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8月及び1-8月期の主要経済指標

中国ビジネスレポート マクロ経済
田中 修

田中 修

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2014年9月26日

(1)物価
①消費者物価
8月の消費者物価は前年同期比2.0%上昇し、上昇率は7月より0.3ポイント減速した[1]。都市は2.0%、農村は1.9%の上昇である。食品価格は3.0%上昇し(7月は3.6%)、非食品価格も1.5%上昇(7月は1.6%)している。衣類は2.6%、居住価格は1.9%上昇した[2]

(参考)12月2.5%→1月2.5%→2月2.0%→3月2.4%→4月1.8%→5月2.5%→6月2.3%→7月2.3%→8月2.0%

前月比では、7月より0.2%上昇(7月は0.1%)した。食品価格は0.7%上昇(7月は-0.1%)であった。うち生鮮野菜は1.8%上昇(7月は2.3%)し、物価への影響が約0.05ポイントであった。果物は2.1%下落し、水産品価格は0.6%下落した。豚肉価格は5.1%上昇し、物価への影響は約0.15ポイントであった。非食品価格は0.1%下落(7月は0.1%)、衣類は0.2%下落(7月は-0.6%)、居住価格は0.1%上昇(7月は0.0%)であった。
1-8月期は同2.2%の上昇である。
食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、前年同期比1.6%上昇(7月は1.7%)、前月比0.0%(7月は0.2%)である[3]。1-8月期では1.7%上昇となる。
なお、国家統計局は、8月の前年同期比上昇率2.0%のうち食品価格の牽引効果は約1.01ポイントとなり、このうち食糧価格の上昇は3.4%、物価への影響は約0.10ポイント、肉類及び肉製品は1.1%上昇、物価への影響は約0.08ポイント(豚肉価格は-3.1%、物価への影響は約-0.10ポイント)である。このほか生鮮野菜価格が6.9%下落、物価への影響が約-0.22ポイント、水産品価格の上昇が3.8%、物価への影響が約0.10ポイント、果物価格の上昇が21.2%、物価への影響が約0.41ポイント、卵価格の上昇が18.7%、物価への影響が約0.16ポイントであったとしている。
また、昨年の物価上昇の残存効果は約1.0ポイント、今年の新たな物価上昇要因は約1.0ポイントである。

②工業生産者価格[4]
8月の工業生産者出荷価格は前年同期比1.2%下落し、7月より下落幅が0.3ポイント加速した[5]。前月比では7月より0.2%下落(7月は-0.1%)した。1-8月期は同-1.6%である。

(参考)12月-1.4%→1月-1.6%→2月-2.0%→3月-2.3%→4月-2.0%→5月-1.4%→6月-1.1%→7月-0.9%→8月-1.2%

8月の工業生産者購入価格は、前年同期比1.4%下落(7月は-1.1%)した。前月比では7月より0.1%下落(7月は0.0%)した。1-8月期は-1.8%である。

③住宅価格
8月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比68都市が低下(7月は64)し、1都市が同水準(7月は4)であった。上昇は1都市であり(7月は2)、最高上昇率はアモイ0.2%(7月の最高はアモイ0.2%)、最下落は杭州-2.1%(7月は杭州-2.5%)となっている。前月比で下降の都市は7月より4増加、上昇は1減少した。
前年同月比では、価格が下落したのは19都市(7月は3)であった。3都市が同水準(7月は2)、上昇は48都市(7月は65)である。最高上昇率は、アモイ6.4%(7月の最高はアモイ7.2%)、最下落は杭州-5.6%(7月は温州-4.9%)となっている。

(2)工業
8月の工業生産は前年同月比実質6.9%増となった。主要製品別では、発電量-2.2%(7月は3.3%)、鋼材2.4%増(7月は3.7%)、セメント3.0%増(7月は3.5%)、自動車3.1%増(うち乗用車0.7%増)となっている。7月の自動車10.5%増(うち乗用車6.8%増)に比べ大幅に減速した。前月比では、0.20%増となった[6]。地域別では、東部6.3%増、中部7.1%増、西部9.4%増であった。

(参考)12月9.7%→1-2月8.6%→3月8.8%→4月8.7%→5月8.8%→6月9.2%→7月9.0%→8月6.9%

1-8月期では前年同期比実質8.5%増となった。主要製品別では、発電量4.4%増、鋼材5.4%増、セメント3.5%増、自動車9.9%(うち乗用車7.4%増)であった。

(3)消費
8月の社会消費品小売総額は2兆1134億元、前年同月比11.9%増(実質10.6%増)である。前月比では、0.92%増である[7]。うち穀物油・食品・飲料・タバコ12.1%増、アパレル・靴・帽子類11.7%増、建築・内装12.5%増、家具13.0%増、自動車5.3%増、家電・音響機器類9.7%増となっている。自動車は7月の8.1%増より減速した。

(参考)12月13.6%→1-2月11.8%→3月12.2%→4月11.9%→5月12.5%→6月12.4%→7月12.2%→8月11.9%

1-8月期の社会消費品小売総額は16兆6108億元、前年同期比12.1%増である。都市は同12.0%増、郷村は同13.1%増であった。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は8兆3024億元、同9.7%増であり、うち穀物油・食品・飲料・タバコ11.3%増、アパレル・靴・帽子類10.4%増、建築・内装14.5%増、家具14.7%増、自動車9.5%増、家電・音響機器類8.7%増となっている。一定額以上のレストランの収入は2.4%増であった。

(4)投資
①都市固定資産投資
1-8月期の都市固定資産投資は30兆5786億元で、前年同期比16.5%増であった。単月は前月比では1.23%増である[8]。中央プロジェクトは1兆4054億元、11.3%増であり、地方プロジェクトは29兆1732億元、16.7%増であった。地域別では、東部15.3%増、中部18.4%増、西部18.1%増となっている。鉄道運輸は20.6%増(1-7月期は19.6%)であった。

(参考)2013年19.6%→1-2月期17.9%→1-3月期17.6%→1-4月期17.3%→1-5月期17.2%→1-6月期17.3%→1-7月期17%→1-8月期16.5%

1-8月期の新規着工総投資計画額は26兆5225億元であり[9]、前年同期比14.9%増(1-7月期は14.6%)である。都市プロジェクト資金の調達額は34兆81億元で、前年同期比12.8%増(1-7月期は12.9%)となった。うち、国家予算資金が12.2%増、国内貸出が12.6%増、自己資金が16.6%増、外資が-10.1%、その他が-2.7%となっている。

②不動産開発投資
1-8月期の不動産開発投資は5兆8975億元で前年同期比13.2%増である。うち住宅は4兆159億元、12.4%増で、不動産開発投資に占める比重は68.1%である。地域別では、東部13.6%増、中部10.6%増、西部14.4%増となっている。

(参考)2013年19.8%→1-2月期19.3%→1-3月期16.8%→1-4月期16.4%→1-5月期14.7%→1-6月期14.1%→1-7月期13.7%→1-8月期13.2%

1-8月期の分譲建物販売面積は6億4987万㎡で、前年同期比-8.3%(1-7月期は-7.6%)であった。うち、分譲住宅販売面積は-10.0%(1-7月期は-9.4%)である。地域別では、東部-15.0%、中部-1.7%、西部-1.1%である。
1-8月期の分譲建物販売額は4兆1661億元、前年同期比-8.9%(1-7月期は-8.2%)であった。うち、分譲住宅販売額は-10.9%である。地域別では、東部-15.5%、中部1.6%増、西部2.7%増である。
1-8月期のディベロッパーの資金源は7兆9062億元であり、前年同期比2.7%増(1-7月期3.2%)であった。うち、国内貸出が1兆4664億元、13.8%増、外資が341億元、-0.9%、自己資金が3兆2618億元、11.6%増、その他資金3兆1440億元、-8.9%(うち、手付金・前受金1兆8905億元、-10.7%、個人住宅ローン8697億元、-4.5%)である。

③民間固定資産投資
1-8月期の全国民間固定資産投資は19兆8388億元であり、前年同期比19%増である[10]。民間固定資産投資は、都市固定資産投資の64.9%を占める。地域別では、東部17.4%増、中部19.3%増、西部21%増である。

(参考)2013年23.1%→1-2月期21.5%→1-3月期20.9%→1-4月期20.4%→1-5月期19.9%→1-6月期20.1%→1-7月期19.6%→1-8月期19%

(5)対外経済
①輸出入
8月の輸出は2084.65億ドル、前年同期比9.4%増、輸入は1586.29億ドル、同-2.4%となった[11]。貿易黒字は498.36億ドル、同77.8%増であった。
(参考)輸出:12月4.3%→1月10.6%→2月-18.1%→3月-6.6%→4月0.9%→5月7.0%→6月7.2%→7月14.5%→8月9.4%
輸入:12月8.3%→1月10.0%→2月10.1%→3月-11.3%→4月0.8%→5月-1.6%→6月5.5%→7月-1.6%→8月-2.4%
1-8月期の輸出は1兆4834.63億ドル、前年同期比3.8%増、輸入は1兆2829.32億ドル、同0.6%増であった。貿易黒字は2005.31億ドル、同30.3%増であった。
1-8月期の輸出入総額が2兆7663.95億ドル、前年同期比2.3%増であったのに対し、対EU9.9%増、対米4.4%増、対日0.5増[12]、対アセアン4.2%増である。
1-8月期の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比6.4%増、紡績4.7%増、靴15.3%増、家具-1.5%、プラスチック製品8.5%増鞄-2.2%、玩具14.4%増である。電器・機械は同1.1%増である。

②外資利用
8月の外資利用実行額は72億ドルであり、前年同期比-14%であった。

(参考)12月3.3%→1月16.11%→2月10.44%→3月-1.47%→4月3.4%→5月-6.7%→6月0.2%→7月-16.95%→8月-14%

1-8月期では、783.4億ドルであり、同-1.8%であった。
1-8月期、製造業は275億ドルであり、同-15.7%、全体の35%を占める。サービス業は432.7億ドルであり、同8.9%増、全体の55%を占める。
1-8月期、国別では、日本31.6億ドル、前年同期比-43.3%(1-7月は-45.4%)、米国20.8億ドル、同-16.9%、韓国30.2億ドル、同31.3%増、EU42億ドル、同-17.9%、アセアン45.9億ドル、同-9.72%である。
1-8月期、地域別では、東部は649.8億ドル、同-2.8%、中部は79.6億ドル、同14.8%増、西部は54億ドル、-10.1%である。

(6)金融
8月末のM2の伸びは前年同期比12.8%増と、7月末より0.7ポイント減速し、前年同期より1.9ポイント減速した。M1は5.7%増で、7月末より1.0ポイント減速し、前年同期より4.2ポイント減速した。8月の現金純放出は651億元であった。
人民元貸出残高は78.72兆元で前年同期比13.3%増であり、伸び率は7月末より0.1ポイント減速し、前年同期より0.8ポイント減速した。8月の人民元貸出増は7025億元(7月は3852億元)で、前年同期より伸びが103億元減少している。うち住宅ローンは2729億元増、企業等への中長期貸出は2408億元増であった。
人民元預金残高は111.73兆元で、前年同期比10.1%増であった。8月の人民元預金は1080億元増で、前年同期より伸びが6995億元減少している。うち個人預金は2305億元減、企業預金は341億元増であった。

(参考)M2 :12月13.6%→1月13.2%→2月13.3%→3月12.1%→4月13.2%→5月13.4%→6月14.7%→7月13.5%→8月12.8%

なお、8月の社会資金調達規模は9574億元であり、前年同期比6837億元増となった。うち、人民元貸出は7025億元増(伸びは前年同期比103億元減)、委託貸付は1751億元増(同1187億元減)、信託貸付は515億元減(同1724億元減)、企業債券による純資金調達は1947億元(同707億元増)である。1-8月期の社会資金調達規模は11.77兆元で、前年同期比7843億元減である。

(7)財政
8月の全国財政収入は9109億元で、前年同期比521億元、6.1%増に達した[13]。税収は7287億元で、同1.9%増、税外収入は1822億元で、同26.6%増となっている[14]
1-8月期の全国財政収入は9兆6409億元で、前年同期比7381億元、8.3%増に達した。中央財政収入は4兆5117億元で、同6%増(予算の7%増より1ポイント低い)、地方レベルの収入は5兆1292億元、同10.4%増である。税収は8兆2688億元で、同8%増である。

(参考)財政収入: 11月15.9%→1-2月期11.1%→3月5.2%→4月9.2%→5月7.2%→6月8.8%→7月6.9%→8月6.1%

8月の全国財政支出は1兆204億元で、同596億元、6.2%増に達した。中央レベルの支出は1606億元、同1.6%増、地方財政支出は8598億元、同7.1%増である 。
1-8月期の全国財政支出は8兆9614億元で、同1兆938億元、13.9%増に達した。中央レベルの支出は1兆4009億元、同11.4%増、地方財政支出は7兆5605億元、同14.4%増である。

(8)社会電力使用量
8月は、前年同期比-1.5%である 。
1-8月期は同4.0%増である。うち、第1次産業は0.3%増、第2次産業は3.9%増、第3次産業は5.8%増、都市・農村住民生活用は3.8%増であった。

(参考)11月8.5%→2月13.7%(1-2月4.5%)→3月7.2%→4月4.6%→5月5.3%→6月5.9%→7月3.0%→8月-1.5%

(9月18日記 7,214字)

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