はじめに
5月8日、人民銀行は1－3月期の貨幣政策執行報告を発表した。本稿ではそのポイントを紹介する。

１．マクロ経済の展望

1.1概況
国際金融危機が爆発して以降、世界経済は長期のリバランスの調整期にあり、各経済プレートの運営は、徐々に差異・分化が現れている。総じて見ると、弾力性がかなり強く、市場メカニズムが機能し、構造調整がかなり速い経済体では、より強い回復の勢いが現れている。
世界的な調整の大背景下、中国経済も成長率のギアチェンジ・構造調整・前期政策の消化の3つの時期が重なり合う段階にあり、成長率の変化、構造調整及び動力の転換等の角度から見ると、経済が「新常態」に入っているという特徴が更に顕在化している。
構造調整は、中長期の経済成長のために動力を注入するものであるが、短期で見れば、むしろ下方への調整圧力に直面することになり、安定成長・構造調整・改革促進・リスク防止の間の関係をうまく処理することを堅持する必要がある。
直面する内外情勢は依然として錯綜し複雑であるが、中国経済が平穏でかなり速い成長を維持するには、なお少なからぬ有利な条件がある[1]。