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ログイン2006年4月7日
労働・社会保障部
1.退職年齢の調整について
関係者は、退職年齢の調整は時機がまだ未成熟であり、現在の主要任務は現行の退職年齢を執行し、定年前の退職を抑制することであるとした(2005年12月15日人民網北京発)。
彼によれば、経済・社会の発展に伴い、退職年齢方面の矛盾・問題が出現している。
A退職年齢がかなり低いことと、人口寿命の延長の矛盾。
現在わが国1人平均寿命は既に72歳前後に達しており、そのうち都市の平均寿命は75歳を超えている。
B 女性労働者は身分の違いによって、2種類の退職がある。
企業では、既に幹部・労働者の身分の境界が打破されている状況下で、実際の活動において多くの紛糾が生じている。
C 定年前の退職問題が比較的際立っている。
現在、わが国の企業労働者の平均退職年齢は53歳である。
2.全国労働保障工作会議(2005年12月20日)
詳報はないが、2006年の都市新規就業増を900万人とし、都市登録失業率を4.6%以内に抑えることが決定した旨報じられている(2006年12月20日新華網速報)。また、一時帰休・失業者の再就職500万、そのうち「女性40歳以上、男性50歳以上」等の就職困難者の再就職を100万とする目標も定められた(2005年12月20日付け第一財経日報)。
3.田成平部長インタビュー(2006年1月1日新華社北京電)
第11次5ヵ年計画期間の重点施策について、次の点を指摘している。
経済発展と社会建設、労働就業と社会保障、都市社会保障と農村社会保障、公平と効率、政府の役割と市場の効率を統一的に企画するという高度の観点から、支給を確保し、カバー範囲を拡大し、制度を完備することを重点として、健全な社会保障体系を更に確立する。
(1)支給を確保するとは、企業の離退職者の基本年金を引き続き遅滞なく全額支給することを基礎として、社会保険の各種給付の支給を確保し、保険加入者の基本生活・権益を保障することである。
(2)カバー範囲を拡大するとは、更に公平を重視し、社会の調和を促進するという高度な観点から、社会保障のカバー範囲を早急に拡大することの意義を認識し、特に制度革新を通じて、機関事業単位の人員、臨時雇用の人員、出稼ぎ労働者、土地を徴用された農民等の社会大衆に対して、その就業と収入の特色に適合した制度を手配し、彼らの保険加入を促進することである。
(3)制度を完備するとは、制度改革を深化させ、更に積極的な社会保障政策を検討・制定し、現行の各種保険制度の保障機能を強化し、多層にわたる社会保障体系を徐々に整備し、経済社会の発展に基づき保障水準を適切に引き上げることである。同時に、都市・農村の発展を統一的に企画し、社会主義の新農村を建設するという要請に基づき、経済発展水準に適応し、その他の社会保障とのバランスがとれた農村社会年金制度の確立を徐々に模索していくことである。
4.労働・社会保障工作座談会(2006年1月13日)
(1)黄菊副総理講話(2006年1月13日新華網北京電)
A第10次5ヵ年計画期間においては、全国都市就業者は4200万人増加し、連続3年中央が確定した就職・再就職目標を超過した。
B就職・再就職工作に当たっては4つの結合をしっかり行わなければならない。
a経済の発展と就業の拡大を緊密に結合する。
発展のなかで就業問題を解決することを堅持し、経済成長と就業拡大の良性の相互作用を実現する。
b歴史的な遺留問題の解決と長期に効果的な就業メカニズムを緊密に結合する。
経済体制の転換に際し取り残された一時帰休・失業者の再就職問題を責任もって適切に解決する。市場経済の条件下、政府が就業を促進する政策措置を更に模索する。
c就業の促進と職業教育を緊密に結合する。
都市・農村労働者の職業訓練と技能人材育成を強化し、社会各方面の力を広範に動員して職業訓練の推進に力を入れる。
d中央と地方双方の積極性を緊密に結合する。
地域と現地の実情を結合させることを奨励し、更に焦点の合った政策措置を制定する。
C国務院の決定を真剣に貫徹し、企業労働者の基本年金保険制度をしっかりと整備する。
個人口座のテストを拡大する。テスト地域について、実施方案を早急に制定する。年金保険のカバー範囲を更に拡大する。財政支出構造を調整・改善し、就職・再就職・社会保障への支援を強化する。
(2)田成平部長の説明(2006年1月14日新華社北京電)
A 20年余りの改革、とりわけ近年の改革を経て、労働・社会保障領域において、体制転換の遺留問題が解決され、市場主導の就業メカニズムと社会保障体系の枠組みが初歩的に確立した。第11次5ヵ年計画期間には、引き続き現在の際立った問題と体制転換で残った歴史問題をうまく解決するとともに、長期に有効なメカニズムの建設について積極的に模索し、突破を勝ち取らなければならない。
B 今後数年間の就職・再就職工作の重点は、依然体制転換で残った一時帰休・失業者の再就職問題とリストラ・破産の対象となった企業の労働者の再配置問題を解決することである。同時に、都市・農村の就業を段階的に統一的に企画し、労働者の素質を引き上げ、市場経済条件下における就業の長期に有効なメカニズムの確立を模索することである。
C 職業訓練を就職・再就職の重要措置としてしっかり把握し、高技能の人材育成を加速するとともに、職業訓練の新メカニズムを積極的に確立しなければならない。企業の離退職者の基本年金を遅滞なく全額支給することを年金保険工作の主要任務とし、同時にわが国の国情に合致し、持続的発展が可能な基本年金保険制度を確立しなければならない。
(3)王軍副部長の説明(2006年1月13日新華社北京電、1月14日付け人民日報)
A 1998年から2005年にかけて、全国財政社会保障経費年支出は平均30%近い伸び(29.4%)となり、598億元から3600億元前後に達した。財政総支出に占める割合も5.5%から11%に上昇した。そのうち、全国財政が企業労働者の基本年金基金に対して行った年間補填は22億元から600億元余りに増加し、8年間累計で補填支出は3000億元余りとなり、都市企業労働者の基本年金が遅滞なく全額支給されることを保証した。
B 2003年から2005年にかけて、中央財政は毎年国有企業の一時帰休者の基本生活保障補助金として100億元規模を維持しながら、再就職資金を3年で239億元支出し、地方財政も応分の資金を支出した。職業訓練、教育、労働者の素質向上のため、中央財政は特定資金を2000年の5000万元から2005年の7.6億元にまで増加させた。これと同時に、多くの方面の努力により、各種社会保険基金の財務状況は年々好転しており、基金の均衡自主達成能力は更に増強された。
C 今後一時期、各地における就職・再就職・年金保険等社会保障工作を更に支援し、中央財政は地方に対する特定項目移転支出(補助金)とりわけ、中西部地域及び旧工業基地に対し適切な補助を行う。国有企業の一時帰休者の基本生活保障を失業保険に統合する工作を基本的に完成することを考慮すると、就職・再就職工作はかなり困難であり、2006年の中央財政は、就職・再就職補助に充てる資金規模を大幅に増加する。中央の就職・再就職資金の分配を、地方の就職・再就職工作・財政投入等の状況とリンクさせる原則は、変更しない。
(4)その他(2006年1月14日付け人民日報、同新華社北京電)
A 第11次5ヵ年計画期間にわが国は年金保険加入人員を1000万人以上増加させ、年増加率を6%以上とし、保険加入者が2.2億人を超えることを実現する。第10次5ヵ年計画期間においては、年金保険加入者は3800万人増加し、1.74億人に達した。
B 2005年の全国基本年金保険基金の総収入額は5000億元を超過し、そのうち保険料収入は4248億元と、第9次5ヵ年計画末(2000年)の倍となった。今後、国家は引き続き保険料徴収を強化し、基金収入を増加させる。
C 第10次5ヵ年計画末(2005年)において、職に就いている労働者の平均年間賃金は1万8000元前後であり、年平均12.6%の増であった。第11次5ヵ年計画期間は、企業の賃金分配のマクロ・コントロールを強化し、企業労働者の賃金水準の更なる引上げを促す。
5.統計
2006年1月19日、スポークスマンの胡暁義は、2005年の統計を発表した。その概要は以下のとおりである(2006年1月19日新華社北京電、同1月20日付け人民日報)。
(1)2005年、全国都市新規就業増は970万人であり、一時帰休・失業者で再就職した者は510万人であった。そのうち、「40歳以上の女性・50歳以上の男性」の再就職は130万人で、いずれも目標を上回った。都市登録失業者は839万人で、都市登録失業率は4.2%と、前年並みの水準であった。2006年の就職・再就職の目標は、都市の新規就業増を900万人とし、国有企業の一時帰休・失業者を500万人再就職させ、都市登録失業率を4.6%以内に抑制することである。
(2)第10次5ヵ年計画末(2005年)には、全国都市・農村就業者数は7.6億人に達し、第9次5ヵ年計画末(2000年)より4000万人増加した。そのうち、都市就業者数は2.7億人近くに達し、第9次5ヵ年計画末より4200万人増加した。第10次5ヵ年計画期間において、1800万人余りの国有企業一時帰休・失業者が再就職を実現した。そのうち、2003年以降、就業援助の実施を通じて390万人の就職困難者(40歳以上の女性・50歳以上の男性)の再就職を実現した。
(3)2004年以降、「3年間新技師50万人増計画」を実施し、既に28万人の新技師を育成した。第10次5ヵ年計画期間に、全国で400万人が再就職訓練に参加し、30万人が創業訓練に参加した。
(4)2005年の労災保険基金の収入は87億元であり、全国63万人が労災保険の対象となっている。2006年は、大中都市を重点地域とし、危険の高い石炭・建築等を重点業種とし、出稼ぎ農民を重点人員として、労災保険のカバー範囲を拡大する。
(5)2005年末の全国失業保険加入者は1億648万人であり、2000年末より239万人増加した。失業保険金の受領者は362万人であった。2005年失業保険基金収入は333億元であり、2000年より173億元増加した。2005年には、全国で678万人が異なる期間の失業保険給付を受けた。2006年においては、失業保険制度を更に整備し、失業保険制度の再就職促進機能を十分に発揮する。東部地域において、失業保険基金の支出範囲を適切に拡大するテストを進行する。国有企業のリストラ・破産を着実に推進する。
(6)2005年末における全国医療保険加入者は1億3709万人であり、2000年末より9922万人増加した。2005年、医療保険基金収入は1378億元であり、2000年の8倍強となった。2006年は、混合所有制・非公有制経済組織の就業者を基本医療保険に加入させることを更に推進する。各地を指導し、多様なルートで資金を調達し、経営困難な企業の労働者や破産した国有企業の退職者の医療保障問題を徐々に解決する。更に多くの出稼ぎ農民を誘導し、医療保険に加入させる。
(7)2005年末の全国生育保険の加入者は5389万人であり、2000年末より2387万人増加した。2005年の生育保険基金の収入は42億元であり、2000年より282%増加した。2005年は全国で60万人が生育保険の対象となっており、現在20の省(区・市)で生育保険の法規が制定されている。
(8)2005年の年金・失業・医療・労災・生育の5種の社会保険基金の総収入は7000億元に接近し、総支出は5400億元余りであった。
(9)2006年に、天津、上海、山西、山東、河南、湖北、湖南、新疆の8省区において、基本年金保険の個人口座テストを進行する。
(注)2006年から個人口座積立分の保険料が賃金の11%(現状では地域により個人負担4−8%、企業負担3−7%)から8%(全て個人負担)に引き下げられ、従来企業が個人口座に補填していた3%分は年金の空口座問題の解決に充てられることとされた(2005年11月25日付け国際金融報)。
6.その他
(1)財政部
李勇副部長は、ハルピンで開催された「投資環境改善・東北振興促進国際検討会」において、東北3省の社会保障体系改革・建設のため、2003年から2005年にかけて中央財政が東北3省に給付した補助金は661.6億元に及ぶことを明らかにした(2006年1月16日新華社ハルピン電)。
このなかには、企業労働者基本年金補助金369.3億元、国有企業一時帰休者生活保障・就業補助119.4億元、都市住民最低生活保障補助67.1億元、社会保障改革テスト資金105.8億元が含まれる。第11次5ヵ年計画期間においては、財政部は東北3省の社会保障体系整備テストの経験を総括し、財政支出構造を更に調整し、社会保障への投入を増やすことになる。
(2)国家発展・改革委員会
経済研究所の楊宜勇副所長は、「第一財経日報」の取材に対し、2006年の中国の新たな労働力増加は1200万人前後であり、うち高等教育機関卒業生は400万、中等職業学校卒業生270万、2005年に進学しなかった初級・高級中学校卒業生210万、復員軍人70万(リストラ20万を含む)、農村戸籍を移転して就業する人口(農民工でない者)260万である。このほか、2006年にまだ国有企業一時帰休者で職に就けない者が100万人、2005年末に登録している失業者が840万人であり、これらを総計すると、2006年に就職・再就職工作の対象となるのは2150万人であるとの見通しを示している(2005年12月20日付け第一財経日報)。
(つづく)
(2006年4月記・5,068字)
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