジネスモデルへの投資機会が大量に湧き起っており、投融資方式の刷新について新たな要求を提起している。投資の方向を善く把握し、投資の障害を除去することにより、経済発展に対する投資のカギとなる役割を引き続き発揮させなければならない。

③輸出と国際収支からみると、
国際金融危機の発生前は、国際市場の空間の拡張が速く、輸出はわが国経済の急速発展を牽引する重要な動力エネルギーであった。現在、世界の総需要は不振であり、わが国の低コストという比較優位性にも転化が発生している。同時に、わが国の輸出競争の優位性は依然存在しており、ハイレベルの導入と大規模な海外進出が正に同歩調で発生している。新しい比較優位性を早急に育成することにより、経済発展に対する輸出の支柱としての役割を引き続き発揮させなければならない。