中国は今2017年度春節休暇です。1月末までに2016年度の中国経済統計がほぼ出そろいましたので最新の中国経済統計をまとめておきたいと思います（出典は主に中国国家統計局）。なぜ今の米中経済規模を整理する必要かと言いますと、米国に誕生したトランプ政権が「アメリカ第一」主義を掲げ、日本を含む対米黒字国を標的に、損得勘定で二国間関係の見直しを行う政策が鮮明になってきたからであります。59兆円という世界最大の貿易黒字国である中国がトランプ政権とどう向き合うのか、その基礎となる数字をご確認下さい。

１．対外貿易額（2016年度）
中国の輸出額：2兆974億4,400万ドル
中国の輸入額：1兆5,874億8,100万ドル
合計：3兆6,849億2,500万ドル（約422兆円）
貿易収支（黒字）：5,100億ドル（約59兆円）
対米貿易額：5,196億1,434万ドル（約60兆円）
対日貿易額：2,748億ドル（約31兆6,000億円）
以下参考値：（2015年）
米国の輸出額：1兆5,050億ドル
米国の輸入額：2兆3,080億ドル
合計：3兆8,130億ドル（約438兆円）
貿易収支（赤字）：8,030億ドル（約92兆円）
対中貿易（赤字）：3,864億ドル（約44兆円）
赤字の48％が対中貿易。日本は723億ドル（約8兆円）の対米黒字で自動車関連輸出が全体の40％を占めており、トランプ大統領の指摘はあながち間違ってはいない。

２．経済規模（名目GDP）（2016年）
中国：74兆4,127億元（約1,240兆円）
第1次産業：8％、2次：40％、3次：52％
米国：18兆5,620億ドル（約2,135兆円）
第1次産業：2％、2次：17％、3次：81％

３．国家財政（予算）2016年度
中国歳入：20兆7,350億元（約340兆円）
中国歳出：22兆9,820億元（約384兆円）
中国国防費：9,500億元（約16兆円）
米国歳入：3兆3,525億ドル（約385兆円）
米国歳出：3兆9,990億ドル（約460兆円）
米国国防費：5,960億ドル（約68兆円）
（国防費予算比：米国14％、中国：4％）

４．自動車産業（2016年）
中国：2,802万台。米国：1,755万台

５．パソコン出荷台数（2016年世界上位5社）
①北京聯想集団（レノボ）：5,550万台
②米ヒューレット・パッカード：5,429万台
③米デル：4,073万台
④台湾華碩電脳（ＡＳＵＳ）：1,920万台
⑤米アップル：1,845万台
全世界出荷台数：2億6,018万3,000 台

６．世界企業ランキングトップ１０
①米ウォルマート
②国家電網（中国、電力配送）
③中国石油天然気集団
④中国石油化工集団
⑤ロイヤルダッチシェル（オランダ）
⑥米エクソン・モービル
⑦フォルクスワーゲン（ドイツ）
⑧トヨタ（日本）
⑨米アップル
⑩BP（英国）
（2016年版フォーチュン・グローバル500）

その他、農業、石油、工業（先端宇宙開発）、特許、金融などあらゆる分野で米中二大経済国は1位、2位争いをしており、「アメリカ第一」主義を掲げるトランプ大統領に対し、中国の習近平国家主席がどのような対応を示すのかが注目されます。

以上