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ログイン2015年6月9日
今年の1月6日掲載の第15回コラムで2015年度中国の経済成長率(GDP)を6.9~7.1%と予測しましたが、3月5日、北京の人民大会堂で開催された第12期全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、李克強首相が発表した政府活動報告の2015年度GDP目標は7.0%前後でした。ぴったりの予想的中をまずご報告しておきます。
3月(自動車)、4月(家電・IT)掲載に続き、今月も個別業界の数字を追いかける予定でしたが、最近発表される経済統計数字を見ておりますと、中国経済における日本のシェアが激変しつつあり、ホットな中国経済情報をお届けするのが本コラムの趣旨ですので、今月は個別業界の中国経済はお休みして、中国経済全体と日本の関係を数字で整理してみたいと思います。
5月8日、中国税関総署より4月の中国貿易統計が発表されました。今年1月~4月の中国対外貿易額は前年同期比7.6%減の1兆2,225億701万米ドル(約152兆円)、このうち輸出が1.6%増の6,901億5,655万米ドル、輸入が17.3%減の5,323億5,046万米ドル、差し引き1,578億609万米ドル(20兆円)の貿易黒字です。原油価格の大幅下落で、世界2位の原油消費国である中国の輸入額は17%ダウンしました。このため今年の貿易額伸び率目標の6%との大きな乖離が生じています。
次に1~4月の国・地域別数字を確認します。対中貿易額の多い順に列挙します。
順位 | 国・地域 | 対中貿易額 | シェア |
1 | 欧州連合(EU) | 5.3%減の1,779億6,508万米ドル | 14.6% |
2 | 米国 | 2.1%増の1,716億2,102万米ドル | 14% |
3 | 東南アジア諸国連合(ASEAN) | 1.2%増の1,459億6,460万米ドル | 11.9% |
4 | 香港 | 10.6%減の923億5,670万米ドル | 7.6% |
5 | 日本 | 11.2%減の903億6,811万米ドル | 11兆2,000億円=シェア:7.4% |
6 | 韓国 | 4.8%減の876億2,435万米ドル | 7.2% |
7 | 台湾 | 2.1%減の576億339万米ドル | 4.7% |
ざっくり言えば、現在の対中貿易額はEUや米国の約半分です。日本の貿易相手国としては中国が1位ですが、中国から見ると日本は第5番目の貿易相手国となります。筆者が北京で対外貿易部各総公司と商談をしていた1980年代、中国の対外貿易相手国トップは日本で30%のシェアがありました。当時と較べると中国の貿易規模は200倍になっていますが、日本のシェアはついに7.4%となり、中国にとって相対的に存在感が縮小しています。
一方、5月11日、中国自動車工業会は4月の新車販売台数を発表しました。1月~4月の中国国内新車販売台数は前年度比2.8%増の814万4,800台です。こちらはメーカー別順位を列記します(1~4月累計)。
順位 | メーカー | 新車販売台数 | シェア |
1 | 米国GM | 1,197,787台 | 14.7% |
2 | ドイツVW | 899,400台 | 11% |
3 | 米国フォード | 393,714台 | 4.8% |
4 | 日本日産 | 391,700台 | 4.8% |
5 | 韓国現代 | 334,500台 | 4.1% |
6 | 日本トヨタ | 320,300台 | 3.9% |
7 | 日本ホンダ | 307,222台 | 3.8% |
8 | 中国長城汽車 | 299,111台 | 3.7% |
米国市場では日系車が好調ですが、中国市場では苦戦しており、4月の乗用車販売メーカー別トップテンに入っているのは8万1,200台で7位の東風日産1社で、VW・GM・現代の後塵を拝し、フォード、神竜(仏PSA)に追われる熾烈な競争となっているのが現状です。(表参照)。
日系企業の奮起を期待したいと思います。
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