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ログイン2007年6月8日
ここでは、(2)に続き人民網に掲載された、国家発展・改革委員会のサービス業振興に関する施策を紹介する。あわせて、最近の不動産投資の動向及び証券取引印紙税の税率引上げについても言及する。
はじめに
ここでは、(2)に続き人民網に掲載された、国家発展・改革委員会のサービス業振興に関する施策を紹介する。あわせて、最近の不動産投資の動向及び証券取引印紙税の税率引上げについても言及する。
1.サービス業の速やかな発展を促進する(人民網2007年4月26日)
1.1 思想を統一し、認識を高め、サービス業の発展を加速することの責任感・緊迫感を強化しなければならない
第10次5ヵ年計画期間において、わが国のサービス業はかなり速い発展を実現した。2005年、サービス業の付加価値は7.2兆元に達し、2000年に比べ3.4兆元増加し、GDPに占める比重も39.9%に達した。サービス業の従業員は2.3億人を超え、全就業人員の31.4%を占めており、2000年に比べ3.9ポイント増加した。一部の大中都市では、サービス業の比重が既に第2次産業を上回っている。
しかし、同時にわが国のサービス業の発展が総体として立ち遅れている状況はまだ根本的に転換しておらず、経済・社会の調和のとれた発展という要請に相適応していないことを見て取られねばならない。これは主として、総量の規模が小さく、構造が不合理であり、市場化の程度が高くなく、体制改革とメカニズムの革新について更なるブレーク・スルーが必要であるという点に表れている。
また、一部の地方がサービス業の発展に関する認識が不十分であり、依然発展理念のかなり多くが第2次産業の発展に留まっており、工業とりわけ重工業の発展を過度に重視し、政策措置の面でサービス業への支援が不十分であることも見て取らねばならない。
注意すべき問題は、近年、全国のサービス業の付加価値のGDPに占める比重が連続して低下していることである。2004年は40.7%、2005年は39.9%、2006年の第1次統計では39.5%となっている。サービス業の発展加速は、依然十分緊迫し、大変困難な戦略任務なのである。
現在、わが国は正に小康社会の全面的建設と、工業化・都市化の発展が加速する時期にあり、サービス業の発展の加速が至極重要である。サービス業の第3次産業構造における比重を引き上げ、できるだけ早くサービス業を国民経済のリーディング産業にすることは、経済構造調整を推進し、経済成長方式の転換を加速するために必ず通らねばならぬ道であり、対外開放の新情勢に適応し、総合国力を全体として飛躍的に上昇させる有効なルートであり、民生問題を解決し、就業を不断に拡大し、社会の調和を促進し、小康社会の全面的な建設することに内在する要請でもある。
特に、第11次5ヵ年計画期間の省エネ・省資源・汚染物質排出減のノルマは十分困難であり、第11次5ヵ年計画要綱で提起された目標・ノルマを達成するには、サービス業の発展を加速させなければならない。推計によれば、付加価値単位当たりエネルギー消費ではサービス産業は第2次産業の5分の1であり、もしサービス産業の付加価値の比重が1ポイント高まり、工業の付加価値の比重が1ポイント低下すれば、GDP万元当たりエネルギー消費を1ポイント引き下げることが可能である。
1.2 国務院文件の精神を真剣に学習し、サービス業の良好で速い発展を促進しなければならない
2007年3月、国務院が制定公布した「サービス業の発展加速に関する国務院の若干の意見」(以下「7号文件」)は、現在及び今後一時期、わが国のサービス業発展を指導する綱領的文件である。
(1)第11次5ヵ年計画期間におけうサービス業発展の主要目標
①2010年までに、サービス業の付加価値がGDPに占める比重を、2005年に比べ3ポイント高める。
②サービス業従業者が全社会従業人員に占める比重を、2005年に比べ4ポイント高める。
③サービス貿易総額を4000億米ドルにする。
④条件の整った大中都市において、サービス業を主とした産業構造を形成する。
⑤サービス業付加価値の成長速度が、GDP及び第2次産業の成長速度を超えるようにする。
(2)今後一時期のサービス業施策の指導思想及び施策の方向
①サービス業の規模の拡大に努める
サービス業が全体経済に占める比重を不断に高め、サービス業を主とし、第1・第2・第3次産業が協調して発展する良好な局面を徐々に形成する。
②各クラスの人民政府の公共サービス機能を強化する
財政投入を不断に拡大し、サービス供給を拡大し、公共サービスのカバー範囲及び社会の満足水準を引き上げ、公共サービスの均等化を徐々に実現する。
③市場化、産業化、社会化の方向を堅持する
市場の資源配分の基礎的役割を十分に発揮させ、サービス業の管理体制を革新し、サービス業の発展を阻む体制的障害を除去し、サービス業の発展に適した環境・条件を創造する。
④重点領域・重点部分をしっかり把握する
生産的なサービス業の拡張に力を入れ、現代製造業とサービス業の有機的な融合と、相互に影響し合う発展を促進する。
⑤イノベーションによる発展を堅持する
対外開放を拡大し、先進国家の先進的な経験・技術・管理方式を吸収し、サービス業の国際競争力を高め、サービス業の良好で速い発展を実現する。
1.3 次の段階の施策要求
サービス業の発展加速は、緊迫し、大変困難で、長期的な重要任務であり、市場に資源配分における基礎的な役割を発揮させることを堅持するだけでなく、政府のマクロ・コントロール及び政策誘導を強化しなければならない。今後一時期、国家発展・改革委員会は、関係方面と共同で以下の施策をしっかり行っていく。
(1)サービス業の発展の重要性についての認識を更に高め、思想観念と経済発展の理念を転換する
①経済成長方式の転換、産業構造の改善・高度化、就業圧力の緩和、人民生活の質・水準の向上等の方面における、サービス業の速やかな発展の重要な意義を正確に認識するよう、関係方面を誘導する。サービス業とりわけ現代サービス業に対する指導幹部の認識を深化させ、サービス業発展の特徴とルールを学習し把握する。
②ラジオ、テレビ、新聞・雑誌、ネット等のメディアを広範に活用して、サービス業の発展理論、国際サービス業の発展動態、国家サービス業の発展政策、各地のサービス業発展の経験等を全面的に報道し、サービス業発展のモデルを樹立・普及し、有利な世論環境を作り上げる。
(2)重大な関連政策を協調実施し、政策体系を整備する
7号文件で提起された政策のうち、既に明確になりすぐに実行可能なものはしっかり実施しなければならない。方向性・原則のみが示された政策措置については、関連部門と協調して実施細則を打ち出す。短期的にはしばらく条件が具備しないものは、積極的に条件を作り出し、できるだけ速やかに実施する。サービス業の発展において出現した新状況・新問題を組み合わせて、タイムリーにサービス業の発展を支援する新政策を検討提起する。重点企業・重点産品の発展を支援する有効な措置を提起し、政策体系を整備し、サービス業の発展促進に長期に有効なメカニズムを確立する。
(3)サービス業施策の組織的な協調・指導を強化する
国務院の要請に基づき、国務院関連部門・単位は改革開放を深化させ、市場参入許可を緩和する観点から、全国サービス業発展領導小組の統一的手配に基づき、業種の改革・発展を積極的に推進しなければならない。各地域はサービス業施策を政府の重要議事日程に組み入れ、主要な指導者は自らしっかり把握し、相ふさわしい協調メカニズムを確立し、関連部門の責任・分業を明確にし、サービス業施策への指導・協調・監督検査を強化しなければならない。関連業種協会は政府が業種管理・技術普及・宣伝訓練・情報コンサルティング等の施策をうまく行えるよう手助けし、企業に良好なサービスを提供しなければならない。
近々、国務院の統一的手配に基づき、全国サービス業工作会議が開催される予定であり、第10次5ヵ年計画以降のサービス業の発展経験を総括し、7号文件精神を更に貫徹実施し、今後一時期の施策を手配し、サービス業の速やかな発展のために良好な環境を適切に創造することになっている。
1.4 留意点
以上が、国家発展・改革委の文章の概要である。これまで、サービス業の振興は、雇用対策の文脈で語られることが多かった。国有企業改革により吐き出された一時帰休者・失業者と、新たに農村部から移動してくる労働力を円滑に吸収するためにはサービス業の発展が不可欠だったのである。
しかしながら、今回の国家発展・改革委員会の文書を見ると、サービス業の振興に新たな意味合いが付加されたことが分かる。即ち、サービス業は工業に比べて同じ付加価値を生み出すために消費するエネルギー量がはるかに低いことに焦点が当たっているのである。
現在の中国の二桁成長は、工業とりわけ重工業に依存したものであり、成長が高まれば高まるほど大量のエネルギーが消費され、第11次5ヵ年計画で拘束的目標として設定したGDP単位当たり消費エネルギーの20%削減は、ますます困難を増している。従来の雇用対策に加え、エネルギー対策の観点からもサービス業の振興が産業政策の重要課題として浮上してきたのであり、今後開催される全国サービス工作会議の議論の動向が注目される。
2.不動産投資の動向
1-4月期の不動産開発投資は前年同期比27.4%増であり、伸びは6.1ポイント上昇した。不動産開発資金は潤沢であり、銀行融資は前年同期比24.6%増、外資は同136.5%増である。
国家発展・改革委員会は現在の不動産市場の問題点として、次の3点を指摘している(新華社2007年5月29日)。
①新規建設分譲住宅の需給の矛盾が拡大しており、北京・天津等の個別都市の販売面積が低下しているのを除けば、その他の都市の需要はかなり旺盛である。
②90㎡以下の普通分譲住宅投資は、分譲住宅投資のわずか17.2%しか占めておらず、住宅供給構造の調整は依然十分困難である。
③住宅価格の上昇幅は、総体として平穏であるものの、新規建設分譲住宅販売価格は、なお異なる程度の上昇が存在する。70大中都市の新規建設分譲住宅販売価格の上昇は6%前後であるが、上昇幅が大きいのは北海23.6%、深圳11.3%、北京10.7%である。
3.証券取引印紙税の税率引上げ
財政部は、5月29日夜、30日から証券取引印紙税の税率を原稿の0.1%から0.3%に引上げると発表した。これまで財政部は株価対策として2001年11月に税率を0.3%から0.2%に、2005年1月に0.2%から0.1%に引き下げてきた。今回の財政部の決断を受け、30日上海市場の総合株価指数は29日の終値から281.8ポイント(前日比6.5%)安の4053.1ポイントと、本年2月27日の8.8%安以来の下げ幅となった。(2007年5月記 4,275字)
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