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ログイン2006年5月16日
.商務部
1.薄熙来部長「人民日報」インタビュー(2005年12月23日付け人民日報)
(1)紡績に関する欧米との貿易摩擦について
今回の紡績紛争は、わが国がWTOに加盟後、国際保護貿易主義との最初の対決であり、2000万人余の紡績労働者の切実な利益に影響が及ぶものである。ある同志は紡績品をどれだけ輸出するかは我々の権利だと考えているが、このような見方は片面的であり、「242条」は客観的に存在するのである。わが国の輸出構造を改善するという自身の利益から出発しても、紡績品の輸出の伸びは適度にする必要がある。日本や韓国と異なり、わが国の対外貿易は世界市場の構造が基本的に形成された条件の下で急速に発展している。対外貿易の急成長は、確かにかなり多くの貿易摩擦をもたらす。今回の交渉を通じて、我々は国際経済・貿易ルールについての認識を深め、摩擦に対応するための重要な経験を蓄積した。
(2)対外貿易の成長方式の転換について
WTO加盟以来、わが国の対外貿易の成長は迅速であり、成果は巨大である。同時に我々が認識しなければならないことは、産業全体の発展水準がかなり低いという制約を受け、わが国の輸出の伸びが依然数量拡張型の粗放な成長方式であり、質と効率を高めなければならないということである。対外貿易の成長方式を転換し、国際分業の中のハイレベルの部分に徐々に進むことは、資源・環境の代償を減少させ、貿易摩擦を緩和し、貿易と経済の持続的成長を実現することに資するものである。
わが国が国際分業において低レベルの産品で比較優位にあることも、容易なことではなく、長年の努力を経て勝ち取ったものであり、いくつもの国家が望んでも得られなかったものであり、決して安易に放棄してはならない。世界で人口が最も多い発展途上国として、わが国の就業圧力は大きく、なお労働集約型産業の発展に力を入れなければならない。このため、適切有効な措置をとり対外貿易の成長方式の速やかな転換を図りながらも、功を焦って急いではならず、高・中・低レベルを結合し、国際的に中・低レベルにおいて比較優位を保持しつつ、徐々にハイレベルに向かわなければならない。
(3)貿易黒字が大きいことについて
貿易の不均衡は、過去は輸出が少なく輸入が多いことによる貿易赤字であったが、現在は輸出が多く輸入が少ないことによる貿易黒字となっている。これは、我々の貿易・経済に質的な飛躍が発生したことを物語っている。わが国の貿易黒字の大部分は国際産業の移転によってもたらされたものであり、主として労働集約型産業に集中している。貿易の均衡は、一国の経済発展に十分重要であり、赤字が過大であるのはいけないが、黒字が大きすぎることも必ずしも好ましいことではなく、国民経済の均衡のとれた発展に影響を及ぼすことになる。新情勢に対して、輸出を重視し輸入を軽視する観念を転換し、引き続き輸出を発展させ輸出を改善すると同時に、輸入が国民経済に果たす役割を更に多く発揮させる必要がある。貿易黒字は大量の外貨準備をもたらすが、これをどのように用いるかは1つの学問である。現在は、重要なエネルギー・資源の輸入を拡大し、国内で必要とされる先進技術の設備やソフトの輸入を増加し、国内産業の改造・高度化と自主革新能力を高めることが可能である。
(4)2005年に外資の実際利用がここ5年ではじめて減少したことについて
経済発展は常にルールがあり、周期がある。近年、わが国はずっと高水準を維持しながら外資を吸収してきており、個別の年に下降があっても正常な現象である。2005年は外資の実際利用が対前年比でやや下降したが、これには人民元レートの切上げ、資源・輸送力の逼迫等の要素が影響しているし、国際競争の激化、統計の厳格化による水増しの排除も原因となっている。外資利用を見るポイントは効率であり、数量のみ見てはならない。2005年の外資構造は更に合理化され、不動産等の過熱業種への投資は下降し、サービス業が外資吸収の新たな成長ポイントとなっている。外資構造の変化と国家のマクロ・コントロールの目標・方向は一致している。現在少なからぬ地域が観念を転換し、数量の拡張を重視する立場から質を重視する立場に転向している。
(5)海外進出について
わが国の対外投資が世界に占める比重は甚だ小さく、発展水準の近い発展途上国と比べても明らかに立ち遅れている。海外進出戦略を実施することは、国内の生産能力過剰を緩和し、供給過剰生産能力を移転し、国内のエネルギー・資源不足を補い、国民経済の持続的な高成長を促進することに資する。27年の改革・開放を経て、わが国は海外進出を実施する基礎・条件を既に具備している。ミクロの観点からすれば、既に研究開発能力が強く、自主知的財産権を掌握し、管理水準の高い企業が出現しており、海外進出戦略を実施するために物質的な保証を提供している。多くの発展途上国は、わが国企業が工場を建設し、共同開発を行い、その地の経済発展を促進することを十分に歓迎している。今後、商務部は関係部門との協力を強化し、海外進出を組織的に実施していく。
(6)2006年の商務工作
全体として、2006年の商務領域が直面する内外環境は相対的に平穏であるが、一部ではかなり緊張がある。
国内面では、構造的矛盾が依然存在し、これまでの経済拡張が生み出した生産能力過剰が表面化し始めている。もしタイミングよく消費需要の拡大ができなければ、資源の浪費、収益の低下、失業の上昇、デフレが発生する。同時に、投資速度が引き続き反落している状況下、もし消費と輸出がこれに追いつかなければ、わが国の安定的成長に影響が及ぶ。
国際面では、世界経済は連続2年かなり高い成長を維持し、2006年も平穏な成長という総体的な形勢は変化がなく、欧・米・日の3大地域の消費の伸びは平穏であろう。しかし、原油価格が上下し、不動産バブル、経済発展のアンバランスというリスク要因も存在する。
以上の形勢に基づき、2006年の商務部門は、内需・外需の拡大を立脚点とし、国民経済の平穏で速い成長を推進し、第11次5ヵ年計画のために幸先の良いスタートを切る。
2.全国商務工作会議(2006年1月19日)
(1)呉儀副総理重要指示(2006年1月19日新華社北京電)
A 2005年の実績
a国内市場が持続的・安定的に発展し、消費品小売総額は6.2兆元を超えた。
b対外貿易は持続的に速く増加し、貿易総額は1.4兆ドルを超えた。
c外資利用は質と効率が不断に高まり、外資の導入は600億ドルを超えた。
B 2006年は第11次5ヵ年計画の開始の年であり、全国商務系統は新時期に中国が直面している内外の政治経済環境を深刻に認識し、商務工作の新情勢・新任務を全面的に分析し、科学的発展観で全局を統率し、互恵的でWIN−WINの開放戦略を積極的に実施し、内需と外需の関係をうまく処理し、開放条件下における中国経済の速く良好な発展を促進しなければならない。
C 2006年の施策
a対外貿易の安定的成長を引き続き維持し、輸出入の基本的な均衡を促進し、対外貿易の成長方式を早急に転換し、更に輸出商品の構造を改善し、加工貿易のグレード・アップを推進しなければならない。
b引き続き外資を有効かつ合理的に利用し、消化・吸収・再革新能力を増強し、国内産業のグレード・アップを促進し、外資利用の質と水準を不断に高める。
c条件の整った企業が海外進出を展開し、対外投資と多国籍経営を行うことを支援する。
dマルチや地域の経済協力を推進し、WTO加盟後の過渡期の各種対応策を真剣に行い、貿易紛争を妥当に処理する。
e国内消費需要を積極的に拡大し、流通の現代化の歩みを速め、農村市場の開拓に力を入れ、社会主義の新農村建設に貢献する。
f市場経済秩序を整理・規範化し、知的財産権の保護を強化する。
g政府の機能を更に転換し、対外貿易を促進し、対外貿易にサービスを行う健全な体系を確立する。
h調査研究を強化し、学習を強化して、新たな商務人材の育成に努力する。
(2) 薄熙来部長指示(2006年1月24日付け中華工商時報)
A 第11次5ヵ年計画期間の主要任務・目標
a統一し開放された国内大市場を基本的に形成する。
b対外貿易の成長方式を顕著に転換する。
c外資利用の質を顕著に高める。
d海外進出において、飛びぬけた発展を実現する。
e対外経済関係で基本的に協調する。
f規範化された、効率の高い商務工作メカニズムを順調に運営する。
B 2005年の実績
a対外貿易は1.4兆ドルを超え、23.2%増であった。対外貿易の経済成長への貢献度は3分の1である。
b外資の実際利用は603億ドルであり、新たに許可した外資企業は4.4万社である。外資構造は明らかに改善した。
c対外直接投資は69億ドルであり、26%増であった。
d社会消費品小売総額は6.7兆元、12.9%増の見込みである。
e生産財販売総額は14.2兆元、16.2%増であった。
C 第11次5ヵ年計画期間、内外情勢は我々に総体として有利な環境を提供し、少なからず新たなチャレンジをもたらした。調和のとれた社会・世界を主たる目的とし、革新能力の増強を目標とし、内外の市場・資源を統一的に企画し、互恵的でWIN−WINの開放戦略を実施し、消費の拡大に努力する。
D 2006年は第11次5ヵ年計画の開始の年であり、カギは内需・外需をうまく処理することであり、輸出と消費という2つの最終需要の重要な役割を十分に発揮させることである。
a国内取引では現代的な流通を発展させ、消費拡大を促進する。
b対外貿易の成長方式を転換し、貿易の基本的な均衡を促進する。
c外資については、産業・地域別の指導を強化し、国内技術・産業・経済への牽引作用を増強する。
d海外進出は、速く発展させるだけでなく、質の向上とリスク防止を重視しなければならない。
e外部環境を積極的に改善し、産業と企業の利益を維持する。
(つづく)
(2006年5月記・4,090字)
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