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投資再過熱の兆候

中国ビジネスレポート 政治・政策
田中 修

田中 修

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2006年7月3日

<政治・政策>

 

投資再過熱の兆候

田中修

 

はじめに

 足元の中国経済の状況は、第1四半期10.3%成長となっている。だが、この高い成長は正常であろうか。本稿では、現在の中国経済について懸念すべき点を指摘したうえで、当局がこれにどう対応しているかを解説する。

 

1.中国経済の現状

 

(1)固定資産投資が反動増となっている

 第1四半期の全社会固定資産投資27.7%増となり、都市部では29.8%増、15月はさらに30.3%に加速した。特に第1四半期の新規着工は42%増となっており、これは本年が第115ヵ年計画の初年度であることと関連があろう。

 これを省別でみると、35%以上の増が16省に及び、業種別にみると30業種中40%以上増のものが16業種にも及ぶ。投資の過熱は多くの地域・業種に広がっているのである。

 しかも今回の投資過熱は、地方主導のものであることが明白となっている。地方の投資は全投資の約90%を占めており、15月は31.3%増であった。国土資源部も「都市の重大な土地違法問題には全て地方政府が関係している」と指摘している(新華社北京電200666日)。

 

(2)住宅価格の上昇

2005年には、北京の不動産価格が20%近く上昇した。2006年に入ると、4月には70の大中都市のうち11都市で新規建設分の住宅価格が7%上昇し、うち3都市は10%超であった。国家発展・改革委と国家統計局の調査によれば、5月に大幅な価格の上昇がみられた都市は、大連15.2%、深圳13.7%、フフホト11.4%、福州10.3%、北京9%であった(新華社北京電2006614日)。

また、北京市統計局の発表では、5月の普通住宅価格は10.3%の上昇を示しており、価格の上昇が高級住宅から普通住宅にまで及んでいる(北京青年報2006621日)。国家統計局の調査によれば、15月の北京の住宅建設投資は33%増であった(北京日報2006613日)。

このように住宅価格の上昇が上海から全国に波及していくなかで、特に違和感をおぼえるのはフフホトの住宅価格上昇であるが、これについては2006613日新華社フフホト電が、詳しくその内情を伝えている。それによれば、2004年、フフホト市政府は住宅価格が低いことを心配し、何とか価格を吊り上げるべく土地収用囲い込みセンターを政府直属機関として設置した。そして北京から地上げの専門会社を顧問に招き、本格的に地上げを開始したのである。その結果、2005年には土地価格は2004年末の1ムー(15分の1ha)30万元前後から50万元以上、最高では300万元にまで上昇した。また、商品住宅の販売価格は、2004年の1

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