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2007年金融諸会議の動向(2)

中国ビジネスレポート 政治・政策
田中 修

田中 修

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2007年3月20日

記事概要

銀行業監督管理委員会工作会議、全国保険工作会議、全国証券先物監督管理工作会議、社会主義新農村建設を支援する銀行行政座談会、全国合作金融監督管理工作会議、中国農業銀行工作会議の動向についての解説です。

4.銀行業監督管理委員会工作会議(2007年1月20日)

 

 劉明康主席は2007年の施策について、次のような指示を行った(新華社2007年1月22日)。

(1)金融体制改革

A国有商業銀行の株式制改革を深化させる

 重点は、既に株式制改革を実施し上場した銀行の改革の深化と、農業銀行の株式制への改造である。

B農村金融改革を全面的に推進する

 省クラスの人民政府と農村合作金融機関の権限職責の配分を更に明確に整理する。

 財産権制度の改革を徐々に推進し、農村合作金融機関の特色に適合したガバナンス・モデルを徐々に確立・整備する。

 小額融資を大いに発展させるほか、重点を農村地域における銀行業の参入許可を緩和し、新しい金融商品・サービスの開発面でブレーク・スルーを奨励する。

 全国の金融サービスについて十分に調査したうえで、銀行業監督管理委は1月末に農村金融機構の分布状況図を作成し、5月末には全面的な金融サービス総覧を作成し、各種資本が農村地域に参入するための情報支援を提供する。

C郵貯銀行のコーポレート・ガバナンスの整備を加速・推進する

 経営メカニズムを健全化し、内部管理を強化する。

支店機構の組織・設立を徐々に推進し、ネットワークの管理モデルとネットワーク・サービスの機能を整備する。

小額預金担保貸付のテスト範囲を拡大し、都市・農村のコミュニティへのサービス機能を増強する。

D政策性銀行の改革を推進する

 まずは、国家開発銀行の改革を推進し、輸出入銀行と農業発展銀行の内部改革を深化させる。

E中小商業銀行の改革・再編成のテンポを加速する

 条件の整った都市商業銀行の連合再編成と地域を越えた発展を支援する

F信託・リース・ファイナンス会社の改革を深化させ、ノンバンクを規範的に発展させる

G金融資産管理会社の商業化転換を速やかに推進する

(2)金融機関のイノベーション

 2007年は次の3点で重大なブレーク・スルーを勝ち取らなければならないとする。

A小企業向け貸付サービスで新たな進展を勝ち取る

B社会主義の新農村建設支援で、新たなブレーク・スルーを勝ち取る

C引き続き、銀行業を発展させ、手数料収入等の新業務を増加させる

 

5.全国保険工作会議(2007年1月21日)

 

 保険監督管理委員会の呉定富主席は、次のように指示している。

(1)2006年の状況(中国保険報2007年1月22日)

 保険料収入は5641.4億元であり前年比14.4%増であった。保険会社の総資産は、1.97兆元であり、2006年末より29%増であった。保険金支払いは1438.5億元であり、投資収益は955.3億元となり、収益率は5.8%(前年比2.2ポイント増)となり、ここ3年で最も良い水準となった。

(2)保険業のリスク(中国保険報2007年1月22日)

 「保険業の特徴の影響を受け、保険業のリスクは潜在的・長期的・複雑という特色を有する。保険業のリスクについて識別し、事前に警告し、防止・除去することは、長期にわたり困難な任務である」とし、当面、次の4つのリスクを防止・除去することに特別に注意を払わなければならない、としている。

A価格決定リスク

B投資リスク

Cコーポレート・ガバナンスが不完全であることのリスク

D内部コントロールが厳格でないことのリスク

(3)保険業の抱える問題(中国保険報2007年1月22日)

A発展が粗放である

 高投入、高コスト、高消耗、低効率である。とりわけ、1つの会社の成長が、主として機構・業務の外部拡大に依存しており、効率的な経営と内部充実による成長能力が強くない。

B会社の管理水準が比較的低い

 経営コスト、とりわけ一部の会社の高級管理者の給与が不断に競うように上昇している。

C単純な保険料率や手数料で市場を占有しようと競争している

 保険料が大量に流出し、業種利益が維持し難くなっている。

D保険資源の利用が比較的粗放である

 一部の会社は短期的利益を追求し、保険資源に対し略奪的な開発を進め、業種全体のイメージを深刻に損なっている。

E保険業の地域構造、市場構造、商品構造等が不合理である

 とくに、商品構造の一層の整備が必要である。保険会社は、伝統業務と新しい業務、保障型商品と投資型商品、短期的業務と長期的業務を処理する能力をさらに強化する必要がある。

F総体として、保険業のイノベーション能力は比較的薄弱である

 多くの場合、消費者が保険を購入しない原因は、保険需要がないからではなく、市場に消費者の需要にマッチした商品がないからである。

G信義誠実を重んじない問題が、依然相当程度存在する

 きちんと保険金を支払ってもらえない、誤解を与える販売をする、嘘をつくなどの行為が、まだ一定程度存在する。

(4)今後一時期の保険行政

 次の7点を指示している(中国保険報2007年1月24日)。

A実施に重きを置き、コーポレート・ガバナンスと監督管理の操作可能性を増強する

 保険会社のコーポレート・ガバナンスについての指導意見制度を、できるだけ早く発布しなければならない。保険会社が管理層の業務規則を制定・整備するよう指導し、定期報告制度を整備する。

資本金の一部流用、保険資金の着服・流用、違法な関連取引を通じた会社資金の移転等の違法行為を厳格に調査・処分しなければならない。

保険会社の情報公開制度を整備し、情報公開により起こりうる各種の問題の防止に注意を払わなければならない。

B執行を強化し、保険金支払い能力と監督管理の拘束力を高める

 保険会社の支払能力の改善を督促しなければならない。支払能力が不足し、改善措置が不十分ないし支払能力が危険水域にある保険会社に対しては、異なる方式を採用し、支払能力改善の計画的措置を制定し、これに基づき実行を督促しなければならない。

C実効を重視し、市場行為と監督管理の対応性を高める

 保険市場行為の制度措置を健全・規範化し、「行政処罰・指導ハンドブック」と業務総コスト管理弁法を制定しなければならない。

 市場での違法行為に対しては処罰を強め、検査中に発見した問題については、事実確認を行ったうえで、法に基づきできるだけ速やかに厳格な処分を行い、調査・処分した違法行為については引き続き監督管理と事後検査を行い、保険会社に期限をきって全体を改善するよう督促しなければならない。

D重点をしっかり把握し、資金の運用リスクを適切に防止する

 保険資金管理制度の建設を強化し、保険資金の管理弁法・保険資産監督管理弁法・保険資金運用従業員管理弁法を制定しなければならない。

 保険資金の運用(債券運用、信託管理、銀行・証券会社における口座開設等)の現場検査を強化し、保険資金の安全を確保する。

E基礎をしっかり固め、保険監督管理の能力・水準を高める

 保険監督管理の法制建設を強化し、分類による監督管理の推進を検討し、統計管理とIT化水準を高めなければならない。

F分業を明確化し、監督管理の有効性を強化する

 機関・部門間の職責・分業を更に調整し、団体機関と各保険監督局との職責・分業を明確にし、業種協会の自律的役割を十分に発揮させなければならない。

G指導を強化し、強力な監督管理の隊伍を作り上げる

 指導グループの建設を強化し、幹部の育成・鍛錬・管理を強化し、作風の建設を適切に強化しなければならない。

 

6.全国証券先物監督管理工作会議(2007年1月21日)

 

 証券監督管理委員会の尚福林主席は、2007年の政策について、次の9点に重点を置くよう、指示した(上海証券報2007年1月22日)。

A多層次の市場体系の建設を着実に推進することを重点とし、市場構造を整備し、市場機能を健全化する

 取引所のメイン・ボードを重点的に発展させ、中小企業ボードの建設を引き続き推進し、創業ボードの建設を積極的に推進し、株式譲渡の代理業務システムを更に発展させ、統一的な監督管理下で全国的な場外取引市場を構築する。

Bコーポレート・ガバナンスの改善と透明度の増強を重点とし、上場会社の質を更に高め

 る

 上場会社の基礎的な制度建設を更に強化し、日常的な監督管理を改善する。

C監督管理の対応性と有効性の増強を重点とし、証券経営機関と証券サービス機関の運営の規範化水準を全面的に高める

 証券会社のコーポレート・ガバナンスについて既定目標を円満に達成し、期限どおりに新たな監督管理段階に転換し、リスク防止の長期有効なメカニズムを健全化する。

D新会計・新会計検査準則の執行を重点とし、資本市場における財務会計情報公開の質を適切に高める

 訓練を強化し、上場会社と証券先物経営機関に対する新会計準則による監督管理の執行を強化し、利益操縦行為を厳格に調査・処分して、新旧会計準則の平穏な移行を確保する。

Eイノベーションによる発展を重点とし、証券会社とファンド管理会社の改善・強化を推進する

 「テストを先行し、徐々に推進する」原則に基づき、証券会社の商品・サービス・組織のイノベーションを支援する。

 各種の合法的な長期資金が株式市場に参入することを積極的に推進し、機関投資家の協調した発展を促進する。

F金融先物の推進を重点とし、先物市場の機能を更に発揮させる

 金融先物に関連する制度の手配・準備工作を全面的に実施し、十分な準備と条件が成熟した状況下で、株価指数先物を推進する。

G法執行の効率向上を重点とし、市場の法規体系と法執行メカニズムの建設を加速する

 「会社(公司)法」「証券法」に対応した資本市場の行政法規立法活動を早急に推進し、健全な証券法執行体制を確立する。

Hわが国資本市場の健全な発展を重点とし、対外開放を着実に推進する

 国内外の企業が内外の市場を利用して資源の適正配分を行うことを、引き続き支援する。

I監督管理能力の向上を重点とし、隊伍建設と内部管理を強化する

 系列の党建設を更に強化し、商業賄賂を処置する活動を引き続き系列内で深く展開し、党風における廉潔な政治建設と反腐敗活動を更に強化する。

 

7.社会主義新農村建設を支援する銀行行政座談会(2007年1月22日)

 

(1)会議の概要(国際金融報2007年1月23日)

 銀行業監督管理委員会が開催したものであり、劉明康主席は「銀行業を営む金融機関は、商売が継続可能という原則のもと、農村地域に投資・創業しなければならない。農村地域における銀行業参入許可基準の調整・緩和政策を実施し、『三農』への支援・サービスを行う社会的責任を適切に履行し、社会主義新農村建設支援のために新たな貢献をしなければならない」と指示した。

 また、唐双寧副主席は、「農村地域への銀行業参入基準が調整・緩和されて以降、7行の中国資本銀行と3行の外資銀行が投資の意向を示し、10余りの省(区)政府がテスト地域の申請を提出している。テスト地域の農村金融サービスが十分かどうか調査した結果に基づき、内モンゴル4箇所、吉林5箇所、湖北10箇所、四川7箇所、青海4箇所の6省(区)36テスト地域を最初に決定した。これらの地域の主要な特徴は、経済発展が相対的に遅れており、金融機関のネットワークのカバー率が低く、金融サービスが空白ないし不十分であり、金融サービスへの需要が強烈であり、金融の供給増加を早急に望んでいるということである」としている。

(2)「農村地域における銀行業金融機関の参入許可政策を調整・緩和し、社会主義新農村建設を更にしっかりと支援することに関する若干の意見」(以下「意見」)

 上記の会議と前後して、銀行業監督管理委員会が発布した。これについて、同委の責任者は次のように解説している(中国政府網2007年1月29日)。

A「ハードルを低くし、監督管理を厳格にする」ことについて

 これは、今回の政策の基本原則である。

 「ハードルを低くする」とは、機関・業務の市場参入許可条件を適切に引き下げることである。「意見」は、

a新設される村鎮銀行、信用合作組織、商業銀行、農村合作銀行が設立する貸付業務を専門に営む完全子会社の所要資本金額を合理的に確定した。

b現有の銀行が、合併、再編、制度改革の方式で設立する銀行の所要資本金額を適切に引き下げた。

c国内銀行が県(市)、郷(鎮)、行政村に支店を設置する場合の運営資金の限度額及び関連制限比率を取り消した。

d投資家の資格、国内投資家の持ち株比率制限、業務参入許可の条件・範囲、新設法人・支店に対する許認可権限とコーポレート・ガバナンス面のハードルを、適度に引き下げた。

 「監督管理を厳格にする」とは、監督管理措置を強化することであり、硬い市場退出規制を実行することである。「意見」は、農村地域に新設される銀行は、いかなる時点でも自己資本比率が8%を下回ってはならず、資産損失準備の引当率が100%を下回ってはならない、と強調している。

B実施のスケジュールについて

 現在、わが国の農村金融サービスが不十分な地域は、主として中西部、東北、海南その他の省の貧困県に集中している。「先にテストを行い、後に推進する」、先に中西部、後に内地、先にサービスの空白問題を解決し、後に競争が不十分という問題を解決する、という原則・歩みで着実に推進する(具体的な最初のテスト地域は前述のとおり)。

C農村信用社改革との関連について

 この政策と農村金融全体の改革とは、一脈通ずるものである。この改革を通じて新設される農村銀行業は、形式上主として、農民の互助に基づく信用合作組織、県(市)或いは郷(鎮)に設立される村鎮銀行、商業銀行が農村に設立する貸付業務を専門に営む子会社である。これらの機関は、性質上現有の農村金融機関とは異なり、特殊な業務運営要求を有しており、相互に独立しながら、相互に補うものである。

(3)村鎮銀行管理暫定規定

 銀行業監督管理委員会は、「意見」に続いて「村鎮銀行管理暫定規定」を発布した。これによれば、村鎮銀行とは、国内外の金融機関、国内ノンバンク企業法人、国内自然人の出資により、農村地域に設立される、主として現地農民、農業、農村経済の発展のために金融サービスを提供する銀行である。

村鎮銀行の自己資本比率は8%を下回ってはならず、もし4%に下がり不良債権比率が15%に到った場合には、業務の一部又は全部が停止され是正措置が取られ、なおも自己資本比率が2%以下になった場合には撤廃・破産措置が取られることになる。

国外の金融機関が村鎮銀行に資本参加することは奨励されるが、その最近1年間の年度末総資産が原則10億ドルを下回らないことを要する(上海証券報2007年1月30日)。

 

8.全国合作金融監督管理工作会議(2007年2月7日頃)

 

(1)5つの「共に重んじる」

 銀行業監督管理委員会が開催したもので、唐双寧副主席は、「今後一時期、農村金融の改革・発展は5つの『共に重んじる』という方針に沿って、農村金融の改革・発展に影響を与える体制メカニズムの障害の除去に努めなければならない」とした。

 具体的には、次の5項目である(中国経済時報2007年2月8日)。

A金融支援と政府支援を共に重んじる

B市場化の方向と政策的支援を共に重んじる

Cサービスの強化とリスクの防止を共に重んじる

D資金支援と機関建設・メカニズムの転換を共に重んじる

 水(資金)の問題を解決するだけでなく、ルート(機関の多元化)の問題を解決しなければならない。当面の重点は、ルートの問題を解決しなければならない。

E体制改革と職員の質の向上を共に重んじる

(2)9ルートによる導水(資金誘導)

 また唐副主席は、「5つの『共に重んじる』を堅持するという前提の下、多様なルートで金融、財政、民間資本、国外資本が長所を相互に補い、相互に機能を助け合う農村金融サービスの新構造を実現することにより、『9ルートによる導水』を実現する」とする。

 9ルートとは、具体的に次の各ルートである(中国経済時報2007年2月8日)。

A農村合作金融機関は、引き続き農業・農村支援の主たるルートとしての役割を果たさなければならない。

B農業銀行は、主として県域でサービスを行い、郷鎮企業の発展を支援するべきである。

C農業発展銀行は、業務範囲を拡大し、貧困県のインフラと農民の作付け栽培への貸付を開始しなければならない。

D郵政貯蓄銀行の貸付サービスは、主として農村に向ける。

Eその他商業銀行と政策性銀行が、農村で機関(貸付子会社等を含む)を設立し、業務を発展させることを奨励する。

F民間資本が農村に投資し、村鎮銀行等の金融機関を開設することを支援する。

G外資が農村に投資し、村鎮銀行・貸付子会社を設立することを支援する。

H農業・農村支援特別国債を発行し、都市金融資金を農村に誘導し、市場化の経営条件が備わっていない農村インフラ等の資金需要を解決することを建議する。

I直接融資に農業プロジェクトを有効に支援する役割を発揮させる。

 

9.中国農業銀行工作会議(2007年1月31日)

 

 2007年末に株式制化を完成させることを決め、既に設立している「株式制改革弁公室」と「人力資源改革」「外部会計監査」等専門小組に加え、新たに「法律事務」「不良資産処理」「戦略投資家誘致」等専門小組を設立することを決定した。

 また、2007年には都市・農村2層の経営体系の確立を模索し、県域における貸出を年々増加させるよう努め、商売的に継続可能な県域業務の発展モデルを確立するとしている。

 ちなみに、2006年末の不良債権比率は23.44%(2005年26.17%、2004年26.73%、2003年30.66%)であった(第一財経日報2007年2月1日)。

 

 このように、全国金融工作会議以降、特に農村金融の改革が加速されているのである。これは、2006年で農業税が廃止され、農民の所得増加のために新たに金融面での支援強化が必要になった事情を物語るものであろう。(2月27日記 7,246字)

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