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ログイン2011年3月29日
中国では、すべての会社が工商行政管理部門の年度検査を受けなければなりません。この場合、政府工商行政管理部門に当該会社の財務諸表または会計士事務所の監査報告書を提出する必要があります。債権者はこれらの財務諸表を入手し、債務者の財務状況を把握することができます。【1,299字】
Q
債権回収にあたって、債務者である会社の財務状況を把握したいと考えていますが、財務諸表をどのように入手すればよいでしょうか。
A.
1 財務諸表の作成義務
2006年改正「会社法」165条によると、会社(有限責任会社と株式会社)は各会計年度終了時(12月31日)に財務諸表を作成し、かつ会計士事務所の会計監査を受けなければなりません。
中国では、税金対策等により内容が異なる数種類の財務諸表を作成する会社が少なくありません。このため、会社の財務状況の客観性を確保することを目的に、2006年改正会社法では、会社の作成した財務諸表の会計監査義務が明確にされました。
現在でも、数種類の財務諸表を作成する会社が少なくありませんが、債務者の財務状況をよりよく把握するためには、会計士事務所の監査を受けた財務諸表(すわなち監査報告書)を入手する必要があります。
2 年度検査時の財務諸表の提出義務
2006年の「企業年度検査弁法」2条、3条によると、会社(有限責任公司および株式会社)等は毎年、工商行政管理局の年度検査を受けなければなりません。
年度検査時の提出書類に関して、同弁法7条では、企業法人については貸借対照表および損益計算表の提出が要求され、会社および外商投資企業が会計士事務所に作成させた監査報告書の提出が要求されています。つまり、会社の場合、監査報告書の提出が義務付けられています。
しかし、2007年の企業年度検査作業に関する通達では、一般の有限責任会社の負担を軽減する目的で、年度検査時に監査報告書を提出しなければならない会社の範囲が縮小されました。外商投資企業の場合、工商行政管理局に監査報告書を提出することになりますが、一般の有限責任会社では、会計監査を受けなかった財務諸表を提出すればよいとされています。
3 財務諸表の入手ルート
年度検査時の提出書類(監査報告書または財務諸表)等は企業の工商登記資料として工商行政管理部門に保管されています。
2003年の「企業登記資料照会弁法」によると、弁護士が訴訟活動を代理する場合、裁判所の立件証明を提示すれば、工商行政管理局に対して企業の工商登記資料を閲覧し、コピーすることができます。
しかし上述規定は、弁護士の活動権限を制限するものとして従来から広く批判されています。
現在、上海および北京など多くの地方工商行政管理局では、上述の規定とは別に独自の工商登記資料の照会方法を公布し、弁護士が訴訟を代理しなくても、その弁護士証明書(調査委託書を要求するところもある)を提出すれば、自由に工商登記資料の閲覧、コピーが可能となっています。このため、債務者の財務状況を確認するには、弁護士に企業の工商登記資料にある監査報告書(または財務諸表)の入手を依頼することが考えられます。
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