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中国生活、最近の話題:ミシュラン店の貧乏コース

中国ビジネスレポート マーケティング
水野 真澄

水野 真澄

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2024年10月22日

中国の飲食関連では、貧乏コース(穷鬼套餐)というスラングが流行っているようです。2024年9月19日のウェブニュース(听筒Tech)では、ミシュラン店の貧乏コースを楽しむ人々のコメントが紹介されています。

上海で暮らす女性は、ミシュラン三ツ星レストランのコースを300元強で堪能し、今までは高くて手が出なかったミシュラン店が、家庭料理店同様になったと発言しています。また、これ以外にも、多数、ミシュラン店や黒珍珠(中国のレストラン評価基準)店の200~300元台の、所謂、貧乏コースが紹介されています。

因みに、上海の情況を調べるべく、「大衆点評」アプリを使い、ミシュラン・黒珍珠店を対象に、穷鬼套餐をワード検索すると、Solo、弦月窗LUNETTE BY AMANDA、Jean Georges等、自分が知っている店が出てきました。勿論、店が名付けている訳ではなく、飽くまでも、投稿者のコメントによるものですが。

その中でも、弦月窗LUNETTE BY AMANDAは、完全に恋人利用の店で、筆者が訪問した時も、9割がたは若い恋人と思しきペア。貧乏コース設定には似つかわしくない店だけに、興味深いです。とはいえ、貧乏コース設定は、一人228元のランチコースであり、メイン客層、コアな時間帯とは異なります。まずは、ランチで心理的ハードルを下げ、夜の集客につなげようとの意図でしょうか。

ただ、よく考えれば、一人5000円弱のランチを、貧乏コースと称するのは、日本の感覚では、少々違和感が有ります。勿論、客が勝手に呼んでいるだけで、店が名付けている訳ではないのですが、一流レストランの5000円ランチはただ同然?という意識が見え隠れしています。

また、上海では、洋酒の値段設定が非常に高いのが一般的です。例えば、日本のレストランで、5000円程度で提供されているワインが、当たり前のように1~2万円で提供され、一方で、紹興酒等は、非常に安い価格設定です。確かに、中国では、酒の輸入段階課税(関税・増値税・消費税)が高額で、ワインだと70~80%の課税が行われますが、それを考慮しても、まだ高い。

筆者が20代の頃(1980年代)の日本において、ジョニーウォーカー黒が1万円、ホワイトホースが4,500円程度で販売されており、洋酒は日本製よりも高級というイメージが有りましたが、それを連想させます。

同記事には、「中国の飲食業は、30年来の一大変転期にある。過去30年間、成長を続けてきた飲食業界の客単価が、2024年に入り下がっている」という、美団グループCEOの発言を紹介しています。

これは、景気の低迷も一つの理由であるのは確かで、飲食業、特に、高級店の経営が苦しいことから、手を出しやすい価格設定をしているという一面はあります。
ただ、あまりにイケイケだった消費マインドが、有るべき水準に修正される局面というのも確かだと思います。

上海の日本料理店で、一升瓶が30~40万円する十四代を、平気で注文している中国人客を見て、「あんなに金を使われては、日本人の立場がないな」と思ったことや、類似の経験が多々あります。

ただ、日本のバブル同様、行き過ぎた傾向は、時間と共に、あるべき水準に調整されるもので、その調整局面にあるように思います。

そんな自分の若き日の思い出や、日ごろの思いを重ね合わせて、読んだ今回の記事でした。

本タイトルの動画編はこちら
https://filmuy.com/chasenextunlimited

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