はじめに
本稿では、11月6日に公表された第3四半期（7－9月期）貨幣政策執行報告の概要を紹介する。

１．マクロ経済の展望

1.1概況
現在、世界経済はなおリバランスの調整期にある。中国経済も「新常態」に入っており、その核心は経済構造調整と経済発展方式の転換である。新情勢に立脚し、新しい視角を運用して世界経済と中国経済を観察・理解する必要がある。
2015年に入り、中国経済は総体として平穏で比較的速い成長態勢を維持しており、世界経済が分化し複雑な大背景下、このような経済成長を実現することは容易ではない。
成長の質・効率からみると、雇用は基本的に安定を維持し、経済成長に対する消費の寄与は更に上昇し、第3次産業がGDPに占めるウエイトは既に50％を超え、前年同期より2.3ポイント高まった。中国経済の成長は、更にバランスがとれており、構造は最適化傾向にある。
更に重要なことは、少なからぬ経済分野の内生的な活力が徐々に増強され、起業・イノベーションのブームが興り、いくらかの新しい業態・新しいモデルの発展は速く、民間投資のウエイトが比較的高く、投資構造も更に合理的になっている。