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ログイン2022年1月5日
2021年12月31日に、財政部・国家税務総局より、「外国籍社員家賃補助等の個人所得税優遇政策の延長に関する公告(財政部・税務総局2021年第43号)」が公布され、外国籍社員に対する優遇が、2年間延長されました(2023年12月31日まで)。
これにより、家賃に対する個人所得税課税は、少なくとも2年間は問題とはならないこととなります。
本件に関する経緯は、2020年9月に出版された、「中国個人所得税の制度と実務(チェイスネクスト出版)」の該当部分を参照下さい。
以下、「中国個人所得税の制度と実務(水野真澄著・監修、税理士法人山田アンドパートナーズ共著)」の実務Q&Aより引用。
Q3.外国人に対する家賃補助免税の注意点と打ち切りの影響を教えて下さい
A.
Q2で解説した通り、外国籍社員に対するフリンジベネフィットに対する免税措置(国税発[1997]054号)は、2021年度までで打ち切られます。
2022年以降は、特別付加控除に統合されますが、特別付加控除で認められる住宅家賃控除額は、以下の通りです。
● 直轄市、省級都市、計画単列都市等は、毎月1,500元。その他の都市の場合、人口100万人以上の都市は毎月1,100元。100万人以下の都市は毎月800元。
現在の中国では、通常、この様な家賃で住居を借りる事はできませんので、基本的には、特別付加控除は、家賃の一部をカバーするにすぎません。一方、国税発[1997]054号の優遇は、家賃金額に拘わらず免税が認められますので、この打ち切りは、税額の増加につながります。
筆者の私見に過ぎませんが、経過措置の失効(2022年より)に伴い、何らかの税務通達が公布される可能性が高いと思われ、詳細は、それを待つ必要があります。ただ、現在の実務を踏まえ、家賃免税措置の打ち切りに関する影響を下記します。
現在、家賃補助免税を受ける際の手続は、税務所管によって異なりますが(区単位で異なる)、総じて、以下の通りです。
1.個人所得税の免税措置を受ける場合
国税発[1997]054号の適用の適用を受ける場合、原則として、不動産賃借契約は、居住する個人の名義で結び、発票も、その個人宛に発行します。
その場合、家賃の補填(会社から個人宛に支給)は、給与所得として処理する必要が有りますが、所管税務機関に免税申請をすれば、免税所得として認められます。
2.福利費として処理する場合
不動産賃貸契約を、会社(雇用者)が結ぶ場合、会社が支払う家賃は、福利費となります。
その場合、個人所得税の課税対象とはなりません。
但し、従業員福利費の損金算入は、賃金給与総額の14%以内で認められますので(企業所得税法・第40条)、家賃を福利費として処理する事で、それを超過した場合は、損金不算入経費となってしまいます。
以上の状況を踏まえ、現時点では、1.の処理が、(企業所得税の損金不算入経費が発生しないという意味で)有利ですが、経過措置が打ち切られた場合、1.の処理をして、家賃額が個人所得税の課税対象となるよりは、2.の方が有利になる事が考えられます。
現在の実務から見た対応は、上記の通りですが、具体的な対応は、経過措置打ち切りに際して、税務総局が何らかの指針を出すか否かを見て判断する必要が有ります。
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