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ログイン2013年11月13日
本稿では、海事賠償責任制限基金の設立許可に関する審査基準が論点となった本件を検討するものとしたい。【3,218字】
前回は、最高人民法院の公布した15件目の指導性案例として、関連会社間の法人格混同にかかる法的責任が問題となった事例について論じたが、今回は、16件目の指導性案例であり、海事賠償責任制限基金の設立許可に関する審査基準が論点となった本件を検討するものとしたい。
1.背景
海事賠償責任の制限とは、海事事故が発生した場合において、その損害の賠償責任が一定の範囲内に制限されるという伝統的な海事法上の制度をいい、海運業者の利益を保護して海運業の発展を維持することを目的とするものである。国際的には、かかる海事賠償責任制限について「海上航行船舶の所有者等の責任の制限に関する国際条約」、「1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約」(以下、「1976年条約」という)によって規定されている。中国は、この1976年条約を批准していないものの、国内法である「中華人民共和国海商法」(以下、「海商法」という)、「中華人民共和国海事訴訟特別手続法」(以下、「海訴法」という)によって海事賠償責任制限を規定している。海商法においては、1976年条約を参考に、海事賠償責任制限の主体、制限対象となる債権の性質、責任制限の喪失条件、責任制限の限度額、海事賠償責任制限基金[1]の設立などの内容が定められており、海訴法においては、海事賠償責任制限基金の設立手続等が定められている。
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