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ログイン2017年10月10日
9月30日国慶節前日、NHKは「加速する“EVシフト”欧州・中国を行く」という特番を放送しました。エンジン車の販売を禁止する動きは欧州を中心に出始めており英国とフランスは2040年までに禁じる方針を決定済み。中国政府も9月9日ガソリン車の生産、販売停止に向けたスケジュール策定作業に着手したと発表しました。自動車販売台数世界一の中国の動向は日本にも大きな影響を及ぼします。今回は中国のEVシフトの現状を中国の最新報道より報告します。
次に技術革命が起こる業界として世界が注目しているのは自動車産業です。 自動車だけは内燃機関という100年前のアナログ技術のままで、自動車の主役が内燃機関からEVに変わることは確実だと予想されています。
特に中国の場合、ガソリン車よりEV車への切り替えを推進する理由が二つあります。一つは大気汚染対策。車の排ガス燃費規制は年々強化されていますが、毎年大量の車両が生産・販売され(日本の6倍の2,800万台)、現状の都市における大気汚染を放置することは国民感情としても許されません。
二つ目は中国政府の産業政策的な理由で、自動車大国より自動車強国への転換政策です。改革開放政策で生産量・販売量は世界一になりましたが、研究開発力の未発達、部品技術の遅れなどの課題を抱えているため、日米欧に追いつくのは容易ではありません。そこで中国はガソリン車のコンセプトを超えた新市場、新技術の形成が自動車強国への唯一の道と判断し、2012年に「新エネ車産業発展計画」を公布しました。爾来5年を経過して、中国はEV車生産・販売の先頭を走っています。
中国の2016年新エネルギー車(NEV)の生産・販売は50万台を超過。累計製販台数も100万台を超え世界市場の50%を占めています。最新の統計では今年8月のNEVの販売台数は76.3%増の6万8,000台。うち電気自動車(EV)は95.5%増の5万6,000台、プラグインハイブリッド車(PHV)は21.6%増の1万2,000台。1~8月は30.2%増の32万台で内訳はEVが43.5%増の26万台、PHVが7.5%減の 5万9,000台となっています。中国政府は2020 年までに国内のNEV販売台数を200万台に引き上げる計画で、8月8日付北京商報によると、中国でのNEV年間生産能力は既に200万台に達している、とのことです。
世界の新車販売台数は2016年が9,385万台。うち中国は2,802万台を占め、8年連続で世界最大の市場。英国は312万台で6位、フランスは247万台で7位。これら3カ国の合計は世界市場の36%を占め、更に366万台で世界5位のインドも2030年までガソリン車販売禁止を目指す動きがあり世界的にEV車の流れは決定的です。
9月25日付財新網では、電気自動車(EV)分野の中国政府系シンクタンク「中国電動汽車百人会」の陳清泰理事長は9月24日の講演で、「今後の自動車産業のモデル転換は電動化と情報化の2路線にかじを切り、最終的に自動運転が実現するだろう」と指摘しています。
さて日本はどう対応するのでしょうか?時事速報によりますと、中部経済産業局(名古屋)の波多野淳彦局長は9月12日の定例記者会見で、中国がガソリン車の生産・販売禁止の検討に入ったことについて、「中国ではかなり急速に電気自動車(EV)に変わっていく可能性がある」と指摘、自動車部品メーカーに早急な対応が必要との認識を示した」とあります。また波多野局長は「自由経済の国では一気にEV化が進むことはない」としつつ、国家統制下にある中国市場では、「EVを製造しないと(自動車メーカーは)将来的に厳しくなる」との見方を示した。その上で部品メーカーに対しても、「数年後に影響が出ることはないが10年後を見据えれば(EV化の)インパクトがある」と強調。自動車メーカーの戦略も見定めた上で将来に備え「早めに手を打っておくことが重要だ」と述べられています。企業の存亡にかかわるEVシフト、100年ぶりの自動車革命が始まっています。
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