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国家エネルギー局の正式始動

中国ビジネスレポート 政治・政策
田中 修

田中 修

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2008年8月14日

記事概要

今回の政府機構改革の目玉である国家エネルギー局の主要職責・内部機構・人員編制がようやく固まった。もう1つの目玉である工業情報化部に比べ1ヶ月遅れてのスタートである。ここでは、新華網北京電2008年7月29日の報道を中心に、内容を紹介する。

はじめに

 今回の政府機構改革の目玉である国家エネルギー局の主要職責・内部機構・人員編制がようやく固まった。もう1つの目玉である工業情報化部に比べ1ヶ月遅れてのスタートである。ここでは、新華網北京電2008729日の報道を中心に、内容を紹介する。

 

(1)国家エネルギー局の職責

 国家エネルギー局は、国家発展・改革委員会が管理する国家局として、その主要な職責は、元の国家エネルギー領導小組弁公室の職責、国家発展・改革委の元のエネルギー業種管理に関する職責、元の国防科学技術工業委員会の原子力発電管理の職責等である。具体的には、①エネルギー発展戦略・計画・政策の策定、これに関する体制改革の建議提出[1]、②石油・天然ガス・石炭・電力等エネルギーに対する管理の実施、③新エネルギーの発展とエネルギー業種の省エネについての政策措置の提出、④エネルギー国際協力の展開、が含まれる。

 この職責は、国家エネルギー局に対し、エネルギー問題について将来を展望した総合的・戦略的な研究を強化し、エネルギー発展計画・重大政策・基準を策定して組織的に実施し、国家エネルギー安全の保障能力を高めることを、明確に要求している。

 また、国家エネルギー局は、国家計画・年度計画の規模の範囲内で、エネルギー投資プロジェクトを審査・許可する。このうち、重大プロジェクトは国家発展・改革委に送付し審査・許可を受け、或いは更に同委の審査・許可後国務院に送付され審査・許可を受けることになる。中央財政によるエネルギー建設資金投資は、国家エネルギー局の配分に関する包括的な建議提出を経て、国家発展改革委が審査・許可後下達する。国家石油備蓄センターの管理権限は、国家発展・改革委から国家エネルギー局に移管される(新京報2008730日)。

(2)国家エネルギー委員会

また、国家エネルギー局は国家エネルギー委員会の具体的活動を担当する。国家エネルギー委員会の主要な責任は、国家エネルギー発展戦略を研究・策定し、エネルギー安全とエネルギー発展にかんする重大問題を審議することであり、同委は中国のエネルギー戦略の政策決定と統一的な企画・協調を行うハイレベルの議事協調機関である。

(3)他の部門との職責分担[2]

 国家発展・改革委、工業情報化部との職責分担も明確になった。

①精製油・石炭燃料・燃料エチルアルコールの業種管理は、国家エネルギー局が責任を負う。その他石油化学工業・石炭化学工業の業種管理は工業情報化部が責任を負う。同時に、国家原子力発電の国産化は、国家発展・改革委の指導の下、国家エネルギー局が組織的に実施する(新京報2008730日)。

②エネルギー価格の管理については、国家エネルギー局がエネルギー産品価格調整の建議を提出し、国家発展・改革委に報告して審査・許可を受けるか、或いは同委の審査・許可後更に国務院の審査・許可を受ける。国家発展・改革委がエネルギー産品に関する価格を調整するときは、国家エネルギー局の意見を徴求しなければならない。

③国家エネルギー局は、石炭・石油・天然ガス・電力(原子力発電を含む)、新エネルギー、再生可能エネルギー等のエネルギー業種の管理に責任をもち、エネルギー業種の基準を組織的に制定し、エネルギーの発展状況をモニターし、エネルギーの生産建設と需給均衡にリンクさせ、農村のエネルギー発展を指導・協調させる。

(4)国際協力

 国家エネルギー局の職責においては、エネルギーの国際協力を強化した。国家エネルギー局は、エネルギーの国際協力をリードして展開し、外国のエネルギー主管部門・国際エネルギー組織と協議し、協定を締結し、国外におけるエネルギーの開発・利用を協調して行い、石炭・石油・天然ガス・電力・天然ウラン等のエネルギーの国外重大投資プロジェクトを審査・許可する。

(5)内部機構・人員編制

 総合、政策法規、発展計画、エネルギー節約・科学技術装備、電力、石炭、石油・天然ガス、新エネルギー・再生可能エネルギー、国際合作司の9司を置く。人員編制は112人とする。そのうち、局長1名、副局長4名、正副司長30名である。

 局長は国家発展・改革委の張国宝副主任であり、副局長には元の国防科学工業委の孫勤副主任、元の国家発展・改革委エネルギー局長の趙小平、呉貴輝等が就任すると伝えられている(新京報2008730日)。

(6)党組織

 国家エネルギー局は単独で党組を設置し、党組書記は張国宝が兼任する。このほか、党組構成員としては、孫勤・趙小平が就任する。これ以前に、部委に所属する国家局が単独で党組を設置した例はない(新京報2008730日)。

(7)その他

国家エネルギー局の英文名称はNational Energy Administrationである。

 国家エネルギー局の設置は、国務院機構調整案の中でも一番重要な内容であり、その趣旨は、エネルギー業種に対する集中統一管理を強化し、日増しに峻厳となる内外エネルギー問題に対応し、国民経済の持続的で安定した健全な発展を保障することにある。

(参考)張国宝のプロフィール

 北青網2008730日が詳細に報じているので、参考までに紹介する。

 

 大学院を卒業した[3]張国宝は、山奥の三線企業建設[4]10年近く参加し、一介の技術者として成長した。彼は英語・日本語・ロシア語を話すことができ、文革期間・三線建設期間には、英語版・日本語版・ロシア語版の『毛沢東選集』を購入し、毎朝5時に起床して読んでいた。その後、張は機械工業部、国務院外国専門家局、教育部を歴任し、1983年に国家計画委員会に異動した。

 1998年、長江洪水が一段落した後、張は「災害復興の若干意見」を起草した。アジア金融危機が爆発したときは対応措置を起草し、内需拡大弁公室主任に就任し、1000億元の国債発行と資金配分の責任を担った。

 1999年、張は国家発展・改革委の副主任に就任し、エネルギー分野を担当することになった。西電東送、西気東輸、青海―チベット鉄道、首都空港拡充、液化天然ガスの導入などの重大プロジェクトに彼は全て関与し、領導小組の構成員となっている。

 2002年には、曾培炎主任の指導の下、電力・民間航空・電信の3大体制改革案を起草した。青海―チベット鉄道が着手されると、彼は車を走らせゴルムドからラサまで線路の実地調査を行い、同時にチベットの発電所の工事現場をくまなく視察した。

 2003年、SARSが蔓延した期間、張は命を受け東北の旧工業基地の状況を視察し、東北旧工業基地振興の文書を作成して温家宝総理から賞賛され、国家発展・改革委内部でも広範な尊敬を勝ち取った。

 2004年、四川省の水力発電所建設をめぐり集団騒擾が続発した際、張は中央工作組副組長として現場処理の責任を負った。彼は反対意見を押し切り、ダム建設による移民に対する補助を直接本人に行うことを建議し、中央指導部の了承をとりつけた。こうして、数万の移民が毎年600元を20年間受け取ることとなった。

 同年3月、張は国務院東北等旧工業基地振興弁公室主任に就任した。

 2005年、張は華建敏国務委員に随行し、河南省の太平鉱山の事故処理に当たった。その後、温家宝総理は彼をガス総合処理領導小組の組長に任命した。

 20064月、胡錦涛国家主席がトルクメニスタン大統領と会談した際、張は天然ガス協力を進める新たなチャンスと認識し、自ら大統領に働きかけた。2年後、国境を跨ぐ天然ガスパイプラインが現実のものとなった。

(2008年7月日記・2,988字)


 


[1]  これは、国家発展・改革委の審査・許可、或いは同委の審査・許可後に国務院に送付される。

[2]  おそらくこの他部門との権限調整と(4)の対外関係の権限調整に手間取り、正式発足が遅れたのではないかと思われる。

[3]  張は1944年生まれであり、西安交通大学機械工程系を卒業し、工学修士を取得している。

[4]  毛沢東は、米・ソの軍事侵攻に備え、沿海部の工場を四川等の山間地に強制移転した。

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