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インフレ・経済過熱防止の諸施策(1)

中国ビジネスレポート マクロ経済
田中 修

田中 修

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2008年1月6日

記事概要

10月・11月の消費者物価急上昇を受け、12月に開催された中央経済工作会議は、従来の「経済過熱防止」に「インフレ防止」を追加した。また、金融政策の役割を重視する姿勢を打ち出し、これを受け人民銀行は預金準備率を一気に引き上げた。このため、本稿もこれまでの表題を改めることとする。

はじめに

 10月・11月の消費者物価急上昇を受け、12月に開催された中央経済工作会議は、従来の「経済過熱防止」に「インフレ防止」を追加した。また、金融政策の役割を重視する姿勢を打ち出し、これを受け人民銀行は預金準備率を一気に引き上げた。このため、本稿もこれまでの表題を改めることとする。

 

1.11月の経済情勢

 

(1)物価

 11月の消費者物価は6.9%上昇し、1-11月の消費者物価は4.6%の上昇となった。

 うち都市は6.6%、農村は7.6%の上昇であり、食品価格は18.2%の上昇である。食品価格のなかでは、穀物6.6%、油脂35.0%、肉類及びその製品38.8%、豚肉56.0%、卵10.0%、水産品6.8%、生鮮野菜28.6%、果物12.9%の上昇となっている。

 このこともあり、中央党校「中国社会情勢分析・予測課題グループ」が、最近同校で学んでいる地方の指導幹部にアンケート調査を行ったところ、2007年の最も深刻な問題は、従来の「所得格差」「腐敗」を超えて、「物価」が1位となったのである(第一財経日報2007年12月14日)

(2)投資

 1-11月の都市固定資産投資は、前年同期比26.8%増となり、不動産開発投資は31.8%増となった。新規プロジェクト着工は、1-11月が21万1127件で前年同期比2万4124件増であり、計画総投資額は7兆3584億元、同28.0%増となっている。

(3)金融

 11月末のM2は前年同期比18.45%の伸びであり、金融機関の貸出残高は17.03%の伸びである。いずれも10月末より伸びがやや弱まっており、金融政策の効果が徐々に現れてきているのではないかと観測されている。

 

2.金融政策

 

 2.1 政策

(1)預金準備率の引上げ

 12月8日、人民銀行は12月25日から預金準備率を1ポイント引き上げ、14.5%とすることを発表した。これで2007年に入り10回目の引上げであるが、従来の引上げ幅が0.5ポイントであったのに対し、今回は一気に1ポイント引き上げており、これにより4000億元前後の資金が凍結されると見られている(証券時報2007年12月10日)。

 このように引上げを強化したのは、12月に中央経済工作会議において金融政策が「穏健」から「引締め気味」に転換され、かつ金融政策の役割をより発揮するよう求められたことが背景にあろう。また、12月に満期の到来する中央銀行手形が4000億元近くに達するといわれ、11月の貿易黒字が1900億元程度のマネーサプライの増加を招くのではないかとされていたこと(第一財経日報2007年12月10日)も、理由の1つではないかと思われる[1]

(2)窓口指導の強化

 第4四半期以降、人民銀行は商業銀行への窓口指導を強化し、年末までの貸出し規模を10月末時点以上に増やさないよう要求しており、これにより貸出しの伸びに急ブレーキがかかっている[2]

(3)特別預金の開設

 人民銀行は、10月23日に特別預金を開設し、都市商業銀行と農村信用社から余剰資金を吸収したが、12月27日にも再び特別預金を開設し、公開市場1級取引商以外の一部の農村信用社と都市商業銀行から余剰資金を吸収することとしている(上海証券報2007年12月18日)

 

 2.2 人民銀行関係者の発言

(1)周小川行長(2007年12月11日)

 「財経」雑誌のインタビューに次のように回答している(中国経済網2007年12月11日)

①「引締め気味」の金融政策の意味

 穏健な金融政策は比較的中立的なものであるが、その中に「穏」の字がある。「穏健な金融政策」を英訳するとき、いくつもの異なった訳し方があることに、私はずっと注意してきた。「適度に引締め気味」は当然「穏健」よりはやや引き締まっているが、「引締め気味の金融政策」は「適度に引締め気味」よりはやや「穏」である。文字からすれば、このように理解すべきだ。

「適度に引締め気味」から「引締め気味」へは操作上の転換はそれほどあり得ない。実際のところ、金融政策の操作は徐々に変化するものである。

中国はなお財政政策・金融政策による調整を強化しなければならない。同時に、我々は各政策について、分析が正確であるか、対策が正確であるか、執行がきちんとなされているかについて詳細に観察しなければならない。

②為替レートについて

 為替レートメカニズムの改革を不断に深化させ、人民元レートの弾力性を拡大することは、2008年もなお有用であり、正しい。

③ビル市場・株式市場について

 我々は資産価格の変化を重視しているが、金融政策と資産価格の変化の間に非常に直接的な関係・作用があるとは考えていない。

 我々は金融政策が資産価格に対し、一定の作用を及ぼしうると希望している。しかし、統計数字を振り返ると、このような仮説は統計的に検証できない。

 もし、我々が利上げを行えば、株式市場は多少下降する可能性がある。預金準備率を引き上げても株式市場は多少下降するはずだ。しかし、我々が目にする現実はいつもこのようにはなっていない。したがって、現在引締め気味の金融政策による調整と資産価格の間に有効で一目瞭然の関係を容易に見出すことはできない。その中間に多くの複雑な要因が作用を及ぼしている可能性がある。

(2)周小川行長(2007年12月12日)

 第3回中米戦略対話の際、「消費者物価のデータから言えば、依然一部の食品価格の上昇が変動の絶大な比重を占めている。マネーサプライの調整あるいは貨幣価格の調整を通じて、このような消費者物価の状況に対応できるか否かは現在検討中であり、議論が予想される」とし、利上げについては国内で異論があることを認めている(広州日報2007年12月13日)。

(3)劉士余副行長

 中国証券法2007年12月18日によれば、最近「商業性不動産融資管理会議」の席上で次のように語ったとされる。

 「市場のシェアをより多く勝ち取るため、一部の商業銀行の末端支店は融通をきかせ、形だけ整え、あるいは違法な手段で貸出基準を引き下げ、審査段階を減らし、真実を確かめる審査をおろそかにし、銀行の資産の安全に深刻な影響を及ぼしている。

 担保の貸出に対する比率は、不動産の評価により価値が浮動するため、経済が上昇し住宅価格が上昇している環境下では、極めて安易に住宅ローンの規模が拡大してしまう。しかも融資された資金は大部分が多くの住宅の購入や株式市場に流れるため、銀行の潜在リスクを増大させ、不動産・株式市場のバブル要素を激化させることになる。関係部門の調査分析によれば、2007年8月末までの16の都市の主要金融機関の個人住宅担保ローンの残高は約410億元であり、前年同期の3.5倍になっている。

 各商業銀行の本店は、中央銀行の規定に基づく、できるだけ早く全行の不動産融資の管理細則を整備・統一し、全行の系列に管理細則に基づき不動産融資を行うよう要求しなければならない。

 また、不動産金融商品の革新を引き続き推進し、不動産融資の資源配分の効率を高め、不動産の金融リスクを識別し分散しなければならない。現在、商業用不動産融資の証券化テストも積極的に模索しているところである」

 

3.特別国債の発行

 

 6月27日、外貨準備を運用する投資会社の資本金に充当するため、全人代常務委員会から1兆5500億元の特別国債発行を授権された財政部は、8月29日に農業銀行に対し6000億元の特別国債を発行し、人民銀行は即日公開市場操作によりこれを買い取った。

 その後財政部は市場向けに段階的に特別国債を発行し、その額は第2回(9月17日)319.7億元、第3回(9月21日)350.9億元、第4回(9月28日)363.2億元、第5回(11月2日)349.7億元、第6回(11月16日)355.6億元と計1739.1億元に及んだ(上海証券報2007年12月5日)。

 12月11日、財政部は再び農業銀行に第7回特別国債を7500億元発行し、人民銀行は第1回と同様に公開市場操作によりこれを買い取った。これにより、総発行量は1兆5239.1億元に達し、残る260.9億元の特別国債は12月14日、市場向けに発行された。これにより、外貨投資会社の資本金調達は年内に完了したわけである。

 同時に、第1回と第7回の発行分を事実上人民銀行が引き受けたことにより、人民銀行の手持ち国債は1兆3500億元となった。これは公開市場操作に用いることが可能となる。

 

4.プロジェクト新規着工の制限

 

 11月17日、国務院弁公庁は、各省・自治区・直轄市人民政府、国務院各部・委、各直属機関に「プロジェクト新規着工の管理を強化・規範化する通知」を出した。その概要は以下のとおりである(新華社北京電2007年11月21日)。

(1)投資プロジェクトの新規着工条件を厳格に規範化する

 各種投資プロジェクトの着工には以下の条件に適合していなければならない、とされる。

①国家の産業政策、発展建設計画、土地供給政策、市場参入許可基準に符合していること

②すでに許認可ないし届出の手続を終了していること

③計画区域内のプロジェクトの選定地及び配置が都市・農村計画に符合し、かつ都市・農村計画法の関連規定に基づき、関連計画の許可手続が処理されていること

④土地使用申請を要するプロジェクトは、法に基づき土地使用許可手続を終え、かつ国有地有償使用契約が締結され、ないし国有地割当決定書を取得していること

⑤プロジェクト建設の環境影響評価分類管理・レベル別許可の規定に基づき、環境影響評価の許可がすでにおりていること

⑥規定に基づき、固定資産投資プロジェクトの省エネ評価・審査がすでに終了しているこ

 と

⑦建築プロジェクトの着工前、建設事業者が建築法の関連規定に基づき、すでに施工許可証を取得し、ないし着工報告を行っており、かつプロジェクト建設の質・安全を保証する具体的措置が採用されていること

⑧国家の法規のその他関連要請に符合していること

(2)プロジェクト新規着工管理の連動メカニズムを確立する

 各レベルの発展改革、都市・農村計画、国土資源、環境保護、建設、統計等の部門は意思疎通を強化し、密接に協力してプロジェクトの手順・責任を明確化し、プロジェクトの新規着工管理の連動メカニズムを確立しなければならない。

(3)プロジェクト新規着工の統計・情報管理を強化する

 各レベルの発展改革、都市・農村計画、国土資源、環境保護、建設等部門は、自部門の情報系統を速やかに整備し、情報相互交換制度を確立し、それぞれが行うプロジェクト許認可・届出と都市・農村計画、土地利用、環境影響評価等の文書を相互に発送し、同時に概要を統計部門に発送しなければならない。

(4)プロジェクト新規着工の監督・検査を強化する

 各レベルの発展改革、都市・農村計画、国土資源、環境保護、建設、統計等部門は、責任を適切に負担し、管理を厳格化し、新規着工プロジェクトの工事中・事後の監督・検査を強化しなければならない。

(5)サービス意識と施策の効率を向上させる

 各レベルの発展改革、都市・農村計画、国土資源、環境保護、建設等部門は、国家の法規・政策規定の執行を厳格化し、施策の効率向上に努め、サービス意識を不断に増強しなければならない。

 

5.省エネ・環境保護の強化

 

5.1 3つの方案・3つの弁法

 11月17日、国務院は、国家発展・改革委員会、国家統計局、環境保護総局が個別ないし共同で制定した「GDP単位当たりエネルギー消費統計指標体系実施方案」「GDP単位当たりエネルギー消費モニター体系実施方案」「GDP単位当たりエネルギー消費考課体系実施方案」(3つの方案)、「主要汚染物質排出総量削減統計弁法」「主要汚染物質排出総量削減モニター弁法」「主要汚染物質排出総量削減考課弁法」に同意し、各省・自治区・直轄市人民政府、国務院各部・委、各直属機関に通知した(新華社北京電2007年11月23日)。

 同通知は、次の3点を要求している。

(1)省エネ・汚染物質排出削減の統計・モニター・考課体系を確立する重要性と緊迫性を十分認識しなければならない

 2010年までにGDP単位当たり20%前後の省エネと主要汚染物質排出総量を10%削減することは、国家が第11次5ヵ年計画要綱で提起した重要な拘束性指標である。科学的・完全で統一された省エネ・汚染物質排出削減の統計・モニター・考課体系(3つの体系)を確立し、省エネ・汚染物質排出削減の達成状況を各地経済社会の発展の総合評価体系に組み入れ、政府指導幹部の総合的な考課・評価と企業の責任者の業績考課の重要な内容とし、厳格な問責制を実行することは、政府・企業の責任を強化し、第11次5ヵ年計画の省エネ・汚染物質排出削減目標の実現を確保する重要な基礎であり制度的な保障である。

 各地域、各部門は科学的発展観を深く貫徹実施し、経済発展の方式を速やかに転換し、国民経済の良好で速い発展を促進するという高度な見地から、「3つの体系」を確立することの重要性・緊迫性を十分認識し、「3つの方案」「3つの弁法」の要請に基づき、「3つの体系」の建設を全面的にしっかりと推進しなければならない。

(2)省エネ・汚染物質排出削減の統計・モニター・考課の各種活動を適切にしっかりと行わなければならない

 国家の省エネ・汚染物質排出削減統計制度を徐々に確立・整備し、規定に基づき各種エネルギー・汚染物質指標の統計作業をしっかり行い、タイムリーにデータを報告しなければならない。省エネ・汚染物質排出削減の質をコントロールし、統計の法執行への検査・巡視を強化し、各種データの真実性・正確性を確保しなければならない。

 省エネ・汚染物質排出削減活動における虚偽行為を厳格に調査処分し、統計データを勝手に改ざんすることを厳禁し、虚偽報告を根絶して、考課の客観性・公正性・厳粛性を確保しなければならない。省エネ・汚染物質排出削減活動の紀律を厳格化し、考課の対象となった省エネ・汚染物質排出削減指標については、統計局・環境保護総局の審査が確定しないうちに自ら公布・使用してはならない。

各地・重点企業の省エネ・主要汚染物質排出削減目標の達成状況、「3つの体系」の建設状況、省エネ・汚染物質排出削減の措置の実施状況について考課を実施し、問責制を厳格に執行しなければならない。

(3)指導を強化し、密接に協力して作業を行い、省エネ・汚染物質排出削減活動に全社会が共同で力を合わせ参加するようにしなければならない

 各地域、各関係部門は、「3つの体系」の建設を重要議事日程にのせ、ノルマを明確にし、責任をとり、周到に手配し、科学的に組織することにより、「3つの体系」を早急に確立し、その役割を発揮させなければならない。

地方の各レベルの人民政府は、当該地域の「3つの体系」建設に全責任を負い、インフラ建設を強化し、資金・所要人員・各種措置の実施を保証し、当該地域の省エネ・汚染物質排出削減目標の責任について評価・考課・監督・審査を強化しなければならない。

国務院の関係部門は、機能的分業に基づき職責を真剣に履行し、密接に協同して作業・手配を行い、具体的政策を早急に制定しなければならない。国家発展・改革委員会、国家統計局、環境保護総局は指導・監督を強化し、動向をフォローアップ・把握し、活動において現れた問題を協調して解決しなければならない。関係協会・企業の積極性を十分に動員し、責任・義務を明確化し、監督・検査を強化しなければならない。広範に宣伝・動員を行い、世論の監督作用を十分に発揮させ、全社会が省エネ・汚染物質排出削減を重視し、支持し、参加し、監督する良好な雰囲気の醸成に努めなければならない。

 

5.2 省エネに関する考課と賞罰

 国家発展・改革委員会の解振華副主任は、「GDP単位当たりエネルギー消費考課体系実施方案」の考課・懲罰の内容につき、次のように解説している(人民日報2007年11月26日)。

(1)考課

 考課の対象は、各省(区・市)人民政府と1000社の重点エネルギー消費企業である。考課の操作可能性を確保するため、GDP単位当たりのエネルギー消費には量化の方法を採用する。考課方案は、省エネ目標の達成指標と省エネ措置の実施指標の2種類を設置し、満点を100点としている。そのうち、省エネ目標の達成指標は40点であり、省エネ措置の実施指標は60点である。省エネ目標達成指標は否決性の指標であり、省エネ目標を達成できないと全て未達成レベルとなる。

 2つの考課対象につき、「実施方案」は異なる具体的な考課手順を規定している。省レベル人民政府の省エネの評価・考課は、国家発展・改革委員会と監察部・人事部・国有資産監督管理委員会・国家品質監督検験検疫総局・国家統計局・エネルギー弁公室等の部門により評価・考課工作組が組織され、現場審査や重点抽出審査等の方式により総合評価・考課報告が作成する。評価・考課結果は国務院の審査確定後、国家発展・改革委員会から社会に公告される。1000社の企業の省エネ評価・考課については、所属地の原則に基づき、省レベルの省エネ主管部門の責任を有する組織が実施し、評価・考課結果は国家発展・改革委員会の審査・取りまとめの後、社会に公告される。

(2)賞罰

 各省レベルの人民政府にとって、省エネ評価・考課結果は、幹部主管部門による政府指導グループ・指導幹部の考課・評価の重要な根拠となり、問責制・一票否決制が実行される。一票否決制とは、考課レベルが未達成の省レベル人民政府・指導幹部は年度の表彰・栄誉称号の授与等に参加できず、国家は当該地域のエネルギー多消費プロジェクトの新規建設の許認可を暫時停止するということである。

 1000社の企業の評価・考課結果が未達成レベルとなると、報告・批判を加えた後、年度表彰・栄誉称号の授与に一律に参加できなくなり、国家の検査免除等の優遇措置も受けられなくなり、そのエネルギー多消費プロジェクトの新規建設や工業用地の新規増設の許認可が暫時停止される。

 1000社の企業のうち、国有独資・国家株支配企業の考課・評価結果については、各レベルの国有資産監督管理機関による企業責任者の業績考課の重要な根拠とし、一票否決を実行する。

 考課結果が未達成レベルとされた省レベル政府・1000社企業は、期限付きの改善を要求される。考課レベルが達成・超過達成とされた場合には、表彰・報奨が行われる。

 

 5.3 国家環境保護第11次5ヵ年計画

 11月22日、国務院は「国家環境保護第11次5ヵ年計画」を公表した。計画は大部なものであるが、そのポイントは以下のとおりである(中国政府網2007年11月26日)。

(1)環境の現状

 第10次5ヵ年計画(2000-05)の環境保護指標は、全部実現できたわけではない。二酸化硫黄の排出量は2000年より27.8%増加し、化学的酸素要求量は2.1%減少しただけで、10%削減の抑制目標を達成できなかった。淮河・海河・遼河・太湖・巣湖・滇池(三河三湖)等の重点流域・地域の汚染処理は計画目標の60%前後であった。主要汚染物質の排出量は環境の容量をはるかに超えており、環境汚染は深刻である。

 都市を流れる川の90%は汚染されており、75%の湖沼は富栄養化している。30%の重点都市の飲料水水源地の水質はⅢ類の基準に達していない。海岸に近い海域の環境の質も楽観を許さない。区が設けられている46%の都市の空気の質は2級の基準に達しておらず、一部の大中都市のスモッグは増加し、酸性雨による汚染は軽減されていない。

 全国の水力による侵蝕面積は161万平方キロ、砂漠化した土地は174万平方キロに及び、90%以上の天然草原が退化している。生物の多様性は減少し、農村環境問題は際立っており、土壌汚染は日増しに深刻になっている。危険廃棄物・自動車の排気ガス等の汚染も持続的に増加している。

(2)第11次5ヵ年計画期間(2006-10)の目標

  指標 2005年 2010年 増減状況
化学的酸素要求量排出総量(万㌧) 1414 1270 -10%
二酸化硫黄排出総量(万㌧) 2549 2295 -10%

このほか、水質・都市の大気についても改善目標が定められている。

(3)責任制

 環境目標の責任制を実行し、第11次5ヵ年計画の環境汚染目標・ノルマを各レベルの政府に分解し、各レベルでしっかり実施させる。環境管理の業績考課メカニズムを確立し、環境保護を経済社会発展の評価体系に組み込む。科学的な評価指標を制定し、党・政府幹部の政治業績の総合評価体系に組み込む。環境保護の問責制と賞罰制度を確立し、環境保護の法規に違反した行為を厳格に処分する。

(2007年12月記・8,101字)


 


[1]  預金準備率引上げ発表の直前、11月の最終週に人民銀行は公開市場操作により1000億元の資金を回収し、12月4日には220億元の資金を回収していた(北京商報2007年12月5日)。
[2]  この結果、中国における日系メーカーは融資が受けられず、資金繰りが逼迫している(共同北京2007年12月17日)。

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