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ログイン2008年11月7日
中国史には、王朝の移り変わりとは別に、隋王朝から清朝まで千年以上ものあいだ続いた「科挙」と呼ばれる官僚登用試験の歴史的伝統が存在する。インドや日本とは異なり、伝統的中国社会では古来より官僚の身分は世襲せず、「科挙」試験により優秀な人材が一般民間から競争選抜するという古来からの伝統があるのである。
中国史には、王朝の移り変わりとは別に、隋王朝から清朝まで千年以上ものあいだ続いた「科挙」と呼ばれる官僚登用試験の歴史的伝統が存在する。インドや日本とは異なり、伝統的中国社会では古来より官僚の身分は世襲せず、「科挙」試験により優秀な人材が一般民間から競争選抜するという古来からの伝統があるのである。
現代中国は憲法に定められているとおり、単独執政制度を国の骨組として、中央政府(党中央委員会)から地方政府の末端(党支部組織)に至るまで、一枚岩のピラミッド型ヒエラルキー杜会構造となっている。地方から中央への人材登用ルートとして、以前から「共産主義青年団」から党幹部への「出世」ルートがあり、このコースを歩んできたエリートは「団派」と呼ばれる。現在の胡錦涛総書記も、かつて中央党学校の校長以前に共青団の主席を務めた経験者であり、現在も多くの地方政府幹部が共青団出身者であることも事実。次期政権を期待されるナンバー3の李克強も、同様に共青団主席経験者である。共青団幹部から共産党に入党し、党の地方組織から中央委員会に幹部入りするルートが典型的なエリート出世コースと言われる。
共青団の下部には、さらに若年組織の「中国少年先鋒隊」(少先隊)という小学生組織が存在する。すなわち小学生時代から首に赤いネッカチーフを巻いて、右手を高く挙げて敬礼する姿勢で有名な「少先隊」に選ばれ、中学・高校生で「共青団」幹部になり、大学生で「中国共産党」に入党して杜会に出るというのが従来の中国社会における出世の最短エリートコースであった。
勿論このルートは誰もが入れる容易なコースではない。エリート中のエリートである「三好学生」は、「道徳」(思想)、「成績」(学問)、「健康」(スポーツ)の三部門で極めて優秀な成績を納めた学生だけに与えられる名誉的な地位である。かつては全国レベルから省市県レベル、学校レベルから学年・クラスレベルにいたるまで「三好学生」と呼ばれる優秀学生幹部選抜・奨励の制度があり、その激烈な競争に勝ち抜いて、「三好学生」に選抜されることが優秀な学生たちの理想であり、目標であり、大変な名誉だった。
その狭き門をめぐって子供たちだけでなく、親たちの間でも激烈な競争が展開されてきたのも事実であるが、「一人っ子政策」もあいまって熾烈な競争がエスカレートしすぎたのか、最近では中高学年教育が最重視されるようになり、三好学生はむしろ「一般化」しつつあると聞く。
ここ数年で大学数と大学生数が飛躍的に増加した一方で、全国統一試験である「高考」で好成績を納め、「重点大学」と呼ばれる超エリート大学の狭き門を突破することが、共青団幹部から政府・党幹部への道を歩むための登竜門とされるようになってきた。
企業就職時の給与水準も、中国では学歴によりあからさまに異なっている。高学歴であればあるほど初任給は高い。逆に大学を卒業しても就職できない若者も急増しているようだ。
2007年の大卒者、11万人が「すねかじり」
〔エクスプロア上海 上海2008年07月16日掲載〕
教育データ情報会社の麦可思(MyCOS)がこのほど、2008年中国大卒者就業報告をまとめ、結果を公表した。
それによると、2007年に大学を卒業した若者495万人のうち、現在も職につけていない人が60万人いることがわかった。
その失業状態の60万人のうち、現在も就職に向けて前向きに活動を行っている人は44.55万人、また研究や留学に向けて準備中の人は4.46万人、就職も進学も諦めて親のすねかじり状態にいる人が10.99万人となっている。
すねかじり状態の人は女性より男性のほうが多く、女性の数は男性より約30%少ないということだ。
いよいよ中国も、思想重視の三好学生から、韓国や日本のような本格的学歴競争社会に突入したのである。「一人っ子」の出世には努力も金銭もいとわない両親祖父母たち、職にあぶれる多くの大卒者たち、こういった新しい現状に新しいビジネスチャンスを見出す日本企業も決して少なくない。(2008年10月記・1,593字)
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