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経済諸会議の動向(1)

中国ビジネスレポート 政治・政策
田中 修

田中 修

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2007年1月15日

記事概要

1.全国発展・改革工作会議(2006年12月9日)
2.経済日報2006年12月25日論文
3.全国物価局長会議(2006年12月10日)
Ⅱ.財政部
1.全国財政工作会議(2006年12月19日)
2.全国税政工作会議(2006年11月29日)

 Ⅰ.国家発展・改革委員会

 

1.全国発展・改革工作会議(2006年12月9日)

(1)投資政策(人民日報2006年12月10日)

 馬凱主任は、「2006年の固定資産投資の伸びは反落したものの、反落の基礎は確固としておらず、反動増の圧力は依然存在し、2007年の任務はなお困難である」とする。

 馬主任は「4つの依然」という表現で投資の反動増圧力を表現する。即ち、

A伸びが依然かなり高い

 2006年の全社会固定資産投資の伸びは、2005年よりは下回ることになろうが、1-11月期の都市固定資産投資の伸びは、なお26.6%に達する。

B建設中の規模が依然過大である

 初歩的な推計では、2006年の建設中のプロジェクトの投資規模は32兆元であり、前年比5兆元の増加となる。

C新規着工プロジェクトが依然かなり多い

 1-10月期、各地の都市投資は2.13万件増加した。

D投資の過度な伸びをもたらす体制メカニズムの問題が依然根本的な解決をみていない

 このため馬主任は「2007年は固定資産投資のコントロールを引き続き強化する」とし、投資政策の方向は、「投資の伸びを合理的にコントロールし、投資構造の調整に力を入れ、投資効率の向上を重視し、『区別して対応し、維持するものと抑制するものとを分ける』ことを堅持し、主として経済・法律手段を用いながら必要な行政手段でこれを補う」とする。

 また「2007年は、プロジェクト建設の土地・環境保全・省エネ・技術・安全等の方面における参入許可基準を適切に引上げるとともに厳格に執行する」とし、プロジェクト新規着工には、次の6つの必須条件に適合しなければならないとする。

A国家の関連産業政策、発展計画、市場参入許可基準に符合すること

B投資プロジェクトの審査・許認可・届出をクリアすること

Cプロジェクト建設用地の予備審査を展開し、農地転用と土地収用の審査をクリアすること

D環境アセスメントの評価・審査をクリアすること

E固定資産投資の省エネ評価をクリアすること

F融資、安全管理、都市計画などの規定・要請に符合すること

(2)2007年の経済政策

 馬凱主任は次の4点をしっかり掌握しなければならないとする(新華社北京電2006年12月9日)。

A経済の平穏な運営を維持し、大きな起伏が出現することを避けることは、依然としてマクロ・コントロールの主要任務である。

 2007年の経済政策は、穏健な財政政策と金融政策を堅持し、同時に石炭・電力・石油・運輸の需給調節をうまく行い、経済運営のモニターと事前警告を強化する。

B投資と消費の関係を徐々に調整し、産業構造と産業立地を改善し、省エネ・省資源と汚染排出減に重点的に取り組み、自主的な創造・革新を中心部分とすることにより、成長方式の転換を促進し、質・効率の向上を促進する

 「投資調整、消費促進を2007年の構造調整の際立った任務とする」とし、前述のとおり固定資産投資へのコントロールを強化するとともに、消費拡大策として、都市・農村住民所得の一層の増加、最低賃金制度の合理的な調整と厳格な執行、低所得者の所得水準と消費能力の引上げを挙げている。

また、2006年のGDP単位当たりエネルギー消費がある程度減少したことを基礎に[i]、発展・改革委員会は2007年において、省エネ・省資源・汚染物質排出減をしっかり行い、年度ごとに省エネ目標をタイムリーに分解して実施し、エネルギー多消費業種・企業の省エネ施策に重点をおき、エネルギー消費をプロジェクト審査の強制的な関門とし、バルブを厳しく締めることで、省エネ・省資源・汚染排出減を促進する体制メカニズムを健全化する、としている。

C関連部門と協議し、科学的な省エネ・汚染排出減の指標体系・評価システム・モニターシステムを早急に確立する

 2007年は次の改革を行うとする。

a投資体制改革を引き続き深化させる

b資源性産品の価格改革を深化させる

精製油価格を合理化し、天然ガスの出荷価格の形成メカニズムを整備し、天然ガスと代替可能なエネルギーの価格差を縮小させ、差別的な水の価格政策を実行する。

c独占業種の改革を速やかに推進する

d社会事業の改革を積極的に推進する

 関連部門と協議し、医薬・衛生体制の改革を深化させる総体的な方針と政策措置を、緊急に検討・提出する。

D公共資源の配分を大衆が直接に利益を受ける方面に傾斜させる

 次の施策に重点がおかれる。

a教育事業の発展を優先させることを堅持する

bコミュニティの衛生サービス体系の建設を加速する

 公共衛生・医療サービス体系を整備し、新型農村合作医療のカバー範囲を一層拡大し、大病への統一的対応を主とした都市住民の医療保険テストを展開する。

c就業の促進と都市・農村を統一した就業テストを引き続き展開する

d所得分配制度改革の基本的方針を検討提出する

 

2.経済日報2006年12月25日論文

 このなかで、発展・改革委員会は「2006年以降、わが国の循環経済は更に発展し、循環経済施策は更に強化された」として、その成果を強調しつつも、「わが国の循環経済施策は立ち上がったばかりであり、循環経済の発展はなお峻厳な試練に直面している。2006年上半期、わが国のGDP単位当たりエネルギー消費は0.8%増加し、主要汚染物質はなお増加した。これは、2006年の4%の省エネと主要汚染物質排出総量2%減の拘束目標とは大きな隔たりがある。一部の地域は、循環経済の必要性と切迫性について認識が不足しており、循環経済発展の目標・任務がなお不明確であり、具体的措置が不十分である。財政・税制・投資等により、循環経済の発展を奨励する政策がなお不完全であり、循環経済の発展を支える科学技術の体系が未形成である。循環経済の発展にはなお多くの施策が必要であり、まだ長い道のりを歩まなければならない」と指摘している。

 そして、ここ数年の循環経済の発展実践において、次の教訓が得られたとする。

A立法において循環経済の発展理念が十分体現されなければならない

B循環経済の発展を促進する法規体系を確立させなければならない

C循環経済を発展させる基本的な管理制度を確立しなければならない

D法執行において監督を強化しなければならない

 

3.全国物価局長会議(2006年12月10日)

 全国発展・改革工作会議の一環として開催されたものであり、これが大きく報道されるということは、価格政策が現在中国の大きな課題となっていることを物語っている(経済日報2006年12月11日)。

(1)2007年価格政策の総体的要求

A価格コントロールを強化・改善し、価格総水準の基本的安定の維持に努める

B資源環境価格の改革を深化させ、経済成長方式の転換・資源節約・環境保護を促進する

C大衆の最も関心があり、最も直接的な、最も現実的な価格のホットスポット・難題の解決に力を入れ、調和のとれた発展を促進する

D法に基づく行政を堅持し、コストによる制約を強化し、価格決定の科学性と透明度を高め、広範な人民大衆の合法的権益を保障する

(2)価格の安定

 発展・改革委員会の卒井泉副主任は、「価格総水準の維持は、経済の平穏な運営を維持し、調和のとれた社会を構築するための重要条件である」とする。そして、各価格主管部門は、価格コントロールを強化・改善し、価格のモニターと価格情勢分析を強化し、食糧・石油・鋼材等重要商品の内外市場の価格変化に密接に注意を払い、マクロ経済運営の重要指標の変化に密接に注意を払い、価格コントロールの予見性を高めなければならない、とする。

 また、卒主任は「重要商品とサービスの価格の改革のタイミング・テンポ・力の入れ具合をしっかり把握し、その価格総水準への影響を十分に考慮しなければならない」とする。そして、各クラスの価格主管部門は、特に価格変化の萌芽的・趨勢的問題に注意を払い、局部的地域・個別品種価格の異常な波動が価格総水準の急速な上昇を誘発することを防がなければならない、とする。

(3)重点課題

 教育・医療・住宅等の価格ホットスポット・難題をうまく解決することが、調和のとれた社会の構築のための重要任務であり、物価政策の難点である、とする。卒副主任は、2007年は、高学費・高額医療・高住宅価格等の矛盾緩和に努力するよう要求している。具体的には、次の点が強調されている。

A教育の費用徴収を規範化する

B価格主管部門は、引き続き薬品市場の価格モニターと調査を強化する

C不動産価格施策の重点は、低家賃住宅の家賃の安定、小型の政策的住宅の価格、間取りと価格を制限した分譲マンションの価格の安定とする

(4)資源・環境価格

 卒副主任は、「資源・環境価格の改革は、経済の持続可能な発展を実現するための必然的な選択である」とする。2007年の政策としては、次のものが挙げられている。

A精製油と天然ガスの価格形成メカニズムを整備する

B石炭のコスト構造を整備する

C電力価格の改革を積極的に推進する

D水の価格の改革を適度に強化する

E生活ゴミの処理方式とゴミ処理の費用徴収方式の改革を推進する

F資源の総合利用を促進する

なお、卒副主任は、「資源・環境価格の改革のためには、資源の節約と総合利用を促進し、汚染者費用負担の原則を実施し、社会各方面の受容能力を十分に考慮し、統一的に計画し、段階的に実施し、低所得者集団の生活に適切に配慮し、社会の安定を維持しなければならない」としている。

(5)独占業種

 価格主管部門は、独占業種の価格監督管理を強化するとする。具体的には、独占業種・公的事業の価格・コスト決定を監督・審査する方法を早急に制定し、賃金総額に対するコントロールを強化し、コストの上昇を規制するとしている。

 

 

Ⅱ.財政部

1.全国財政工作会議(2006年12月19日)

 

(1)温家宝総理指示

 温家宝総理は、次のように指示している(人民網北京2006年12月19日)

A財政調節のテコとしての役割を十分に発揮し、科学的発展観を貫徹し、経済構造調整と成長方式の転換を推進しなければならない。

B公共サービスを強化し、公平の正義を実現し、調和のとれた社会の建設を促進しなければならない。

Cわが国は大きく、人口が多く、なすべきことは多い。財政の配分は、全局と統一的に企画し、熟慮し重点を際立たせ、余裕を残しておかなければならない。

D財政体制改革を深化させ、財政管理・監督を強化し、収入増・支出節約を励行し、財政資金の使用効率を高めなければならない。

(2)2007年の財政政策

 金人慶財政部長は、2006年の財政収入は3.9兆元前後との見通しを示したうえで、2007年については「赤字を抑制し、構造を調整し、改革を深化させ、収入を増加させ支出を節約する」との総体要求に基づき、2007年は中央財政赤字を適切に減少させ[ii]、国債プロジェクト資金と中央予算内の投資の使用方向・構造を調整・改善し、経済・社会発展の脆弱部分に傾斜させ、農村への公共サービス支援を重点的に強化する、としている(新華社北京電2006年12月19日、人民日報2006年12月21日)。

 具体的には、次の8項目が重点施策となっている(第一財経日報2006年12月20日)。

A中央財政赤字を適切に減少させ、政府投資の使用方向・構造を調整・改善し、経済・社会発展の脆弱部分に傾斜する

B農村・農業を支援し、恩恵を施す各種財政・税制政策を強化し、社会主義新農村建設を加速する

 2007年の政府投資新規増は、大部分を社会主義新農村建設に用い、社会主義新農村建設に用いる投資の総規模を2006年より上回るようにしなければならない。農村総合改革テストの範囲を拡大し、郷村債務を真剣に清算し、新たな郷村債務の発生を断固として防ぐ。農業・農村支援資金の総合テストを深化させ、農村金融体制改革の深化を促進する。

C大衆の切実な利益に関わる際立った問題の解決支援を重点とし、社会事業の発展を加速する

 全国範囲において、農村義務教育経費の保障メカニズム改革を実施する[iii]。新型農村合作医療制度の改革テストの範囲を、全国80%の県(市・区)に拡大し[iv]、同時に都市労働者の基本医療保険制度のカバー範囲を拡大する。都市・農村の医療救済の支援を強化する。公共衛生体系の建設を引き続き支援する。公益性のある文化事業・文化産業の発展を加速する。就職・再就職と社会保障施策[v]を強化する。所得分配秩序を引き続き規範化する[vi]

D企業所得税の2つの法律の統合等の改革を積極かつ穏当に推進し、税制を更に整備する

 同時に、国有企業改革・金融体制改革の深化支援に力を入れる。

E政府の収支分類改革を実施し、財政管理の科学化・現代化・法制化の水準を引き上げる

 2007年は、新しい政府の収支科目に基づき、予算を編成する。同時に、国有資本の経営予算制度のテストを展開する。

F財政・税制政策を整備し、経済成長方式の転換を推進する

 資源・環境の有償使用制度の改革テストを着実に推進する。企業の自主的な創造・革新能力の強化を支援する。科学技術への投入を強化する。輸出に係る税還付と関税政策を整備する。

G移転支出制度を強化し、地域間の基本的な公共サービスの均等化を促進する

 一般的な移転支出制度を強化する[vii]。奨励・補助政策を整備し、県・郷の財政困難緩和の成果を拡大する。補助金の管理を適切に強化する。新たな補助金の設立を厳格に抑制する。

H法に基づき、税収の徴収管理を強化し、各種の密輸・脱税等の違法行為に厳しい打撃を与える

 減免税を厳格に抑制する。税外収入を全面的に整理・規範化し、不合理・非合法な税外収入項目を断固として取り消す。土地譲渡の収支を全て地方政府の基金予算に組み入れ、土地譲渡収支の監督管理を強化する。

 

2.全国税政工作会議(2006年11月29日)

 

 この会議において楼継偉財政部副部長は、「新時期のわが国の治税思想は財政収入を集める機能を引き続き強化するとともに、公平の原則を重視し、税制の中立性と税制のコントロール作用の積極的発揮との均衡点を探し求め、負担が合理的な税制改革の方向を堅持し、税収の伸びの持続可能性を強調し、税制が国家のマクロ・コントロール方面で果たす役割・能力を高め、社会主義の調和のとれた社会の建設を促進しなければならない」とし、この理念に基づき、中期的に6大税制改革を積極的に推進するとした(中国財経報2006年11月30日)。

(1)増値税の転換改革[viii]の全面実施

 現在東北地方の一部業種で2年余り増値税転換テストを実施してきたが、楼副部長は、「税制を規範化し、政策を統一し、徴収管理を容易にし、各地の経済発展のために良好な環境を創造するという角度から考慮し、第11次5ヵ年計画(2006-2010年)は早急に増値税の転換改革の全国範囲での歩みを推し進めるべき」だとしている。

 これは、設備購入を仕入れ税額控除の対象とすることにより、企業の設備更新を進め、生産性の向上を図ることを狙いとしている。しかし、一方でこのような投資減税策は、税収の減少をもたらす一方、投資の再燃をもたらすおそれもあり、慎重な運営が必要となろう。

(2)企業所得税の「2つの税法統合」[ix]改革を早急に推進する

 楼副部長は、「2006年の全人代常務委員会立法計画に基づき、現在立法関連の準備工作を秩序立てて推進しているところである」とする。

 これについては、今後2007年3月に開催される全人代の審議を経て、早ければ2008年から税率25%の統一税率が施行される予定である。なお、改正草案によれば、これまで中国に進出していた外資企業には5年間の経過措置が設けられる予定である。

(3)物業税改革[x]の穏当な推進

 楼副部長は、「物業税の機能・位置づけは、地方を主体とした税目建設の加速、地方政府の地方インフラへの投入強化、不動産市場における行為の規範化に資するものでなければならない。物業税の徴収範囲、税額計算の根拠、税率水準、減免税等の税制要素については、各方面の利害関係の再調整に及ぶため、難点が多く、状況は複雑である」とし、全国財政系統の税政幹部は、地方の税部門との協調を強化し、改革案を積極的に検討し、テストをうまく行ったうえで着実に推進するよう要求している。

 この改革は、現在価格が高騰している不動産に対して適切な課税を行うとともに、地方政府の安定的な税源を確保する目的がある。

(4)燃料税[xi]の徴収開始

 楼副部長は、「経済情勢の発展の変化に伴い、資源節約型で環境にやさしい社会を建設するという要請は、既に社会各界の共通認識となっており、精製油の生産・供給・消費構造にも大きな変化が発生した。税収の詳細な管理も徐々に整いつつあり、したがって、情勢の発展の変化に基づき再度念入りに検討を加え、燃料税案の整備を積極的に推進し、時機を選んで燃料税を実施すべきである」とする。

 これまで燃料税は、財政部が何度も提起しながら実施されなかったが、資源節約・環境保護の観点から、改めて浮上してきたのである。

(5)個人所得税制度の整備

 楼副部長は、「個人所得税改革の目標は、公平な税負担、所得分配を更にうまく調整するという要請から出発し、総合と分類が結合した個人所得税制[xii]を実施し、ひいては完全な総合個人所得税制にまで発展させるということである」とし、この目標を実現するためには、情報提供に対する法的保障や徴収管理水準の向上等、内外の条件を整備する必要があるとする。そして、個人所得税法の全面改正にはなお日数を要する状況下において、短期・中期的に税率の階層の調整[xiii]、総合所得の具体的項目の拡充等の問題について、先行検討を行い、政策の調整を打ち出す必要がある、としている。

 個人所得税の改革による所得再分配機能の強化は、「調和のとれた社会」を構築するための核心をなす部分である。

(6)資源税[xiv]制度の整備

 楼副部長は、「資源税制整備の基本方針は、資源の税・費用の関係を規範化することであり、その内容は、資源の徴税範囲、税額計算の根拠、減免税政策等に及ぶ」としている。

 現在、資源価格の高騰により鉱山の乱開発が行われており、資源節約の観点からも税制の見直しが必要とされているのである。

 

 以上の中期的税制改革案をみると、

a「科学的発展観」の要請から、燃料税・資源税の整備による省エネ・省資源の促進、土地課税の強化、

b「社会主義の調和のとれた社会」の観点から、個人所得税の改革、

c国際競争力強化等の観点から、増値税改革、内資企業の企業所得税率の引下げ、

が重要課題となっていることが分かる。

しかし、所得再分配の大きな柱である遺産税の導入には全く触れられておらず、その点検討はまだ不十分と言わざるを得ない。(1月9日記・7,617字)


 


[i] ただし、当初の年度目標の4%減は達成できなかったものとみられる。
[ii] 2006年の中央財政予算赤字は2950億元(2005年より50億元減)とされている。
[iii] これにより、1億4800万人の農村義務教育段階の小中学生が学費・雑費を全額免除されることになる。
[iv] 地方財政の補助基準を1人当たり20元に引き上げる。
[v] 就職・社会保障政策としては、全国範囲での農村最低保障制度の着実な建設、企業労働者の基本年金保険制度の整備等が挙げられている。
[vi] 所得分配政策としては、公務員給与制度の改革、国有企業の分配制度の改革、所得税の所得分配調整作用の発揮等が挙げられている。
[vii] 2006年は農業税廃止に伴い、中央・地方財政が1030億元の移転支出を行った。
[viii]  これまで増値税(中国版付加価値税)は設備の購入について仕入れ税額控除の対象としていなかったが、現在これを控除の対象にする方向で検討がなされている。これを中国では増値税の「生産型」から「消費型」への転換と称している。
[ix] 中国では内資企業には「企業所得税暫定条例」、外資企業には「外商投資企業及び外国企業所得税法」と別々の企業所得税制度が設けられており、前者の税率が33%であるのに対し、後者は24%ないし15%であることから「内外逆差別である」との批判が強く、その税制一本化に向けた検討作業が全人代で進められている。
[x] 現在中国は、不動産課税につき、日本の固定資産税のような税制導入を検討している。
[xi] 燃料税は、これまでの地方政府による道路建設・補修のための無秩序な費用徴収に代わるものとして、早くから導入が検討されてきた。しかし、農業のコストを上昇させることへの懸念や、生産・小売のどの段階で税を徴収するか等についてコンセンサスが得られず、徴収が見送られてきたのである。
[xii] 中国の個人所得税は、課税対象となる所得が11種類に細分化されており、給与所得や生産経営所得には累進税率が課されているが、その他のサービス報酬等の所得には比例税率が課されており、総所得が同じでも所得の来源により納税額が異なる。このため、これを利用した高額所得者の脱税が横行していると言われる。
[xiii]  例えば、給与所得は現在9段階で5~45%の超過累進税率となっている。
[xiv] 現行では、石油・天然ガス・石炭・非鉄金属等の生産額に従量定額の課税がなされている。

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