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ログイン2008年5月2日
2月の輸出は874億ドルであり、6.5%しか伸びておらず、前年同期の伸び率に比べ45ポイントも減少した。この理由としては、次のものが考えられる。
3.商務部 陳徳銘部長(2008年3月12日)
3.1 2月の輸出の伸び率が鈍化した理由について
2月の輸出は874億ドルであり、6.5%しか伸びておらず、前年同期の伸び率に比べ45ポイントも減少した。この理由としては、次のものが考えられる。
(1)春節の要因
今年の春節は2月6日であったが、昨年は2月19日であり、今年は半月前倒しとなった。このため、多くの企業は越年前に急いで輸出を行い、1月の輸出の伸びは比較的大きくなった。2月の輸出は1月より200億ドル余り少ないが、これは道理である。
同時に注意しなければならないのは、昨年2月は春節が比較的遅かったため、一昨年に比べ輸出の伸びが51.6%と比較的大きかった。このため、今年の伸び幅は小さくなったのである。
(2)国際要因
今年はサブプライムローンの影響を受けて米国経済が明らかに鈍化しており、米国の消費も減少している。わが国の対米輸出は昨年12月6.8%しか伸びなかった。今年1-2月期は0.4%しか伸びていない。同時に、対EU輸出も1%増である。このため、対米・EU輸出の反落が輸出の伸びの12ポイント前後の減少をもたらしたのである。
(3)政策要因
昨年、我々は一連の貿易調整政策を相次いで打ち出した。これらの政策の効果は今年徐々に現れている。2月、わが国の原油・ビレットの輸出は基本的にゼロであったし、鋼材輸出も1月の564万トンから311万トンにまで下降し、1-2月期の累計は17.2%低下した。
輸出税還付が引き下げられたアパレル・靴・帽子・旅行用バッグのような労働集約型製品は、2月の輸出の伸びが更に低下した。
(4)人民元の切上げ
今年1-2月は2.9%切り上がっており、05年7月の人民元改革から現在までに16.5%切り上がった。この切上げ要因が輸出のコストの3分の1を占めている。このほかにも原材料値上げ、賃金上昇、環境保護コストの上昇がある。
3.2 輸入・全体動向
(1)輸入の拡大要因
今年の輸入の伸び(前年度比35.1%増)の大きな原因は価格要因の増大である。1月、わが国が輸入した製品は前年同期比で全体価格が14.8%上昇した。1-2月期の主要な輸入商品5品目である原油・石油製品・鉄鉱石・大豆・食用油は、それぞれ60-80%上昇した。これらの5品目の値上げ要因が輸入の伸び率を12ポイント引き上げたのである。
もう1つの要因は、昨年2月の輸入の伸び率が比較的低かったことである。
(2)全体動向
総体として言えば、今年のわが国の輸出は引き続き安定的に伸びるだろう。今年は輸出の伸びを安定的に維持すると同時に、輸出構造の改善に特に注意を払い、貿易の成長方式を転換しなければならない。
同時に、今年は多くの不確定要因がわが国の輸出入に影響を与える。このため、商務部は新しい状況・問題をフォロー・分析し、タイムリー・柔軟に適切な対策を採用し、マクロ・コントロールの現実要請に基づいてテンポ・重点・程度を把握し、今年の輸出入政策をうまく行わなければならない。
3.3 物価上昇
(1)要因
①食品価格の上昇
2月の消費者物価8.7%上昇のうち、食品価格の上昇は23.3%であり、全体の85%前後を占めている。
②国内農産品価格の回復的な上昇
わが国の農産品価格上昇率は、1997-2006年の10年近く、年平均0.7%前後で低迷していた。この間、個人所得の伸びはこれを大きく上回っていたのである。
③1次産品価格の上昇
私が非常に重要だと感じ、商務部が実際の活動で実感するのは、鉱石・エネルギー・資源・農業副産品等の国際1次産品価格が全面的・大幅な上昇期に入っているということである。1次産品価格の上昇は世界経済が回復的に成長したこととも関係するが、昨年下半期以降FRBが5回利下げを行いドルが大幅に下落したことが、1次産品価格の上昇を更にプッシュしている。
(2)今後の見通し
商務部として物価動向をどう見るかは難しく、不確定要因が比較的多い問題である。我々の見方では、現在の寒波・氷雪災害という短期的要因の物価への影響は消えつつあり、消費者物価は高水準で安定に向かう可能性がある。更に昨年の物価動向が前半低く後半高かったことを加味すれば、今年は高い上昇率から始まってしだいに上昇率が低くなっていく局面が現れるのではないか。
しかし、低い上昇率がどの程度となるかは、我々の施策とコントロールの程度と、この場にいる皆さんを含む全国民の信念、国際的な不確定要因の動向等によって決まることになる。
3.4 日中食品貿易(王受文対外貿易司長が回答)
日本は既に中国の第3の貿易パートナーであり、中国は日本の第1の貿易パートナーである。我々両国の貿易は、相当長期間迅速に発展してきた。中日食品貿易について言えば、中国の食品輸出の4分の1は日本市場向けであり、日本の統計では日本の食品輸入の16%は中国市場から来ている。中日間の食品貿易は相互補完的なものであり、日本の広範な消費者の需要を満足させている。現在、日本の食卓のニンニク・落花生・キノコの90%は中国産である。
中国製品は質のみのらず、価格でも競争力がある。現在、中国から日本に輸出している食品の価格は、一般的に日本産の価格の2分の1~3分の1である。中国が日本に輸出している食品の全体としての質は非常に良い。我々の統計によれば、昨年わが国が日本に輸出した75億ドル前後の食品のうち、47%は中国に進出した日本企業が生産・輸出したものである。これらの進出日本企業は、中国における生産で製品の質を保証しているのみならず、中国のその他の企業に管理経験・技術上の模範を示している。
同時に、中日間の食品貿易は良好なメカニズムによって保障されている。中国が世界の日本を含む他の国家に食品を輸出する際には、いずれも国家質検総局の登録を経ている。輸出食品の使用原料も国家質検総局への届出が必要であり、これらの措置は中日食品貿易の質に問題がないことを保証している。中国製品・中国食品は絶対安心して食べることができるし、信頼に足るものである[1]。
3.5 直接投資
1月の直接投資は109%増加した。このように伸びた理由は以下のとおりである。
(1)大型プロジェクトの投資
1- 2月の状況からすると、大プロジェクトの参入速度が加速している。
とりわけ、3000万ドル以上の企業投資が前年同期比で3.5倍になっており、これは国際資本・世界の国外投資が依然中国経済の発展を好感していることを物語っている。
(2)人民元レート切上げ
人民元のドルに対する切上げ期待が投資家の出資を加速させている。
(3)政策の調整・変化
昨年末以前は、外資企業が中国で稼いだ利潤を中国で再投資すると、すでに納付した企業所得税の40%を還付してもらえた。しかし、この政策は今年からは執行されていないし、内外の企業所得税の統一が実行された。このため、多くの企業は中国で稼いだ利潤をこの時期に集中的に再投資したのである。
(4)中西部への投資奨励策
中・西部地域の外資利用は、それぞれ2.4倍・4.3倍になっている。一部の加工貿易が西部に移転したことは明白である。
(5)国際的影響
サブプライムローン危機の影響を受け、先進国の経済は鈍化しており、投資家は中国への投資の成長性が比較的良好であると感じ、中国への投資を更に望んでいるのである。
3.6 人民元切上げの加速について
(1)輸出への影響
率直に言って、輸出には影響がある。人民元が切り上がるごとに、価格の新たな駆け引きが行われている。この影響には当然、プラス・マイナス面がある。プラス面としては、輸入に有利であり、わが国が貿易構造を調整し、貿易の発展方式を転換することに資するものである。
(2)貿易黒字について
わが国の貿易黒字が比較的大きいため、人民元の上昇過程において、切上げを加速し貿易不均衡を減少するよう望む声を国外から耳にする。この機会を借りて、一言申し上げたい。私は多くの経貿部長・財貿部長・外交部長に言っているのだが、中国は決して故意に貿易黒字を追求しているのではない。過大な黒字は過大な外貨を生み出し流動性を増加させるので、中国経済自身の発展にとって不利となる。経済を理解し、知性のある人ならこの点を見て取るべきであり、中国はこのような状況を希望していない。
当然、貿易構造は我々の主観でどうなるものでもない。貿易構造は各国の経済構造が異なり、国際分業を行うことにより作られるものである。わが国は米国に1600億ドル余りの黒字があるが、米国は全世界に数千億ドルの赤字がある。経済構造調整により、米国は低付加価値・一般的な製造業を世界各地に移転し、高付加価値の製造業・サービス業を留保している。この部分が米国経済の70-80%以上に及ぶ。このような経済構造が米国の貿易赤字を形成しているのである。しかし、より広い観点からすれば、米国は大量の資本を発展途上国に投資しており、投資収益として大量の金を回収しているので、米国の国際収支は黒字なのである。したがって、貿易の黒字・赤字の角度から単純に人民元の切上げを要求するのは不合理であり、我々がなすべきは国際収支の均衡である。
国際収支上は、貿易は黒字・赤字の問題が出現するだけではなく、輸入拡大・国外消費の問題もある。中国は、今ますます多くの人間が国外に旅行し、多くの子弟が国外で教育を受けている。これらはみな海外消費である。また、中国からの国外投資も、人民元切上げ圧力の問題を解決する上で重点的に解決しなければならない問題である。
3.7 市場の運営(房愛卿市場運行司長が回答)
最近我々は600の消費財を調査したが、需給が均衡している商品が徐々に増加している。だが、確かに一時期・一部の地域で一部の商品の供給が逼迫する状況が出現している。商務部は市場供給を保障する活動を非常に重視している。
(1)市場のモニターを強化する
商務部は、都市・農村の市場情報サービス体系を確立した。我々はタイムリーにモニターを行い、メディアを通じて情報を提供し、市場の需給均衡を誘導する。
(2)我々は生産・販売のリンクを強化する
商品によっては、本来需給が均衡しているにもかかわらず、生産・販売がうまくリンクしていないため、不均衡が発生している。
(3)我々は備蓄により調節する
雨・雪害の際、我々は肉の備蓄を通じて一部の地方の市場への供給を保障した。
(4)輸出入により調節する
内外の市場・内外の資源を利用する。
(5)市場秩序の監督管理を保障する
商品の供給が逼迫すると容易に品質の問題が発生する。商務部は市場秩序の整頓を強化し、特に肉の安全を保証している。
3.8 人民元レートと物価の上昇について
最近数ヶ月、人民元レートの上昇が速いが、消費者物価の上昇も速い。中国のように13億の人口を抱える大国は、穀物を自分達のみの力で基本的に満足することはできず、外国からの輸入で解決しなければならない。人民元が更に切り上がっても、中国が世界の物価を押し上げてしまうのである。
世界は現在供給が需要を上回る状況にはなく、世界の一次産品・鉱石資源・エネルギー・穀物はタイトな均衡状態と高価格水準にある。ここ数ヶ月、国際価格の上昇は国内価格の上昇よりもはるかに大きい。このような状況下で、我々は人民元レートの上昇に伴い、過剰な外貨準備を利用して国際商品を購入することは困難である。第1に、我々が購入すれば、多くの国家は我々が国際価格を引き上げたと指弾するだろう。第2に、国際価格の上昇はインフレの輸入につながり、我々の抱える問題を激化させることになる。したがって、内外価格差が合理的な状況下では、適度に外国から輸入することはできても大量の輸入は不可能である。
3.9 外資の不動産業参入への制限について(李志群外資司長が回答)
国家のマクロ・コントロールに合わせ、我々は外資が不動産領域に参入することへの管理を強化した。2006年以降、国務院及び関係部門は不動産領域における外資の投資管理を規範化・強化する文書を発布しているが、この主要な目的は外資が不動産領域に投資する際の審査許可手続・原則を更に規範化し、投機的資金がわが国の不動産領域に侵入することを防止することにある。この施策は関係部委と共同で行っている。
(2008年4月記・4,936字)
[1] なお、陳部長はギョーザ事件にも言及しているが、基本的にこれは個別事件であり、中国警察が日本警察と連絡をとりながら非常に真剣に調査を行っていることを強調するとともに、両国が戦略的互恵関係の確立に力を入れていることを強調している。
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