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.人民銀行
1.人民銀行工作会議(2006年1月5日)
(1)2005年の金融情勢
2005年11月末、M2の伸びは前年同期比18.3%、M1の伸びは12.7%、全金融機関貸出しは2.2兆元増。
(2)2006年の金融政策
A 穏健な金融政策を引き続き実行する。
M2の目標は16%、M1は14%、全金融機関の新規貸出し増は2.5兆元。金利の市場化を着実に推進し、金利形成メカニズムを整備する。
B 外貨管理体制改革を推進し、人民元レートの形成メカニズムを整備する。
中国の経済・金融の発展と安定の要請から出発し、主体性・コントロール可能・漸進性の原則に基づき、管理された変動相場制を整備し、市場需給が人民元レート形成に果たす基礎的な役割を十分に発揮し、人民元レートの合理的で均衡のとれた水準での基本的安定を維持する。
C 金融産品の革新を推進し、金融市場の健全な発展を促進する。
D 金融企業改革を深化させ、国有商業銀行改革の発展推進に力を入れる。
現在、国有商業銀行の株式制改革はカギとなる段階にあり、中央の要求と手配に基づき、確固とした成果の上に改革を引き続き着実に推進する。農村金融体制改革を統一的に企画する。1行1政策の原則のもと、政策性銀行改革案を段階的に制定・実施する。金融持ち株会社の規範化された発展を推進する。
E 金融リスクを防止・除去し、金融システムの安定を維持する。
預金保険制度の建設を加速し、市場経済の要求に符合したリスク補償のメカニズムを確立する。
F 支払いシステムの建設を更に加速し、支払いシステムの監督管理メカニズムを整備する。
G 貨幣発行と管理をしっかり行い、国庫経理の水準を高める。
H 信用貸出しの信用証明管理を強化し、信用体系の建設を強化する。
I 反マネー・ロンダリング制度の建設を強化し、中国における反マネー・ロンダリング活動を全面的に推進する。
J 国際金融組織・各国との金融対外交流・協力を引き続き強化する。
K 金融立法と法に基づく行政を推進し、金融の情報化を加速する。
L 内部管理を改善し、内部規制メカニズムの建設を強化する。
2.全国外貨管理工作会議(2006年1月5日)
胡暁煉局長は、「国際収支の均衡は長期にわたる複雑な過程であり、統一的に企画・考慮しなければならない。政府の機能転換と体制の革新を加速し、マクロ経済政策の協調的な組み合わせを強化し、為替レート・金利等の市場手段の作用を更に発揮させ、国際収支均衡促進へ力を合わせなければならない」と述べ、2006年の施策については、貿易投資の便利化を推進し、資本流出のルートを広げ、外為市場の育成・発展に力を入れ、人民元形成メカニズムを更に改善し、短期資本の流入管理と国際収支の観測事前警戒を強化し、国際収支の均衡を促進しなければならないとした。そして、次の施策を重視するよう指示している(2006年1月5日新華社北京電)。
a 経常項目の外貨管理を改善し、貿易投資の便利化を促進する。
輸出入の審査許可改革を強化する。
b 外為市場を更に発展させ、管理された変動為替レート制度を整備する。
小額外貨兌換の金融サービスを改善する。
c 資金の流出入ルートを広げ、資本項目の兌換可能性を着実に推進する。
対外投資の外貨利用限度額規制を取り消す。
d 資金流入を更に規範化し、国家の経済・金融の安全を維持する。
短期外債の観測・管理を強化する。
e 外貨準備の経営管理を改善し、外貨準備資産の有効な運用方式を積極的に探索する。
外貨準備の通貨構造と資産構造を更に高度化し、外貨準備の投資領域を引き続き拡大する。
f 外貨資金の流出入の均衡の監督管理を強化する。
外為違反の情報公開制度を全面的に拡大する。
3.統計
2006年1月16日、人民銀行は統計速報を発表し、2005年12月末に個人預金残高は14兆元を突破し、14兆1050.99億元に達したとした。2005年は個人預金残高が1月に12兆元、5月に13兆元を突破しており、急速な伸びとなっている。また、預金全体では28兆7200億元であり、対前年比18.95%の伸びであった。
人民銀行が行った第4四半期アンケート調査によれば、預金金利が低いと思う者は62.1%と前期比で2ポイント上昇した。適度と思う者は36.3%で1.4ポイント減少している。このように国民が金利が低いと感じつつも、なお預金を増やしている原因について、専門家は次の諸点を指摘している(2006年1月16日付け中国青年報)。
a 国民の消費意欲が引き続き下降している。
b 人民元レート改革が、国民の人民元への信用を強め、貯蓄意識を再び活発にした。
c 投資ルートが欠けている。最近の証券市場検査で、投資家の盛り上がったばかりの株式への信用が再び低下している。国債発行量には限界があり、需要を満足し難い。
4.周小川行長ダボス会議発言(2006年1月26日)
(1) 高貯蓄率の原因(2006年1月28日付け経済参考報)
現在、中国国民の貯蓄の対GDP比は40%以上となっている。高貯蓄率は、中国の伝統文化・社会構造・家庭観念等多くの要素が関係しているが、社会保障体系が不健全なことが庶民の金を使おうとしない重要な原因である。しかし、社会保障体系が不健全であることは暫時のことであり、政府は年金・医療保障、教育体系改革を通じて国民の「予防的貯蓄」を減少させ、貯蓄の対GDP比を正常な水準に下げなければならない。
(2)人民元レートについて(2006年1月27日付け第一財経日報)
A 為替レート制度について
中国の為替レート政策は良好な状態にあり、現在重大な改革を進行する必要はない。人民元と米ドルレートの変動幅には問題はなく、まだ十分に利用もされていない。
B 通貨バスケットにおける米ドルの比重
米ドルの比重は50%よりはるかに低い。
.銀行業監督管理委員会
1.銀行業監督管理委員会工作会議(2006年1月16日)
(1) 黄菊副総理指示
2006年の施策として、次の4点を指示している(2006年1月16日新華社北京電)。
a 科学的発展観を用いて銀行業の監督管理を行うことを堅持しなければならない。
銀行業・金融機関のコーポレート・ガバナンス、内部管理水準の向上を穏当に推進しなければならない。
b 銀行業の改革開放の推進を着実に実施しなければならない。
国有商業銀行改革の必要性・困難性・複雑性を十分に認識しなければならない。国有商業銀行の株式制改革においては、国家の絶対的な株支配の地位を堅持し、国家の経済・金融の安全を確保しなければならない。コーポレート・ガバナンスを規範化し、内部規制メカニズムを整備し、株式制改革の成果を不断かつ強固に発展させることを確保しなければならない。農村信用社改革を深化させ、農村金融の革新を推進し、農村金融を発展させなければならない。郵貯機構改革をしっかりと行わなければならない。
c 監督管理を強化し、リスクの防止・除去に努め、銀行システムの安定を維持しなければならない。
引き続き不良債権額・不良債権比率を引き下げ、銀行不祥事の処理・防止、ハイリスクの金融機関の処置をしっかり行わなければならない。
d 幹部の隊伍建設を強化し、監督管理能力の向上を目標とし、銀行業監督管理の重任を担当するに足る学習型・専門家型・実務型・開拓型の隊伍建設に努め、銀行業の監督管理の新局面を切り拓くよう努めなければならない。
(2)劉明康主席指示(2006年1月19日付け中国証券報)
A 銀行の内部改革
2006年、「大型国有商業銀行株式制改革、コーポレート・ガバナンス改革、監督管理ガイドライン」を提出し、銀行の制度改革に際して深層の内部改革に力を入れるよう誘導する。
B その他銀行業・金融機関の改革を引き続き推進する
光大銀行、広東発展銀行等の機関の改革・組織再編を指導し、ノンバンクの改革・監督管理を強化し、リース業の発展活力を増強する。条件に符合した企業集団がファイナンス会社を設立することを積極的に奨励し、実力のある中国資本の自動車企業が自動車ローン会社を設立することを支援する。農村信用社の改革を深化させることを重点においた農村金融改革を推進する。
C 銀行のリスク防止・除去のための施策
a 不良債権の反動増を防止し、資産の質の分類に基づき、不良債権の監督管理の対応を強化する。
b 産業構造調整と生産能力過剰の圧縮過程において、新たなリスクが増加することに密接に注意を払い防止する。特に、制限を受ける業種・企業の淘汰と、信用供与が巨額にのぼる集団に重点的に関心を払い、潜在リスクをタイムリーに発見・提示・抑制・除去する。
c 引き続き不祥事の発生率を引き下げるとともに、防止成功率を引き上げることを目標とし、不祥事の処理専門活動を深く展開する。問責制を強化し、違法等の不祥事とその責任者に対する処置・追及を強化し、金融犯罪行為に厳格な打撃を与える。
d ハイリスクの機関のリスクの処置を推進する。ノンバンクの歴史的リスクの除去とハイリスクの機関の処置のテンポを加速する。預金保険制度の確立を推進する。
D 郵貯改革について(2006年1月19日付け新京報)
郵貯資金が農村に還流するルート、資金運用リスクの監督規制メカニズムを検討・確立しなければならない。郵貯銀行の初期においては、都市・農村住民のための基礎的な金融サービス提供と低リスクの資金運用業務から開始し、徐々に業務領域を広げていくべきである。銀行業監督管理委員会は、早急に郵貯銀行設立案に対し意見を付して回答し、年内に郵貯銀行の各クラスの機構が設立でき、看板をかけられるようにする。
(3) 統計(2006年1月17・26日新華社北京電)
中国銀行業の2005年末総資産は37兆元となり、対前年比18.4%増となった。新規貸出し増は、2003年の3兆元から2005年は2.5兆元に減少した。貸出しの伸びでは、2003年の21.4%の速い伸びから2005年は12.8%に減速した。
主要商業銀行(国有商業銀行・株式制銀行)の不良債権比率は2003年初の17.2%から8.9%に低下した。また主要商業銀行で自己資本比率が8%に達した銀行は2004年初の8行から2005年末には53行となった。不良債権残高と不良債権比率は共に低下し、残高は2003年から2005年にかけて、それぞれ1863億元、3947億元、4986億元減少し、比率はそれぞれ5.8、4.6、4.3ポイント低下した。貸倒引当金引当不足は、2005年末で6274億元であり、2004年より3323億元減少し、引当率は32.6%と12.4ポイント上昇した。
(4) 銀行検査
2005年は1205の規則違反を犯した機関に対し、処罰をくわえた。6826人の関係者が処分を受け、325名の高級管理職が資格を失った。
現場検査は1万5280回に及び、対象金融機関は6万8360行に及んだ。検査カバー率は34%である。不祥事の発見は1272件であった。
(つづく)
(2006年2月記・4,100字)
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