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ログイン2007年7月14日
4月27日に開催された「全国省エネ・汚染物質排出減工作テレビ電話会議」を受けて、6月3日、国務院は国家発展・改革委員会と関係部門が取りまとめた「省エネ・汚染物質排出減の総合的工作方案」を各省・部委に通知した。この通知の総論部分は、テレビ電話会議で温家宝総理が行った重要講話の内容がそのまま盛り込まれており(本シリーズ(5)参照)、ここでは通知の数値目標部分を中心に紹介することとしたい。
はじめに
4月27日に開催された「全国省エネ・汚染物質排出減工作テレビ電話会議」を受けて、6月3日、国務院は国家発展・改革委員会と関係部門が取りまとめた「省エネ・汚染物質排出減の総合的工作方案」を各省・部委に通知した(新華網北京電2007年6月3日)。
この通知の総論部分は、テレビ電話会議で温家宝総理が行った重要講話の内容がそのまま盛り込まれており(本シリーズ(5)参照)、ここでは通知の数値目標部分を中心に紹介することとしたい。
1.省エネ・汚染物質排出減の主要目標(2010年)と総体要求を更に明確にする
(1)主要目標
①2010年に、GDP1万元当たりエネルギー消費を、2005年の1.22トン標準炭から1トン標準炭以下へと20%前後引き下げる。
②2010年に、工業付加価値単位当たり用水量を30%引き下げる。
③第11次5ヵ年計画期間に主要汚染物質排出総量を、10%減少させる。2010年に二酸化硫黄排出量を2005年の2549万トンから2295万トンに減少させ、化学的酸素要求量(COD)を1414万トンから1273万トンに減少させる。
④全国で市が設けられている都市の汚水処理率が70%を下回らないようにし、工業固体廃棄物の総合利用率が60%以上となるようにする。
(2)総体要求
資源節約型・環境友好型社会の建設を加速し、省エネ・汚染物質排出減を経済構造調整・成長方式の転換の突破口・重要な把握事項とし、マクロ・コントロールの重要目標とし、経済・法律・必要な行政手段を総合的に運用して、省エネ・汚染物質排出減の拘束性指標の実現を確保し、経済の良好で速い発展を推進する。
2.増量を抑制し、構造を調整・向上させる
(3)エネルギー多消費、高汚染業種の速すぎる成長を抑制する
プロジェクト新規着工については、6つの必要条件(①産業政策・市場参入許可基準、②プロジェクト審査許可基準或いは届出手続、③土地使用事前審査、④環境影響評価審査許可、⑤省エネ評価審査、⑥融資・安全・都市計画に符合しなければならない)を厳格に執行する。
(4)落伍した生産能力を速やかに淘汰する
電力、鉄鋼、建材、電解アルミ、鉄合金、カーバイト、コークス、石炭、板ガラス等の業種の落伍した生産能力の淘汰を強化する。第11次5ヵ年計画期間に1.18億トン標準炭の省エネ、240万トンの二酸化硫黄排出減を実現する。2007年は、3150万トン標準炭の省エネ、40万トンの二酸化硫黄の排出減を実現する。第11次5ヵ年計画期間に138万トンの化学的酸素要求量(COD)排出減を実現し、2007年は62万トンの排出減を実現する。
なお、具体的な淘汰目標は表のとおりである。
表 第11次5ヵ年計画期間に淘汰する落伍生産能力一覧
業種 | 内容[1] | 単位 | 2006-2010年 | 2007年 |
電力 | 小規模な火力発電ユニット | 万kW | 5000 | 1000 |
製鉄 | 300㎥以下の高炉 | 万トン | 10000 | 3000 |
製鋼 | 年間生産20万トン以下の小転炉・小電炉 | 万トン | 5500 | 3500 |
電解アルミ | 小型預焙槽 | 万トン | 65 | 10 |
鉄合金 | 630万ボルト以下の鉱熱炉 | 万トン | 400 | 120 |
カーバイト | 630万ボルト以下の炉型生産能力 | 万トン | 200 | 50 |
コークス | 炭化室高度4.3m以下の小型設備 | 万トン | 8000 | 1000 |
セメント | 等量代替機立窯セメント加工材料 | 万トン | 25000 | 5000 |
ガラス | 落伍した板ガラス | 万重量箱 | 3000 | 600 |
製紙 | 年間生産3.4万トン以下のパルプ生産装置、年間生産1.7万トン以下の化学パルプ生産ライン、排出基準を満たさない年間生産1万トン以下の廃紙を原料とする製紙工場 | 万トン | 650 | 230 |
アルコール | 落伍した生産技術及び年間生産3万トン以下の企業(廃糖蜜で製造したアルコールを除く) | 万トン | 160 | 40 |
化学調味料 | 年間生産3万トン以下の生産企業 | 万トン | 20 | 5 |
クエン酸 | 環境保護が基準に達しない生産企業 | 万トン | 8 | 2 |
(5)産業構造調整を促進する政策措置を整備する
(6)資源構造の調整を積極的に推進する
風力エネルギー・太陽エネルギー・地熱エネルギー・水力発電・メタンガス・バイオマスの利用を推進する。
(7)サービス業・ハイテク産業の速やかな発展を促進する
3.投入を増加し、重点プロジェクトを全面的に実施する
(8)10大重点省エネプロジェクトを速やかに実施する
第11次5ヵ年計画期間に2.4億トン標準炭の省エネ能力を形成する。2007年は5000万トン標準炭の省エネ能力を形成する。重点は以下のとおり。
①鉄鋼、非鉄金属、石油・石油化学、化学工業、建材等の重点エネルギー消費業種について、余熱・余圧利用、石油の節約・代替、電機系統の省エネ、エネルギー系統の向上、工業用ボイラー改造プロジェクトを実施 745件
②暖房用熱供給を主とする熱併給発電、工業用熱併給発電ユニットの建設・改造の速やかな許可 1630万kW
③省エネ・グリーン建築のモデル事業の組織的実施 30件
④北部暖房地域の住宅用建築の熱供給計量・省エネ改造の推進 1億5000万㎡
⑤大型公共建築の省エネ運営管理・改造モデルの展開
⑥再生エネルギー規模化応用モデル普及プロジェクトの開始 200件
⑦高効率照明器具の普及 5000万本
(9)水汚染処理プロジェクト建設を加速する
①第11次5ヵ年計画期間に、1日当たり都市汚水処理能力4500万トン、1日当たり再生水利用能力680万トンを新たに増加し、300万トンのCOD削減能力を形成する。
②2007年は、市を設けている都市で1日当たり汚水処理能力を1200万トン、1日当たり再生水利用利用能力100万トンを新たに増加し、60万トンのCOD削減能力を形成する。
③工業廃水の処理を強化し、第11次5ヵ年計画期間に140万トンのCOD削減能力を形成する。
(10)火力発電所の二酸化硫黄処理を推進する
①第11次5ヵ年計画期間に脱硫装置を3.55億kW稼動させる。うち、新規に建設する火力発電所については、これに合わせて1.88億kWの脱硫装置を稼動させる。現有の火力発電所については、1.67億kWの脱硫装置を稼動させ、590万トンの二酸化硫黄削減能力を形成する。
②2007年には、現有の火力発電所で3500万kWの脱硫装置を稼動させ、123万トンの二酸化硫黄削減能力を形成する。
(11)省エネ・汚染物質排出減の資金を多様なルートで集める
主として、企業の自己資金、金融機関の融資、社会資金の投入による。各クラス人民政府は必要な資金を手配し、支援しなければならない。
4.モデルを革新し、循環経済を速やかに発展させる
(12)循環経済テストを深化させる
(13)水資源の節約利用を実施する
①第11次5ヵ年計画期間に重点業種で31億㎥の節水を実現し、1日当たり海水淡水化能力を90万㎥新たに増加させ、ミネラルウオーターの利用量を26億㎥新たに増やす。
②2007年には、重点業種で10億㎥の節水を実現し、1日当たり海水淡水化能力を7万㎥新たに増加させ、ミネラルウオーター利用量を5億㎥新たに増やす。
(14)資源の総合利用を推進する
第11次5ヵ年計画期間に屑石炭を総合利用した火力発電所を2000万kW建設し、2007年は500万kW着工する。
(15)ゴミの資源化利用を促進する
(16)クリーン生産を全面的に推進する
5.科学技術に依拠し、技術の開発・普及を加速する
(17)省エネ・汚染物質排出減の技術研究開発を加速する
(18)省エネ・汚染物質排出減技術を速やかに産業化し普及する
(19)省エネ技術サービス体系を早急に確立する
(20)環境保護産業の健全な発展を推進する
(21)国際交流協力を強化する
6.責任を強化し、省エネ・汚染物質排出減の管理を強化する
(22)政府の省エネ・汚染物質排出減工作の問責制を確立する
(23)省エネ・汚染物質排出減の指標体系・モニター体系・審査体系を確立・整備する
(24)健全なプロジェクトの省エネ評価・審査及び環境影響評価制度を確立する
(25)重点企業の省エネ・汚染物質排出減の管理を強化する
第11次5ヵ年計画期間に1000社の重点企業で1億トン標準炭の省エネを実現し、2007年は2000万トン標準炭の省エネを実現する。
(26)省エネ・環境保護発電の調整と電力需要の管理を強化する
クリーンで効率が高く、資源を総合利用する発電を優先的に配置し、エネルギー消費が多く、汚染が深刻で、効率が低いユニット発電を制限する。2007年上半期にテストを開始し、成果を挙げた後全国に普及して2000万トン標準炭の省エネを勝ち取り、第11次5ヵ年計画期間では6000万トン標準炭の省エネ能力を形成する。
(27)建築の省エネ管理を厳格に行う
2007年は新規建設施行段階におけるエネルギー消費限度額基準の監督管理をしっかり行い、25のモデル省市で大型公共建築のエネルギー消費統計、エネルギー審査、エネルギー効率の公示、エネルギー消費限度額制度を確立し、1250万トン標準炭の省エネを実現する。
(28)交通・運輸の省エネ・汚染物質排出減管理を強化する
(29)エネルギー効率の標識の実施及び省エネ・節水産品の認証管理を強化する
(30)省エネ・環境保護管理能力の建設を強化する
7.法制を健全化し、監督・検査の法執行を強化する
(31)法律・法規を健全化する
(32)省エネ・環境保護基準を整備する
2007年は、粗鋼・セメント・苛性ソーダ・火力発電・アルミ等22のエネルギー多消費産品のエネルギー消費限度額の強制的国家基準及び軽量商業用自動車等5つの交通手段の燃料消費限度額基準を組織的に制定し、36の節水、節材、廃棄物回収・再利用等の基準を制定ないし修正しなければならない。
(33)蒸気脱硫施設運営の監督管理を強化する
(34)都市汚水処理場及びゴミ処理施設の運営管理・監督を強化する
都市の汚水処理施設の建設がひどく立ち遅れ、費用徴収政策が実施されず、汚水処理場完成後1年以内に実際の処理水量が設計能力の60%に達していない地域、及び汚水処理施設を建設したものの故なく運営していない地域については、暫時当該地域のプロジェクト環境評価に関する審査・許可を遅らせ、関連プロジェクトの国家建設資金交付を遅らせることとする。
(35)省エネ・汚染物質排出減の法執行への監督・検査を厳格化する
8.政策を整備し、奨励・規制メカニズムを形成する
(36)資源性産品の価格改革を積極かつ穏当に推進する
①石炭価格のコスト構成メカニズムを調整する。精製油・天然ガスの価格改革を推進する。
②電力のピーク・谷の時刻を区分した電力価格制度を整備し、小規模火力発電の価格を引下げ、蒸気脱硫に資する電力価格政策を実施する。再生エネルギー発電及び余熱・余圧・屑石炭・都市ゴミを利用した発電を奨励し、これに相応した電力価格政策を実行する。
③各種の水使用価格を合理的に調整し、段階式の水価格、計画・定額を超えた水使用への追加料金制度を速やかに推進する。国家の産業政策で制限・淘汰に分類されている水多使用企業には懲罰的水価格を実施し、再生水・海水を淡水化した水・微塩水・ミネラルウオーター・雨水の開発利用を支援する価格政策を制定し、水資源の費用徴収を強化する。
④二酸化硫黄の排出汚染費用を現在の1kg当たり0.63元を、3年かけて段階的に1.26元にまで引き上げる。各地は実際の状況に基づき、CODの排出汚染費用の基準を引き上げる。
⑤汚染物質排出費用の徴収管理を強化し、「協議しながら費用を徴収する」「定額を費用徴収する」という行為を根絶する。
⑥都市の汚水処理費用を全面的に徴収開始し、かつ費用徴収の基準を引き上げる。1トンの水平均の費用徴収基準が原則として0.8元を下回らないようにする。ゴミ処理の費用徴収基準を引き上げ、徴収方式を改善する。
(37)省エネ・汚染物質排出減を促進する財政政策を整備する
①各クラス人民政府は財政予算中一定の資金を按配し、補助・奨励の方式を採用し、省エネ・汚染物質排出減の重要プロジェクト、省エネ効果の高い産品及び省エネ新メカニズムの普及、省エネ管理能力の建設及び汚染物質排出減の監督管理体系の建設等を支援する。
②財政の基本建設投資の省エネ・環境保護プロジェクトへの傾斜を更に強化する。
③鉱産資源の有償使用制度を健全化し、資源開発の生態環境補償メカニズムを改善・整備する。流域をまたがる生態補償テストを展開する。
(38)省エネ・汚染物質排出減を奨励する税制政策を制定・整備する
省エネ・節水・資源総合利用・環境保護産品(設備・技術)目録及びこれに相応した税制優遇政策を早急に制定する。
①省エネ・環境保護プロジェクトについての企業所得税減免及び省エネ・環境保護専用設備への投資に対する企業所得税の控除・免除政策を実行する。
②省エネ・汚染物質排出減の設備投資について増値税から仕入税額を控除する。不用の物資・資源を総合利用した産品について増値税優遇政策を整備する。
③企業が資源を総合利用し、国家の産業政策規定に符合した産品を生産して得た所得については、企業所得税を計算する際に所得を減額計算する政策を実行する。
④省エネ・環境保護型車船、省エネ・土地節約・環境保護型建築及び既存建築の省エネ改造を奨励する税制優遇政策を実施する。
⑤資源税の改革案を早急に提起し、税額計算方式を改善し、税負担水準を引き上げる。燃料税を適時提起する。環境税を検討し、徴収を開始する。
⑥新エネルギー発展を促進する税制政策を研究・促進する。先進的な省エネ・環境保護技術設備の輸入を奨励する税制優遇政策を実行する。
(39)省エネ・環境保護領域の金融サービスを強化する
①金融機関が、循環経済・環境保護・省エネ・汚染物質排出減の技術改造プロジェクトに対する融資支援を増やすよう、奨励・誘導する。
②条件に符合した省エネ・汚染物質排出減プロジェクト、循環経済プロジェクトを優先して直接融資サービスを提供する。環境汚染責任保険制度を検討・確立する。
③国際金融組織及び外国政府の優遇借款の割付において、省エネ・汚染物質排出減プロジェクトへの支援を更に際立たせる。
④環境保護部門及び金融部門は環境情報通報制度を確立し、企業の環境違法情報を人民銀行の企業信用システムに組み込む。
9.宣伝を強化し、全人民の節約意識を高める
(40)省エネ・汚染物質排出減の宣伝を、重大テーマ宣伝活動に組み入れる
(41)省エネ・汚染物質排出減の宣伝を、広範に深く持続的に展開する
(42)省エネ・汚染物質排出減の先進的な単位・個人を表彰し奨励する
10.政府が率先し、省エネの手本を示す役割を発揮する
(43)政府機関が率先垂範する
(44)政府機関が弁公施設・設備の省エネをしっかり行う
食堂のガス・炊事設備の改造を全面的に展開し、第11次5ヵ年計画期間中に食堂のガス節約20%を実現する。
(45)政府機関の省エネ・グリーン購入を強化する
エアコン・コンピューター・プリンター・ディスプレー・コピー機等の事務機器・照明器具・用水器具については、省エネ・水節約・環境効果の高いことを標示した産品を、従来の同等ないし優先的購入から強制的購入に改める。
おわりに
この国務院通知を受け、6月10-16日に全国省エネ宣伝週間活動が展開されており、初日の6月10日には、曾培炎副総理が江蘇省に視察を行った。彼は李源潮党委書記・梁保華省長及び国務院関係部門の責任者を伴い、南京市計画建設展示館で開催された省エネ宣伝週間活動に参加して、幹部・大衆・企業代表・専門家・学者と交流を行った。
この際、曾副総理は「近年、江蘇省は省党委・省政府の指導の下、省エネ工作意見を制定し、資金投入を増やし、活動方法を革新し、エネルギー効率の高い発電所を建設し、電力エネルギー調節、省エネ建築材料の開発、企業の省エネ改造の推進、循環経済の発展等の方面で一連の措置を採用し、積極的な成果を獲得した」と持ち上げ、今回の国務院通知をしっかり貫徹実施するよう指示した。また、本年夏、政府機関・各種公共施設は率先して冷房温度を26度以上に調節し、省エネ器具使用の模範を示すとともに、一般家庭に対しても冷房温度が26度を下回らないようにし、省エネ照明器具・家電を更に使用するよう呼びかけを行うことを指示したのである。
温家宝総理は、省エネ・汚染物質排出減の2006年度目標が未達成だったことを受け、全人代への政府活動報告においては、第11次5ヵ年計画目標の最終的な達成を確約したものの、2007年度の具体的目標は示さなかった。しかし、この国務院通知には2007年度の目標が細かく指示されている。これにより国務院省エネ・汚染物質工作領導小組の組長にも就任している温家宝総理は、この達成に政治的責任を負うことになり、いわば背水の陣を敷いたことになる。
現在、温家宝総理が2008年以降も総理を担任するかどうかについて、様々な情報が飛び交っているが、多数説の如く総理に留まる場合、次の任期期間の途中に第11次5ヵ年計画が終了することになり、否応なしに計画目標の達成度を自ら全人代に報告しなければならなくなる。その際に未達成の政治責任を取らされ、総理としての業績に汚点を残すよりは、2007年度にたとえ困難であっても厳しい目標を設定し、断固としたリーダーシップでその実現に努めることにより、できるだけ2008-2010年度の負担を減らす方が、2007年度の目標を曖昧にし問題を先送りするよりは上策ともいえる。
また、この目標は、各中央官庁・地方政府・企業を通じた連帯責任でもある。この点、曾培炎副総理が、全国省エネ宣伝活動初日に江蘇省を訪れたことは興味深い。ここの党委書記である李源潮は胡錦涛総書記の直系と言われており、前年9月の上海市粛清にも大きな役割を果たしたとされている。この場で曾副総理は、李書記以下の江蘇省指導部が省エネ政策の推進に積極的であり、大きな成果を果たしたことを強調したのである。
李源潮書記は、この秋の第17回党大会では中央政治局入りが有力視されており、この微妙な時期にこのような形で曾副総理が彼を持ち上げたことは、胡錦涛・温家宝指導部が打ち出す政策への忠誠度が、今後の地方幹部の人事に大きく影響することを示唆したものともいえよう。
この意味で省エネ・主要汚染物質排出削減は、既に経済的意味合いを超え、17回党大会を控え政治的要素を強めつつあるといえるのではなかろうか。
(2007年6月 7,186字)
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