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ログイン2026年3月23日
無固定期限労働契約は、重要な雇用形態の一つであり、現代の企業経営において多方面にわたるコンプライアンス上の問題に関係します。使用者は、この種の契約の締結及び履行にあたり、『労働契約法』の関連規定を厳格に遵守しなければならず、違反した場合は法的責任を問われ、経済的賠償責任を負う可能性があります。使用者は、雇用方針の合法性と合理性を確保することで、労働者の権利を保障するとともに、自らの合法的な権益を守るべきです。
以下に、Q&A形式により、無固定期間労働契約に関連するコンプライアンス上の問題について解説いたします。
質問1:無固定期間労働契約の概念はどのようなものですか。
回答:無固定期間労働契約とは、使用者と労働者が終了時期を定めないことを約定した労働契約のことです。
質問2:無固定期間労働契約の締結条件は何ですか。
回答:最も一般的な条件は、以下の1及び2.1、2.3に該当する場合です。具体的な条件は以下のとおりです。
1、使用者と労働者が合意に達した場合、無固定期間労働契約を締結することができます。
2、以下のいずれかの状況に該当する場合、使用者は労働者と無固定期間労働契約を締結しなければいけません。
2.1 労働者が当該使用者の下で連続して10年以上勤務している場合。
2.2 使用者が初めて労働契約制度を実施する場合、又は国有企業の制度改変に伴い労働契約を再締結する場合において、労働者が当該使用者の下で連続して満10年勤務し、かつ法定定年退職年齢までの期間が10年未満である場合。
2.3 固定期間労働契約を連続して2回締結しており、かつ労働者に『労働契約法』第39条及び第40条第1項、第2項に規定される事由がなく、労働契約を更新する場合。
備考:『労働契約法』第39条は、使用者が法に基づき従業員を解雇する権利を有する事由を規定しています。第40条第1項及び第2項は、「労働者が疾病又は業務外の負傷により、所定の医療期間が満了した後も原職に復帰できず、使用者が別途手配した職務にも適応できない場合」及び「労働者が職務に適任ではなく、研修又は配置転換を経てもなお適任でない場合」を指します。
質問3:上記の「使用者は労働者と無固定期間労働契約を締結しなければならない」状況がある場合、使用者は必ず労働者と無固定期間労働契約を締結しなければいけませんか。
回答:労働者自身が固定期間労働契約の締結を申し出た場合、使用者は当該労働者と無固定期間労働契約を締結する必要はありません。
これに対し、「使用者は労働者と無固定期間労働契約を締結しなければならない」法定の状況が存在する場合、使用者は労働者と無固定期間労働契約を締結しなければいけません。
したがって、使用者が従業員と無固定期間労働契約を締結することを望まない場合は、従業員と積極的にコミュニケーションを取り、合意の下で固定期間労働契約を締結するよう働きかけることが考えられます。
質問4:従業員の勤続年数に中断があり、「当該使用者の下で連続して10年以上勤務している場合」「固定期間労働契約を連続して2回締結した場合」の条件を満たさない場合、使用者には従業員と固定期間労働契約を締結する権利がありますか。
回答:あります。ただし、法的観点から見ると、使用者が労働者の「勤続年数をゼロにする(リセットする)」ことにより、悪意をもって無固定期間契約の締結義務を回避しようとする行為は、法的に支持されにくいです。具体的には、以下の規定に注意する必要があります。
1、『最高人民法院による労働紛争事件の審理における法律適用に関する解釈(二)』第10条
次のいずれかに該当する場合、人民法院は、労働契約法第14条第2項第3号に定める「固定期間労働契約を連続して2回締結した場合」に該当すると認定すべきであると規定しています。
(1)使用者と労働者が協議により労働契約の期間を延長し、その延長期間が累計1年以上に達した後、当該延長期間が満了した場合。
(2)使用者と労働者が、労働契約期間満了後に自動更新することを約定し、その更新期間が満了した場合。
(3)労働者の本人に起因しない理由により、引き続き同一の就業場所及び職務に従事しているにもかかわらず、使用者が労働契約の締結主体を変更し、引き続き労働管理を行い、契約期間が満了した場合。
(4)信義誠実の原則に反するその他の回避行為により再度労働契約を締結し、その契約期間が満了した場合。
2、深セン地区の使用者が特に留意すべき規定として、『深セン経済特区調和労働関係促進条例』第24条があります。同条は、「使用者が労働者と労働契約を解除又は終了させた後、6か月以内に再度労働契約を締結する場合、労働者が『中華人民共和国労働契約法』第39条に規定する事由により使用者から解雇された場合を除き、当該労働者の当該事業主における勤続年数は連続して計算するものとする」と定めています。使用者は当該規定に基づき、従業員が無固定期間労働契約締結の条件を満たすか否かを法に従って判断する必要があります。
質問5:上記の「使用者は労働者と無固定期間労働契約を締結しなければならない」という状況において、使用者がその締結を拒否した場合、どのような法的結果が生じますか。
回答:
1、労働契約を締結しないまま雇用を継続した場合、『労働契約法』第82条「使用者が本法の規定に違反し、労働者と無固定期間労働契約を締結しなかった場合、無固定期間労働契約を締結すべき日から、労働者に対して毎月2倍の賃金を支払わなければならない」との規定に基づき、労働者に対して2倍の賃金の差額を支払わなければいけません。ただし、その支払い期間は1回につき最長11か月分とされています。
上記のような労働契約未締結の雇用状態が1年以上継続した場合、『労働契約法』第14条の規定「使用者が雇用開始の日から1年を経過しても労働者と書面による労働契約を締結しない場合、使用者と労働者が既に無固定期間労働契約を締結したものとみなす」という規定に基づき、使用者と労働者が無固定期間労働契約を締結したものとみなされます。
注意が必要な点として、この場合、使用者は書面による労働契約締結という法的義務だけでなく、上記の最長11か月分の2倍賃金差額の支払い責任も併せて負うことになります。
2、使用者が従業員と無固定期間労働契約を締結することを望まず、労働関係の終了を求める場合、司法実務においては、既に無固定期間労働契約を締結すべき条件が具備されている状況においては、労働者が無固定期間契約を更新する権利が保護されるべきであると判断される傾向にあります。
使用者が契約更新に同意しない場合は、『労働契約法』第48条の規定に基づき法的責任、すなわち、「使用者が本法の規定に違反して労働契約を解除又は終了した場合において、労働者が労働契約の継続履行を求めたときは、使用者はこれを継続して履行しなければならない。労働者が継続履行を求めない場合、又は労働契約を継続して履行することが不可能となった場合、使用者は本法第87条の規定に基づき賠償金(すなわち2N)を支払わなければならない」という責任を負うことになります。
上記の高額な賠償責任を回避するため、使用者は『労働契約法』第36条の「使用者と労働者が協議により合意に至った場合は、労働契約を解除することができる」という規定に基づき、合意の下で労働関係を解除するにより、使用者の賠償コストを低減することが推奨されます。
質問6:無固定期間労働契約を更新する際、使用者は条件を引き下げた上で従業員と無固定期間労働契約を締結することはできますか。
回答:『労働紛争事件の審理における法律適用問題に関する最高人民法院の解釈(二)』第11条は、「無固定期間労働契約を締結すべき状況に該当し、労働者が使用者に対し元の条件で無固定期間労働契約を締結するよう請求した場合、人民法院は法に基づきこれを支持する」と規定しています。したがって、使用者は、従業員と労働条件の調整について合意に至らない限り、少なくとも従業員と元の条件で無固定期間労働契約を締結しなければいけません。
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2026年3月23日
2026年3月5日