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経済諸会議の動向(5) 三農問題について

中国ビジネスレポート 政治・政策
田中 修

田中 修

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2006年3月13日

農業・農村・農民

1.中央農村工作会議(2005年12月28日)

(1)中国の国情は、農業・農村の発展が全局に関わることを決定づけている。「三農」問題をうまく解決することを全党活動の重点中の重点として、はじめて経済社会発展の主導権を把握することができる。

 小康社会を全面的に建設し、現代化推進を加速するうえで、農業・農村は常に難点であり重点である。全局的な高みに立ち、社会主義の新農村建設を現代化プロセスの重要な歴史的使命とし、全党・全社会の共通認識・共同行動としなければならない。社会主義の新農村建設に当たっては、多く与え、少なく取り、活性化させることを堅持し、特に多く与えることに力を入れ、工業が農業の恩に報い、都市が農村を支援する方針を真に実行し、農村の発展を全面的に推進しなければならない。

(2)当面の農業・農村工作については、次の6点に重点を置かなければならない。

A建設資金を更に多く農村に投入し、農村のインフラ建設を適切に強化する。

B農村税・費用改革の成果を強固にすることを中心に、農村の総合改革を推進する。

C食糧生産を着実に強化し、国家の食糧安全を保障する。

D農村の土地基本経営制度を堅持し、建設による土地占有を厳格に規制して農業の発展と農村の安定を確保する。

E農民の秩序立った都市出稼ぎを誘導し、出稼ぎ農民を公平に扱い、県域経済を発展させ、農村労働力の近辺への移転を促進する。

F農村の教育・衛生等の社会事業への投入を増加させ、多方面から農村の公共サービスを強化する。

(3)2006年の農業・農村工作

 国家財政の農村支援資金を2005年より増加し、国債と予算内資金を農村建設に用いる比重を2005年より高める。その中でも、農村の生産生活条件の改善に直接用いる資金を2005年より多くしなければならない。現代化農業建設を引き続き推進し、あらゆる手段を講じて農民収入を増加させ、農村改革を全面的に深化させ、農村インフラ建設を強化し、農村公共事業の発展に力を入れなければならない。

 

2.2005年12月30日付け人民日報社説

 社会主義の新農村建設を実施するためには、次の諸点が必要である。

(1)都市・農村の発展を統一的に企画する思想を確立しなければならない。

(2)工業をもって農業を促進し、都市をもって農村を導く長期有効なメカニズムを早急に確立しなければならない。

 農業・農村への投入を不断に増加し、公共財政の農村をカバーする範囲を拡大し、新農村建設のための安定的な資金源を徐々に形成しなければならない。都市・農村の二重構造の改変促進に資する発展メカニズムを早期に確立し、都市・農村労働者の平等な就業制度を実行し、健全で経済発展水準に相適応した多様な形式の農村社会保障制度を確立し、農村の各種改革を全面的に深化させ、農村経済の発展活力を増強しなければならない。

(3)正確な方向と原則を堅持しなければならない。

 農村経済の発展を中心とすること、農村の基本経営制度、人間本位、科学的な計画、各方面の積極性を発揮することを堅持しなければならない。

(4)工作の方法について、適切に注意を払わなければならない。

 形式主義になってはならず、盲目的に競争してはならず、強迫的に命令してはならず、一律に要求してはならず、独断専行してはならない。農民の期待に背いてはならず、農民の利益を侵犯してはならず、農民の負担を加重してはならない。

(5)基層の党組織の指導核心作用を十分に発揮しなければならない。

 

3.全国農業工作会議(2005年12月27日)

 農業部の杜青林部長は、次のように指示している(2005年12月29日新華社北京電)。

(1)第11次5ヵ年計画における9大行動

A社会主義の新農村建設について、模範を示す。

 現代農業の発展に力を入れ、農業の重大プロジェクトと農産品の比較優位な地域への配置を推進する。積極的に農村小型インフラ建設を展開し、農民の飲料水・エネルギー・道路・住居・通信等の条件を改善する。

B食糧の総合生産能力を増強する。

 2006年は、作付面積の基本的安定に力を入れる。

C比較優位な農産品産業帯を促進する。

 2006年は、黄河・淮河・海河専用小麦、三江平原水稲、新疆綿花等の8産業帯を重点的に建設する。

D農業の科学技術を引き上げる。

 農業の科学技術の革新を加速し、農業の重大な科学技術の難題とカギとなる核心技術を攻略し、際立った重大な科学技術の成果を形成する。

E牧畜水産業の成長方式を転換する。

 乳牛・牧草・水産の良好な品種への補助に力を入れる。

F農業の産業化と農産品加工を推進する。

 専業協同経済組織のモデル・プロジェクトの範囲を拡大し、水準の高い、規模の大きい、牽引力のあるリーダー企業を育成する。

G農産品の質の安全・環境保護

 無公害・環境保護(緑色)・有機農産品の認証を強化する。

H生態・自給自足・富民

 農村のメタン・ガスの普及に力を入れ、バイオマス・エネルギー、太陽エネルギー、風力エネルギー、小型水力発電等再生可能エネルギーの応用を拡大し、メタン・ガスの建設投資を大幅に増加する。

I鳥インフルエンザ等重大な動物疫病の防止

(2)第11次5ヵ年計画期間の目標

A第11次5ヵ年計画期間の食糧総合生産能力が5億トン水準に達するよう努力する。

B第11次5ヵ年計画期間の農民収入の年平均の伸びが5%以上になるように努め、都市・農村住民の所得格差を徐々に縮小するための条件を創造する。

 

4.温家宝総理重要講話(2005年12月29日)

 2006年1月19日新華社北京電は、中央農村工作会議で温家宝総理が行った「当面の農業・農村工作のいくつかの問題に関して」と題する重要講話の全文を公表した。以下そのポイントを紹介したい。

(1)農村インフラ建設問題に関して

 長期以来、わが国都市・農村経済社会の発展は不均衡となっている。都市の発展は速く、農村の発展は停滞している。経済社会発展の全局から考慮すると、このような状況は改変しなければならない。公共財政が農村をカバーする範囲を拡大し、各方面への投入の積極性を動員し、農村インフラ建設強化に力を入れなければならない。これは、農村のインフラ条件を改善し農業の総合生産能力を高めるばかりでなく、農民の就業機会と収入を増加させることになり、一挙に多くのものを得る好ましい事であり、今後数年のインフラ建設の重点としなければならない。第11次5ヵ年計画期間の努力を通じて、農村生産生活条件・全貌について比較的顕著な変化があるよう努めなければならない。

A財政の建設資金を農村に傾斜させる

 カギは、決意をもって国民の所得分配構造を調整することであり、特に国家建設資金の投入先・構造を調整し、農村建設支援に向けた転換を更に進めなければならない。これは、今後数年の経済工作の戦略的措置であり、直接に農村経済社会の発展に関係するものであり、内需拡大に関係し、国家の長期発展にも深遠な影響を生み出すものである。

 2006年は国家財政の農村支援資金の増額を2005年より大きくしなければならず、国債・予算内資金の農村建設に用いる比重を2005年より高めなければならない。中でも、農村の生産生活条件の改善に直接用いる資金の総量を2005年より増やさなければならない。

 各地域・各部門とりわけ基礎産業・公共サービス部門は、農村に更に多く関心を払い支援し、工作の重心を徐々に農村に転向し、掌握する資源を更に多く農村に向け、インフラ建設の重点を農村に転向しなければならない。発展計画制定、建設プロジェクトの按配、資金投入の増加に際しては、いずれも農村に傾斜させなければならない。条件の整った地方では、更に歩みを速めるべきである。各部門は相互に手配して、農村支援資金の協調整合を強め、使用効率を高め、力を集中して大事に当たらなければならない。各種金融機関も信用貸出し先の構造を調整し、金融サービスを適切に改善し、「三農」支援を強化しなければならない。

B都市の農村に対する牽引作用の発揮を重視しなければならない

 今後各大中都市は、市が県を率い、市が県を援助する責任を適切に履行し、都市・農村発展計画を全面的に制定し、市クラスの財政建設資金を近郊地区と所属の県・郷に投入し、公共インフラを農村に向け延伸しなければならない。同時に都市の関係単位と企業を組織して農村を援助し、都市の農村に対する放射・牽引作用を強化し、都市・農村が協調して発展し、共に繁栄する局面を形成しなければならない。

C農民と社会各方面の作用を十分に発揮させなければならない

 農村インフラ建設を強化し、広範な農民大衆の積極性を十分に動員し、彼らの自力更生・刻苦奮闘の精神を誘導し、自己の苦労した労働を通して生産生活条件を改善しなければならない。国家財政は直接補助等の方式を通じて奨励を与え、農民が直接に受益する公共施設建設での労働に従事するよう誘導しなければならない。

(2)農村総合改革問題に関して

 2006年に農業税を全面的に取り消した。農村税・費用改革がここまでに至るには容易ではなかったが、成果を強固にする任務は更に困難である。郷鎮機構、農村義務教育、県・郷財政体制改革を主要内容とする農村総合改革を全面的に推進することは、農村税・費用改革の成果を強固にする緊迫した任務であるばかりでなく、農村の一連の深層矛盾を解決するものである。農業税取消しの後、農民の負担問題がこれにより解決されたと決して考えてはならない。もし改革が不徹底であれば、我々は2つの深刻な状況に直面する可能性がある。1つは、各種のでたらめな費用・割当て・罰金徴収が復活し、農民負担の反動増が出現する。1つは、基層組織の正常な運営が困難になり、果たすべき職責の履行ができなくなる。これらの問題を防止するには、農村の総合改革を断固として前進させなければならない。郷鎮機構改革の推進に力を入れ、機能転換を決意し、機構・人員を簡素化し、事業単位を整合させ、人員の再配置を妥当に行ってこそ、最終的にメビウスの帯から脱出することができる。これは、農業税そのものの取消しに比べ、任務は更に困難で意義は更に深遠である。

 郷鎮機構改革問題について更に述べたい。郷鎮機構改革の出発点と目的は、郷鎮政府の機能を転換し、社会管理と公共サービスを強化するためであり、そもそも行政の効能を更によく発揮し、「三農」サービスを更によく行うためである。郷鎮機構改革のテストにおいては、3点の工作に力を入れなければならない。

A機能を転換し、サービス型・法制型政府の建設に努力する。

 することもあれば、しないこともあるという原則に基づき、郷鎮の経済管理上の機能を適切に調整する。

B事業単位を整合させ、改革する。

 カギは、公益性事業と経営性活動を合理的に区分し、分類管理を実行することである。

C人員の再配置を妥当に按配する。

 これは、郷鎮機構改革のなかで最も重要な部分で、また難しい問題でもある。

 各クラスの党委員会・政府は高度に農村総合改革工作を重視するとともに、農村金融体制、食糧流通体制、土地徴用制度等の改革を引き続き推進し、農村経済社会の発展のための体制的保障を提供しなければならない。

(3)食糧問題に関して

 食糧は終始経済の発展、社会の安定、国家の自立の基礎であり、いかなるときも間違いが出現してはならない。ここ2年、中央は以前数年の食糧生産の連続減少と需給関係の緊迫状況に対し、一連の更に直接的で有力な政策措置を打ち出した。主として「3つの減免、3つの補助」を実行し、食糧を主として生産する地域への援助を強化するとともに、食糧流通体制改革を断固として推進し、食糧購入市場を全面的に開放した。この結果、食糧生産は重大な転機が出現し、インフレ防止、人民生活の保障、社会安定の維持にとって重要な作用が発揮され、マクロ・コントロール目標を実現するうえで、有利な条件を創造した。

 しかし、当面の食糧生産の基礎は強固ではないことを冷静に見て取らねばならない。ここ2年、食糧生産は依然一定の不足があり、毎年数百億斤(1斤は500グラム)の在庫の取り崩しをしなければならない。今後の長期の趨勢から見れば、わが国の人口が増加し、耕地が減少し、水資源が不足するという矛盾はますます際立ち、食糧増産の難度はますます大きくなり、食糧の長期需給均衡を維持させる任務は十分に困難である。もし食糧に問題が生じれば、全局の問題となり、経済の平穏で速い発展と社会の安定に影響を及ぼすことになる。

 食糧問題については、2つの点をしっかり把握しなければならない。

A国内で食糧供給を保障することに立脚する。

 これは、終始堅持すべき方針である。

B食糧需給のしっかりとした均衡の維持に努める。

 これは、マクロ・コントロールの目標である。食糧生産量が少なすぎれば、食糧の安全が脅威にさらされる。食糧の供給が過大であれば、食糧価格が下落し、農民の収入と食糧生産の安定的発展に影響を及ぼす。食糧需給のしっかりとした均衡は容易なことではなく、最も根本的なことは食糧の総合生産能力の建設を強化し、国家食糧備蓄体系の建設を強化し、大地と倉庫に存在する食糧を相結合させることである。同時に食糧の輸出入の時期・程度の調節をうまく行い、食糧市場のコントロールを強化・改善しなければならない。

 2006年の食糧生産は、不利な要素が存在する。市場価格は、農民が作付けを行う積極性を刺激する主要な要因であるが、食糧価格の安定を維持し或いは再上昇させる難度は大きい。農業資材価格の上昇により、食糧生産の収益は下降しており、農民の作付けの積極性に直接影響を及ぼしている。建設用地として、毎年なお400ムー(1ムーは15分の1ヘクタール)のスピードで耕地が占用されており、占有の多くは良好な土地であるので、食糧増加のための作付面積の余地はますます小さくなっている。ここ2年の食糧連続増産と気候が全体として有利であったことは大きな関係があったが、2006年の気候条件は予測し難く、いったん天災に見舞われれば食糧生産は下降してしまうだろう。このほか、連続2年の豊作により、一部の地方で食糧生産の弛緩が見受けられる。これらの問題は、我々の注意に値するものである。

食糧生産の安定・発展の促進のカギは2つである。

A厳格な耕地保護制度を真剣に実施し、基本的な農田を適切に保護し、食糧作付面積を安定させ、農田水利建設を強化し、科学技術進歩の推進に力を入れ、不断に食糧総合生産能力を高める。

B食糧生産援助の各種政策措置を真剣に実施し、合理的な食糧価格水準を保持し、作付農民の利益を保護し、農民の作付けへの積極性を動員する。

 

5.2006年1月4日国務院常務会議

 義務教育法の改正案が討論・通過し、義務教育資源を合理的に配置し、経費投入を農村学校と都市の脆弱な学校に傾斜すること、高校卒業生が農村の教師に就任することを誘導・奨励すること等が決定された(2006年1月4日新華社北京電)。

 

6.2006年1月18日国務院常務会議

 「農民工問題解決に関する国務院の若干の意見」が審議・通過した(2006年1月19日新華社北京電)。

 会議では、農民工(農村からの出稼ぎ労働者)は、中国の改革解放・工業化・都市化のプロセスにおいて、沸き起こった新しいタイプの労働大軍であると強調された。彼らは、都市の繁栄・農村の発展・国家の現代化建設に重大な貢献を果たしている。農民工問題を解決するには、a公平に対処することを堅持し、同一に看做し、b統一的に企画し、合理的に誘導し、cその土地の事情に適した措置をとり、分類して指導し、d現在に立脚し、長期に着眼しなければならない。

 当面以下の方面の工作に力を入れなければならない。

A農民工の賃金が低すぎることと未払い問題をしっかり解決しなければならない。

 雇用単位は、賃金支払い行為を厳格に規範化し、農民工の賃金が遅滞なく全額支払われることを確保する。最低賃金制度を厳格に執行する。

B法に基づき、農民工の労働管理を規範化しなければならない。

 労働契約制度を厳格に執行する。農民工の職業の安全と衛生の権益を法に基づき保障する。女性・未成年労働者の権益を適切に保護する。

C農民工の就業サービスと職業技能訓練をしっかり行わなければならない。

 農民工が都市で就業する際の一連の差別的規定や不合理な制限を更に整理し、取り消す。

D農民工の社会保障問題を積極かつ穏当に解決しなければならない。

 法に基づき、農民工を労災保険の対象とし、重病の際の医療保障問題をしっかり解決し、農民工の特徴に適合した年金保険を模索する。

E農民工のために関係した公共サービスを適切に提供しなければならない。

 属地管理の原則に従い、農民工への公共サービス体系のカバーを徐々に健全化する。農民工の子女が平等に義務教育を受けることを保障する。多様なルートで、農民工の居住条件を改善する。

F農民工の権益保護の保障メカニズムを健全化しなければならない。

 農民工が法に基づき民主的な政治権利を享受することを保障し、農民工の土地請負の権利を保護する。

G農民工の近郊地区への移転を促進しなければならない。

 郷鎮企業と県域経済の発展に力を入れ、小都市・町の産業集積・人口吸収能力を高め、地元での移転就業の容量を高める。

 

7.胡錦涛総書記重要講話(2006年1月25日)

 社会主義の新農村建設に関する党中央政治局集団学習会が開催され、胡錦涛総書記が重要講話を行った。そのポイントは以下のとおりである(2006年1月26日新華社北京電)。

(1)わが国は13億の人口を有し、農村人口が大多数を占める。農業と農村の発展がうまくいかなければ、農民生活は顕著な改善に達することができず、我々の小康社会の全面的建設という目標は実現不可能となり、全国的な現代化は実現不可能となり、全国人民の共同富裕は実現不可能となり、国家の長期統治安定は実現不可能となる。改革開放以来、とりわけ近年来、我々は「三農」問題をうまく解決することが全党工作の重点中の重点と強調し、一連の農村支援・優遇の重大方針・政策、有効な措置を採用し、農業・農村の発展は良好な態勢が出現し、農民の生活は不断の改善をみた。しかし、冷静に見てとらなければならないことは、小康社会の全面的建設の要請に比べ、わが国の農業・農村の発展はなお際立った矛盾・問題に直面していることである。小康社会を全面的に建設する際の、最も困難で最も重い任務は農村にある。現代化の推進を加速するには、工業・農業・都市・農村の関係を妥当に処理しなければならない。第11次5ヵ年計画期間は、わが国の改革・発展のカギとなる時期であり、わが国の農業・農村の発展の重要なチャンスの時期である。我々は更に大きな決意をもって、更に多くの投入を行い、更に努力を払って、農業の現代化建設の重大な歩みを推進しなければならない。工業・農業・都市・農村の新たな関係の構築について際立った進展を獲得し、社会主義の新農村建設のために確固たる基礎を打ち固めなければならない。

(2)社会主義の新農村建設には次の5点を実施しなければならない。

A実際に深く入り込んで調査・検討を行わなければならない。

基層幹部・農民大衆の意見・建議を広範に聴取し、農業・農村発展の規律・特色を深く把握し、社会主義の新農村建設のための各種施策を現実と適切に符合させ、農民の願望に符合させなければならない。

Bその土地の事情に適した措置をとり、しっかりと計画を立てなければならない。

現在に立脚しつつ長期に着眼し、現実と現状の条件から出発し、自然規律・経済規律・社会発展規律を十分に尊重し、発展目標と実施の段取りを科学的に確定し、社会主義の新農村建設を計画的に、段取りよく、重点的に一歩一歩推進するよう指導する。

C重点的に把握し、積極的に推進しなければならない。

 広範な農民大衆の根本的利益を社会主義の新農村建設の出発点・足掛かりとすることを堅持する。農民生活中の最も緊迫した現実問題から着手し、軽重・緩急を区別し、重点を際立たせて建設する。農民大衆のために、良い事・実際に合った事を多く行う。功を焦らず、一律に行わず、強迫的に命令せず、ましてや形式主義に走ってはならない。

Dメカニズムを整備し、力を合わせなければならない。

 党委員会が指導し、政府が責任を負い、部門が共に管理し、全社会が積極的に施策プロセスに参加する。民主的に政策決定を行い、民主的に管理し、広範な農民大衆の積極性・主体性を十分に動員する。

E経験を総括し、分類して指導しなければならない。

 テストを重視し、タイミングよく実践を総括し、典型的な経験を発見し、指導面で実施することにより、不断に社会主義新農村建設の新局面を開拓する。

 

7.各部の動き

(1)労働・社会保障部

 責任者によれば、国家は現在農民工の年金保険政策の整備を検討しており、農民工の特色に基づき具体的な方法を制定するとしている(2005年12月19日付け経済参考報)。

 この責任者は、都市に入った大量の農民工が年金保険体系の適用外となっている理由として、以下の点を挙げている。

A農民工の就業は不安定で、流動性が大きい。

B現行の年金保険の関連政策・管理手段・施策の方式は、農民工の特色と適応していない。

C農民工の収入はかなり低く不安定であり、保険料徴収が困難である。

D一部の企業はコストを引き下げるために保険加入手続きをとらず、個別の農民工は長期的な思慮に欠け、保険に加入したがらない。

(2)教育部

 教育部人事司の呂玉剛副司長は、「第一財経日報」のインタビューで、「2004年までの教師に対する給与未払いが累計で100億元余りとなっており、農村小学校教師の給与にいくら必要か」との問いに対し、次のように回答している(2005年12月19日付け第一財経日報)。

 おおまかな推計によると、中国農村小学校の教師は380万人であり、もし中央政府が毎月500元の収入を保証すると232億元が必要になる。全国農村にはさらに中学校教師が223万人おり、毎月800元の収入を保証すると総費用は214億元である。両者を加えると446億元であり、2002年の全国財政総収入の2.3%を占める。

 現在、確かに多くの農村教師の給与水準はかなり低く、給与の未払い現象が時として発生している。一部の補助では未だ解決せず、都市・農村の実質収入の格差は大きい。ある郷鎮は財政力が困難であり、資格のある教師が補充できない。我々はこのような状況下、教師の給与を保障するメカニズムを更に整備することとし、あるべき定員と給与標準に基づいた全額を予算に計上することにした。

(3)財政部

 責任者は、中央財政による「三農」支援は以下の6方面に体現されるとしている(2006年2月4日新華社北京電)。

A農業税を全面的に取り消す。

B農村総合改革テストを積極的に推進する。

 中央財政は移転支出を増加し、農村基層政権の建設を強化し、基層政権の行政能力を引き上げる。

C「3つの補助」政策を整備・強化する。

 13の食糧を主として生産する省(区)の食糧直接補助資金を更に10億元追加する。農機具購入の補助範囲を拡大する。農民の作付け収益に対する総合補助制度の確立を積極的に検討・模索する。

D農業総合生産能力建設を積極的に支援する。

 中央財政は、農業・農村インフラ建設に用いる投入を更に増加する。

E新型農業合作医療制度改革のテストの拡大を推進する。

 財政部門は合作医療の補助資金を真剣に実施し、合作医療の資金調達メカニズムを整備する。

F農村社会事業の発展を全面的に促進する。

 引き続き、農村公共衛生・義務教育・科学技術発展・環境施設・文化施設の建設プロジェクトへの支援を強化する。

(つづく)

(2006年3月記・9,432字)

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